カヌー・カヤック用語集
川や湖をボートに乗ってパドルを漕いで進む・・・
自然と調和し、冒険心をくすぐられる・・・
カヌーやカヤックの魅力は多岐にわたります
カヌー・カヤックのパドルを漕ぐには結構な力を必要としますが
水上で漕いで進むという行為が、体に心地よいリラックス効果をもたらし
ゆったりした気分に浸ることもできます
ここでは、世界中で親しまれているカヌー・カヤックに用いられる用語を、簡単にまとめています
もし、カヌーやカヤックに挑戦したいと思っている人は
ぜひこのページのカヌー・カヤック用語集をご覧になっていってください
あ行
浅瀬
水深が浅い場所を指し、ツーリングなどの活動で時折障害になることがあります。
アンダーカット
水面の下にある岩や岩壁がくりぎれている状態を指します。
ウォッシュ・アウト
高水位の際に瀬の障害物が水中に沈んでしまい、瀬がより穏やかになる現象を表します。
右岸
川の下流に位置する右側の岸を指します。
エスキモーロール
沈んだ後にボートを元に戻すテクニックで、習得することで時間を節約し危険を回避するのに役立ちます。
エディ
流れの中で障害物の下流側に形成される、比較的流れのおだやかな場所を指します。
障害物によって流れが遮られ、逆流が緩やかに渦巻いています。ボートを入れて一休みすることができます。
エディ・ホップ
エディからエディへ漕ぎながら、川の流れを下る行為を指します。
FRP艇
FRPはFiber Reinforced Plastic(繊維強化プラスチック)の略で、この素材から作られたボートは軽く、シャープな操作性を持ち、多彩な色が楽しめます。
ただし、衝撃にはあまり強くないため注意が必要です。
現在では、ガラス繊維(グラスファイパー)が主に強化材として使用され、これらのボートは「グラス艇」とも呼ばれています。
ただし、廃棄時の環境への影響が注目されています。
エンダー
ボートの先端をホールや波に突っ込み、垂直に立てる行為です。
エントラップメント
流れる水中で障害物に捕まり、動けなくなる状態を指します。
落ち込み
川底の段差などにより急激に流れが下がる場所を指します。
か行
返し波
落ち込みの後、水流が逆巻いてできる波 → ストッパー
水中の岩
水中に潜む岩。速い流れの中で水面にひそむ岩は、船が引っかかりやすいので要注意。
慣れると波の形状から水中の岩の位置が分かる。
可動堰
開閉式または起伏式の可動部を備えた堰。
カナディアン・カヌー
デッキのないシングルパドルで漕ぐボート。
大量の荷物が積めるため、ツーリングボートとして人気があります。
また、ロールができるホワイトウォーター向けのものも存在します。 → カヌー
カヌー
日本ではさまざまな種類のボートを総じてカヌーと呼びますが、「CANOE」と言うと通常はシングルパドルで漕ぐボートを指します。
一方で、ダブルパドルで漕ぐボートは国によってはカヤックと呼ばれますので注意が必要です。
カヤック
ダブルパドルを使用して漕ぐボート。
漕ぐ場所と使い方によってさまざまな種類があり、特に海で使用されるものはシーカヤックと呼ばれます。
感潮域(汽水域)
満潮時に河口から海水が逆流する地域。
干潮から満潮になる際、大きな干満差のある場所では川が逆流することもあります。
中国の川などでその典型例が見られるかもしれません。
ガンネル
ボートの縁の部分。
キール
船底の中央に垂直に走る頑丈な構造。
魚道
ダムや堰に設けられた、魚が通るための水路。
クラッシュ&バーン
急流の中で船が乱れること。
グラブループ
ボートの船首と船尾に取り付けられた、ループやテープでできた輪。
運搬や救助の際に掴むのに便利。
クリーク
小規模な川。
クルージングリバー
一年中川を下ることができる川。
グレード
川全体または個々の急流の難易度を示す指数で、1級から6級まであり、数値が大きくなるほど難易度が上がります。
国際的に一般的な基準です。
コクピット
ボートの中で人が座るためのスペース。
さ行
左岸
川の下流に向かって流れ、左側に位置する岸。
C-1
カヌーの一人乗りバージョン。
二人乗りはC-2と呼ばれる。
→ K-1、スラローム・カヌー
Jストローク
シングル・パドルを使って漕ぐ際のテクニックの一つで、前方から漕いできたパドルを最後にJの字を描くように外へ押し出す。
これにより、片側だけを漕いでもまっすぐに進むことができる。
シャトル
川下りの前に、帰りの車の手配などを事前に行うこと。
シャフト
パドルの手柄の部分。
シングル・パドル
ブレードが片側にのみついているパドル。 → ダブル・パドル
スウィープ・ストローク
パドルを水に平行に横たえ、大きな反円を描くように漕ぐ技術。
スカーリング
パドルを垂直に立て、8の字を描くように動かす漕ぎ方。
これにより船は横に平行に移動する。着岸時などに便利。
スキップ
危険な瀬や滝、ダムなどを避けて川を進むこと。
スターン
船の後方。艫(とも) → バウ
スターンラダー
パドルを後ろに差し込み、外側に水を押し出すように漕ぐ技術。
方向転換に使用される。
ストッパー
落ち込みの後に発生する大きな巻き返し波。
文字通り、船や人を停止させ、時には巻き込むことがある。
ストリーム・イン(アウト)
本流以外の水面から本流に船を漕ぎ入れるテクニック。
逆に本流から船を出すテクニックをストリーム・アウトと呼ぶ。
ストレッチャー(フットレスト)
船の内部に設置された、足を伸ばすための支え。
ストローク
パドルで水をかいて漕ぐ動作。
スプレーカバー
コクピットに水が入らないように覆うカバー。
腰まわりに装着するスカートのようなもの。
オープンデッキカヌーでは、デッキ全体を覆うものを指す。
スラローム・カヌー
競技用のカヌー。一般的にはC-1と呼ばれる。
見た目はスラローム・カヤックに似ているが、パドラーは膝を曲げ、両膝をつき、腰を浮かせた状態で座り、シングル・パドルで漕ぐ。
スルース
エディーのない狭い水路に変化した急流のこと。
スローロープ
レスキュー時に、溺れている人に投げたり、船を引いたりするのに使うロープ。
瀬
流れが速く波立っている場所。
堰
水流を止めたり調整したりするために建てられた人工のダム。
静水
流れや波のない水面。
セフティロープ
川の安全確保のための重要な装備。日常的に訓練を行うことが重要。
た行
ダブル・パドル
両側にブレードのついたパドル。 → シングル・パドル
ダム
通常、堤高が15メートル以上の堰のこと。
タン
V字形で細長いなめらかな水流。
瀬の中で最も深くて速い場所(通常は本流)。
チキン・ルート
瀬を下る際、複数のコースが選べる場合、最も易しく安全なコース。
→ ヒーロー・ルート
沈
「チン」と発音。船が転覆すること。
沈下橋(潜水橋)
川が増水すると水面下に沈む低い橋。
中途半端な増水時には、橋の下に水が迫り、パドラーはリンポー・ダンスや沈下を余儀なくされることがある。
水中に沈んだ場合も、船を引っかけたりすると危険。要注意!
偵察(下見)
川で前方に不審なものが見えたり、瀬音がしたりした場合、船を停止してその正体を確認すること。
または川下りを始める前に、川沿いの道路から川を観察すること。事故を防ぐための最善の手段。
提防
川の洪水や氾濫を防ぐために、両岸を土砂やコンクリートで高く盛り上げた人工の構造物。
Tボーン
岩などの障害物に90度の角度で衝突すること。
テイクアウト
船を降りて車に乗り込む場所。
デッキ
船の上部を覆う部分。
テトラポッド
コンクリートブロックの一種。
護岸や川床を川の浸食から守るために配置される。
水は通るが、船や人は通らないので、引っかかる危険性があり非常に危険。近づかないようにしましょう!
テレマークターン
回転したい方向にパドルを挿し込み、そこを支点に船を急旋回させるテクニック。
ハイ・テレマークはパドルを垂直に挿し込み、ロー・テレマークはパドルを水面に対して傾けて押さえる。
ドロー・ストローク
船の横にパドルを挿し込み、水を引き寄せる漕ぎ方。船は横に平行に移動する。
ドロップ
川床の段差。滝より小さいもの。
瀞場
川で急流や速い流れに比べて相対的に流れが遅い場所。
な行
中州
川の流れの中に孤立した陸地。
水が増水すると水没する中州は、水没せずに植物が覆っているものは中島と呼ばれる。
は行
バウ
フネの前方。船首。
→ スターン
バウラダー
前方にパドルを挿し込み、フネに水を寄せて回転させるテクニック。
バック・ウォーター
川で、ダムや堰など上流にできる静水面。
パドル
カヌーやカヤックを漕ぐのに使われる櫂。シャフトの端にブレードが取り付けられており、このブレードで水を前から後ろにかいて船を前進させる。オールとは異なる。
ビック・ウォーター
極めて多くの水が流れる川のこと。
ヒーロー・ルート
瀬の中で下るコースが複数選べる場合、最も難しくて危険なコース。 → チキン・ルート
ピロー
岩やボウルダーの上流面に水の跳ね返りでできるクッション。
ファルト・ボート
折りたたむことができるカヌーまたはカヤック。
通常、袋状の布(船体布)に組み立て式の骨組み(フレーム)を収納する形態。
なお、「ファルト・ボート」はドイツ語であり、英語では「フォールディング・カヤック/カヌー」と呼ばれる。
フェリーグライド
流れの力を利用して横断するテクニック。
フォワード・ストローク
フネを前進させる漕ぎ方。最も基本的な漕ぎ方。
淵
流れが緩やかで渦を巻いている水深の深い場所。
プットイン
カヌーするときの出発地点。
浮力体
沈没時にフネの中に水が入り込むのを防ぐため、あらかじめ設置される空気袋。フローテーション・バッグまたはエア・バッグとも呼ばれる。
ブレイス
パドルのブレードで水を支えること。
ハイ・ブレイスはブレードの表で水を支え、ロー・ブレイスは裏で水を支える。
ブレード
パドルの端に取り付けられた、水をかく部分。
ヘア
危険で技術的に難しいホワイトウォーターのこと。
放水ロ
発電のために取水された水が放水される場所。
ここから水量が増える。
ボウルダー
大きな岩。
ボウルダー・ガーデン
大きな岩が散らばっている瀬。
ポーテージ
フネを水から上げ、かついでダムなど通行不可能な場所を越えること。
ボトム
カヤックやカヌーの船底。
ボートスカウト
エディからエディまで漕ぎ移りながら瀬の障害を偵察すること。
ポリエチレン・カヤック
ポリエチレンは浮力があり、衝撃に強い合成樹脂。
この素材で製造されたカヤックは、FRP艇に比べて重く、操作性はやや劣るが非常に丈夫で、岩だらけの激流でも安心して利用できる。
ホワイト・ウォーター
文字通り、白く泡立った波や水面。
また、これらの水面が続く急流を指す。穏やかな流れはブルー・ウォーターと呼ばれる。
本流(流芯)
川の流れの中で最も速い部分。
ま行
や行
ヤナ
魚を捕るために川を横断して築かれた堰のような構造物。
フネが上に乗り上げたり、吸い込まれたりする可能性があるため、十分な注意が必要。
ら行
ライニングダウン
浅瀬など、船に乗ったまま進むことができない場所で、船を下りてロープで引きながら歩く行為。
ライフ・ジャケット
川や海で泳がざるを得なくなった際に着用し、浮力を確保して溺れを防ぐための救命具。
P.F.D (Personal Floatation Device) とも呼ばれる。
ラダー
カヤックの後方に取り付けて舵として使用し、主にシー・カヤッキングで風や潮流に対抗するために利用される。
ラピッド
流れが速くなっている急流のこと。
ラフト
ゴム製のボート。
リバース・ストローク
船を後退させるための漕ぎ方。
パドルの裏を使って後ろから前へ漕ぐ。
レーシング・カヌー
競技用のカヌー。オープンデッキで、シングル・パドルで漕ぐ。
わ行
ワイルド・ウォーター・カヌー
デッキがついたカヌーで、シングル・パドルを使って漕ぐ。
外見はワイルド・ウォーター・カヤックに似ていますが、膝を曲げ、正座するようにして腰を浮かせて座ります。
終わりに
カヌー・カヤック用語集はいかがだったでしょうか?
聞き慣れない用語が数多く出てきたと思いますが
しっかり用語をマスターする必要はありません
要は、どれだけ楽しめるか?です
カヌーやカヤックに二度、三度と繰り返し乗ることで
アナタはどんどん、その魅力に取りつかれていくことでしょう
精神の健康にも役立つので、ぜひ一度プレイしてみてくださいね