昔のボクシングの階級(8階級時代)と体重一覧。現代は多すぎ?

ボクシングの階級制度は、歴史を通じて何度か変更されてきました

昔のボクシング界では階級数が8階級と現代よりも少なく、基本的な重量クラスに分けられていました。

以下に、20世紀初頭の一般的な階級を紹介します。

 

昔のボクシングの階級(8階級時代)と体重一覧

 

伝統的なボクシング階級(20世紀初頭)

 

  • フライ級: 最軽量級。当時は112ポンド(約50.8kg)以下。
  • バンタム級: 118ポンド(約53.5kg)以下。
  • フェザー級: 126ポンド(約57.2kg)以下。
  • ライト級: 135ポンド(約61.2kg)以下。
  • ウェルター級: 147ポンド(約66.7kg)以下。
  • ミドル級: 160ポンド(約72.6kg)以下。
  • ライトヘビー級: この階級は時期によって異なりますが、一般に175ポンド(約79.4kg)以下。
  • ヘビー級: どの体重でも競技可能で、上限は設けられていませんでした。

 

これらの階級は、ボクシングが組織化され始めた初期の頃から存在していたもので、ボクシングの歴史における基盤を形成しています。

20世紀を通じて、新しい階級が追加されたり、既存の階級の重量制限が調整されたりすることで、現在のように多様な階級が設けられるようになりました。

例えば、スーパーフェザー級(130ポンド以下)、スーパーライト級(140ポンド以下)、スーパーウェルター級(154ポンド以下)、スーパーミドル級(168ポンド以下)、クルーザー級(現在はブリッジャーウェイト級とも呼ばれ、200ポンド以下またはそれに近いクラス)など、多くの「スーパー」階級や中間階級が新たに設けられました。

これにより、より多くの選手が自分の体重に合った階級で競技できるようになりました。

 

 

8階級制度がいつ始まり、いつ終わったのか

ボクシングの階級制度は、スポーツが組織化され始めた19世紀に根ざしていますが、8階級制度が正式に確立されたのは20世紀初頭のことです。

この8階級制度には先ほど紹介した以下の階級が含まれていました:

  1. フライ級
  2. バンタム級
  3. フェザー級
  4. ライト級
  5. ウェルター級
  6. ミドル級
  7. ライトヘビー級
  8. ヘビー級

この制度がいつ正式に始まったかについては、団体や地域によって若干の違いがありますが、一般的には1920年代には広く認知されていたとされています。

当時、これらの階級はボクサーが競争するための公平なフレームワークを提供し、体重差による不利益を減少させる目的がありました。

 

ボクシングの階級制度は時間と共に進化し、特にテレビ放送が普及し始めた1950年代以降、より多くの階級が導入されました。これは、より多くのタイトル戦を創出し、視聴者に魅力的な試合を提供するための方法として行われました。

その結果、スーパーフェザー級、スーパーウェルター級、スーパーミドル級などの新しい階級が追加され、現在に至るまでには17階級まで増加しています。

 

8階級制度が終わったのは明確な年は定義しにくいですが、新しい階級が徐々に導入され始めた1950年代から1960年代にかけて、徐々にその形を変えていったと言えます。

この変化の背後にある理由は、スポーツの商業化、ファンの関心を高める新たな機会の創出、そして選手たちにより細分化された競争の場を提供することにありました。

 

ボクシングの階級制度の変遷は、スポーツの発展とその社会的、経済的背景に深く関わっています。

階級が増えることで、より多くのボクサーがチャンピオンになる機会を得られるようになり、スポーツの普及に貢献しました。

 

 

 

現代のボクシングの全階級一覧

現代のボクシングでは、多くの階級が設定されており、それぞれの階級が選手たちに競技の場を提供しています。

以下は、プロフェッショナルボクシングの主要な階級を、軽量級から重量級までの順にリストアップしたものです。

なお、ここで示す階級の重量制限は、一般的なガイドラインであり、プロモーターやボクシング組織によってわずかに異なる場合があります。

 

現代のプロフェッショナルボクシング階級

  1. ミニマム級(ストロー級): 105ポンド (47.63 kg) 以下
  2. ライトフライ級(ジュニアフライ級): 108ポンド (48.99 kg) 以下
  3. フライ級: 112ポンド (50.80 kg) 以下
  4. スーパーフライ級(ジュニアバンタム級): 115ポンド (52.16 kg) 以下
  5. バンタム級: 118ポンド (53.52 kg) 以下
  6. スーパーバンタム級(ジュニアフェザー級): 122ポンド (55.34 kg) 以下
  7. フェザー級: 126ポンド (57.15 kg) 以下
  8. スーパーフェザー級(ジュニアライト級): 130ポンド (58.97 kg) 以下
  9. ライト級: 135ポンド (61.23 kg) 以下
  10. スーパーライト級(ジュニアウェルター級): 140ポンド (63.50 kg) 以下
  11. ウェルター級: 147ポンド (66.68 kg) 以下
  12. スーパーウェルター級(ジュニアミドル級): 154ポンド (69.85 kg) 以下
  13. ミドル級: 160ポンド (72.57 kg) 以下
  14. スーパーミドル級: 168ポンド (76.20 kg) 以下
  15. ライトヘビー級: 175ポンド (79.38 kg) 以下
  16. クルーザー級(ジュニアヘビー級): 200ポンド (90.72 kg) 以下(一部団体ではブリッジャーウェイト級として200ポンド未満)
  17. ヘビー級: 200ポンド (90.72 kg) 超

これらの階級は、ボクサーが自分の体重や体型に最適なカテゴリーで競技できるようにするために設けられています。

階級ごとにチャンピオンが存在し、階級を超えたビッグマッチも頻繁に行われています。

階級制度は、公平な競技を保証し、選手の健康を守る上で重要な役割を果たしています。

 

 

ボクシングの階級の数が増えたことでどんな変化が起こった?

ボクシングの階級数が増えたことにより、いくつかの重要な変化がスポーツにもたらされました。これらの変化は競技自体、選手、ファン、そしてスポーツの商業面に影響を与えています。

 

  1. 選手にとっての機会の増加:階級数の増加は、より多くのボクサーに世界タイトルを獲得するチャンスを与えました。体重や身体的特徴が異なる選手が自分に最適な階級で競争することで、そのポテンシャルを最大限に発揮できるようになります。

  2. 競技性の向上:階級が細分化されたことで、体重差による不利が減少し、技術や戦略がより重要な要素となりました。これにより、試合の競争性が高まり、より公平で熱い戦いが展開されるようになりました。

  3. 商業面での利益:階級が増えることで、より多くのタイトル戦が行われるようになり、プロモーターや放送局にとっての収益機会が拡大しました。これはボクシングの普及と商業化を促進し、大きなメディアイベントとしての地位を固めることに寄与しました。

  4. ファンの関心の拡大:異なる階級で行われる多様なタイトル戦は、ファンにとって魅力的なものとなり、より広い範囲の選手やスタイルに親しむ機会を提供しました。これは、世界中のさまざまな地域や文化からの選手が注目を浴びることを意味し、ボクシングの国際的な人気を高める一因となりました。

  5. 階級間の移動:階級数の増加により、選手は自分のキャリアを通じて複数の階級で競争することが一般的になりました。これにより、「マルチ階級チャンピオン」のような新たな偉業が生まれ、選手のレガシーをさらに豊かなものにしました。

  6. 競技の細分化と専門化:階級が増えたことで、トレーニングや戦略もより専門化されました。選手とトレーナーは、特定の階級の競争者に合わせた準備をすることが求められ、技術やコンディショニングの方法において革新が進みました。

 

階級数の増加は、ボクシングをよりダイナミックで多様なスポーツに変え、その発展に大きく貢献しています。

同時に、階級が増えたことによる複雑さや、タイトルの価値が希薄化するとの指摘もあり、その影響は多面的です。

 

 

ボクシングの階級は多すぎ?

ボクシングの階級が多すぎるかどうかについては、意見が分かれるところです。

この問題を理解するためには、階級が多いことのメリットとデメリットの両方を考える必要があります。

 

メリット

 

1. 選手の安全性と健康

階級が細分化されていることで、体重差の大きな選手同士の対戦が減り、選手の健康と安全が守られます。

これにより、より公平な競技条件が提供され、選手は自分の体重に適した階級で戦うことができます。

 

2. チャンスの増加

多くの階級が存在することで、選手にはより多くのチャンピオンシップやタイトル獲得の機会が提供されます。

これは、モチベーションの向上にもつながり、スポーツ全体の発展を促します。

 

3. 多様性と戦略性

階級が多いことで、さまざまな体型やスタイルの選手が活躍できる場が広がります。これにより、戦略や技術の多様性が増し、ボクシングがより魅力的なスポーツになります。

 

 

デメリット

 

1. ファンの混乱

階級が多すぎると、ファンが各階級の選手やチャンピオンを追いきれなくなることがあります。

特に、複数の団体が存在するボクシング界では、同じ階級で複数のチャンピオンがいる状況が発生し、ファンが混乱する原因になります。

 

2. チャンピオンの価値の希薄化

階級が増えることで、チャンピオンの数も自然と増えます。これにより、チャンピオンシップタイトルの価値が希薄化し、かつてのような名誉や尊敬が得られにくくなる可能性があります。

 

3. 競技間の格差

階級によって競技人口や注目度に大きな差が生じることがあり、人気階級とそうでない階級の間で賞金や機会に格差が生まれることがあります。

 

階級制度についての議論は、選手の健康と安全を最優先に考えるべきか、スポーツとしての魅力や競技性をどうバランスさせるべきか、という基本的な問いに帰結します。

階級の数を減らすことによる影響を慎重に検討し、選手、ファン、そしてスポーツ全体の利益を考慮したうえで最適な解決策を見つけ出す必要があります。

 

 

昔のボクシングの名試合や伝説的なチャンピオン

ボクシングの歴史は、伝説的な試合と偉大なボクサーたちで満ちています。

ここでは、その中でも特に記憶に残るいくつかの名試合と、伝説のボクサーたちについて紹介します。

 

伝説の試合

  1. ジョー・ルイス vs. マックス・シュメリング(1938年)

    • この試合は、特に政治的な背景があったことで有名です。ルイスはアメリカを代表するアフリカ系アメリカ人ボクサーとして、ナチス・ドイツのシュメリングと対戦し、1回KOで勝利しました。
  2. ムハンマド・アリ vs. ジョー・フレージャー(1971年)

    • 「世紀の試合」として広く知られるこの試合は、二人の無敗のヘビー級チャンピオンがニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで対戦しました。フレージャーが勝利し、アリの初黒星をつけました。
  3. ムハンマド・アリ vs. ジョージ・フォアマン(1974年)

    • 「キンシャサの奇跡」とも称されるこの試合は、ザイール(現在のコンゴ民主共和国)で行われ、アリがフォアマンを8ラウンドKOで下しました。アリの「ロープ・ア・ドープ」戦術が有名です。

 

伝説のボクサー

  1. ムハンマド・アリ

    • 「ザ・グレイテスト」と呼ばれるアリは、そのカリスマとボクシング技術、社会的活動で知られています。3度のヘビー級チャンピオンに輝き、スポーツの世界における最も影響力のある人物の一人です。
  2. シュガー・レイ・ロビンソン

    • 中量級での活躍が多いロビンソンは、多くの専門家から史上最高のパウンド・フォー・パウンド・ボクサーと評されています。1940年代から1950年代にかけての活躍で、その名を不朽のものにしました。
  3. ジョー・ルイス

    • 「ブラウン・ボマー」と呼ばれたルイスは、ヘビー級チャンピオンとして12年以上にわたって君臨し、25回のタイトル防衛を果たしました。彼の時代を超えた実績は、今日でも高く評価されています。
  4. ロベルト・デュラン

    • パナマ出身のデュランは、「ハンズ・オブ・ストーン(石の拳)」と呼ばれ、軽量級から中量級にかけて多くのタイトルを獲得。特に1970年代と1980年代にかけての活躍が知られています。

 

これらの試合とボクサーは、ボクシング史における多くの記憶に残る瞬間のほんの一部に過ぎません。

ボクシングは長い歴史と共に、多くのドラマと英雄を生み出してきました。

 

 

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