将棋用語集①(あ行~か行)

目次

将棋用語集

 

 

アナタは将棋についてどれくらいの知識を持っているでしょうか?

ルールはある程度知ってるけど、簡単な用語や定石なんてちんぷんかんぷん・・・

なんて人、多いのではないでしょうか?

 

将棋は日本の伝統文化、昔からあるボードゲームです

テレビでも棋士同士の対局が放送されていますが

将棋初心者の人には何がどうなってるのかさっぱりわかりませんよね

 

今回は、そんな将棋初心者の方に向けて

簡単に将棋に使われる用語をまとめています

 

将棋のことをもっと知りたいとお考えの方は

ぜひ、見ていってください

 

将棋用語集②(さ行~な行)はこちら

 

将棋用語集③(は行~わ行)はこちら

 

あ行

 

相-(あい-)

この接頭語は、相互または対等な何かを示す複合語によく使われます。

将棋の文脈では、プレイヤー間の相互作用や対立を含む状況や動きを説明する用語に先立って用いられることがあります。

将棋におけるこのような用語は、戦略的思考の深さを物語っていますね。

 

合駒(あいごま)

攻撃駒と王将または他の価値の高い駒の間に駒を置いて攻撃を遮る守備的な動きを指します。

この動きは、敵の攻撃を巧みに防ぐ重要な戦術であり、将棋の駆け引きをより一層面白くしています。

 

合駒請求

防御戦術として合駒を求める状況や行動を意味するかもしれませんが、標準的な用語ではありません。

具体的に敵の脅威に対処するための行動を示唆しています。

このような状況は、将棋がただのゲームではなく、瞬時の判断と戦略が要求される競技であることを強調しています。

 

上がる

将棋の文脈で「上がる」とは、駒が昇格することを意味します。特定の駒が相手の陣地に達した際に、それらの駒は昇格する選択肢があり、異なる動きや力を得られます。

このルールは、将棋のゲームプレイに複雑さと戦略的な深みを加えていますね。

 

開き王手(あきおうて、ひらきおうて)

一つの駒を動かすことで、その駒だけでなく、動かしたことによって開いた別の駒からの王手を生じさせる状況を指します。

この戦術は、相手を驚かせ、ゲームの流れを一瞬にして変えることができるため、非常に興味深いです。

 

悪形(あっけい、あくけい)

不利を招くような駒の配置を指します。対義語は「好形」です。

悪形は防御が困難になる、攻撃のチャンスを相手に与えてしまうなど、ゲームの流れを不利にする可能性があります。

将棋は駒の配置が非常に重要で、悪形を避けるためには常に局面を見据えた計画的な指し手が求められます。

この用語は、戦略的な視点から常にボード全体を把握する重要性を教えてくれます。

 

悪手(あくしゅ)

形勢を悪くする原因となる指し手のことで、疑問手よりもさらに悪い手を指します。

落手や失着、大ポカなどとも言われます。悪手はしばしば局面を一変させ、有利な状況を逆転させてしまうことがあります。

将棋は一手一手が非常に重要で、一つの悪手がゲームの結果に大きな影響を及ぼすことを思い出させてくれます。

 

味(あじ)/味のいい手

後の指し手の可能性や含みを意味し、攻めの狙いを持つ手のことです。

「味のいい手」とは、特に一石二鳥の手や、将来にわたって有利な状況を作り出す手のことを言います。

将棋は単にその場の最善手を指すだけでなく、将来の布石を考える深い思考が要求されるゲームです。

前を見据えた戦略的な思考の重要性が伝わる言葉です。

 

味消し(あじけし)

ベストではないタイミングで、いつでも指せる手を早まって指してしまうことです。

例えば、「ここで質駒の金を取ったのは味消しだった」という具体例があります。

この行動は、局面のポテンシャルを無駄にしてしまうことがあり、戦略的なタイミングの重要性を教えてくれます。

将棋では、いかにして自分のペースを保ち、相手にリズムを掴ませないかが勝敗を左右します。

 

味つけ(あじつけ)

局面に特定の意味や狙いを加える行動を指します。

具体的な定義は用語によって異なる場合がありますが、一般的には将来的な利益や戦略的な有利を生み出すために行われる微妙な指し手を意味します。

将棋の局面をより有利に導くための繊細な戦略を表しており、長期的な視野でゲームを考える洞察力が求められます。

 

味わい深い

将棋の局面や指し手が持つ、戦略的な深みや美しさを表現する言葉です。

単に勝つための手ではなく、将棋の美しさやプレイヤーの独創性を感じさせる指し手を指します。

この用語は、将棋が単なる勝負事以上に、深い思考と創造性の表現の場であることを教えてくれます。

将棋の一手一手に込められた意図や美学を味わうことは、このゲームの大きな魅力の一つだと感じます。

 

足を止めてのパンチの応酬

プレイヤーが互いに攻めを受けることなく攻撃を仕掛け合い、一時的に他の戦略的行動を停止して直接対決する局面を指すことがあります。

このような状況は、ゲームに緊張感とダイナミズムをもたらします。

これは将棋がただの静かな思考ゲームではなく、時には激しい戦いが繰り広げられる場でもあることを示しています。

 

遊び駒

使用されていない、または直接的な戦いに参加していない駒を指します。

遊び駒は将来的に重要な役割を果たす可能性を秘めており、戦略的なリソースとして見ることができます。

遊び駒の管理と活用は将棋の重要なスキルであり、ゲームの進行において革新的な転換点をもたらすことがあります。

 

将棋で「頭」とは、主に玉将(王将)の前に位置するマスを指すことがあります。

また、駒が進む方向の最前線を意味することもあります。頭の位置は非常に重要で、玉の安全や攻撃の起点となり得ます。

頭の概念は、将棋の局面を分析する際に防御と攻撃のバランスを考える上で欠かせない要素です。

 

頭ハネ

「頭ハネ」とは、敵駒を直接取るのではなく、その前を跳ねるように進む戦術を指します。

これにより、相手の攻撃ラインを崩したり、新たな攻撃路線を確保したりすることができます。

頭ハネは相手の計画を狂わせ、予期せぬ展開を生み出す魅力的な戦術であり、将棋の戦略的多様性を象徴しています。

 

頭が丸い

この表現は、将棋の駒、特に角行や桂馬が、自身の直前のマスにある敵の駒を取ることができないという特性に由来します。

これはそれらの駒の動きに固有の弱点を指し、攻撃や防御の際に考慮すべき重要な要素です。

このような弱点を理解することは、駒の配置や戦略を計画する上で不可欠です。

将棋は駒のユニークな動きとそれに伴う制約を深く理解することが勝利への鍵であり、「頭が丸い」という概念はその複雑さを象徴していると思います。

 

頭金

敵玉(敵の王将)の直前に金将を打ち、詰める形を作る戦術です。

「詰みの基本は頭金」という格言がこの戦術の重要性を物語っています。

この手法は、将棋の詰め将棋や実戦で非常に効果的であり、詰める際の基本的なアプローチの一つとされています。

頭金は、相手の王将を追い詰める際の明快さと効率性を示す戦術であり、将棋の戦略的な美しさを感じさせます。

 

当たる

将棋において「当たる」とは、攻撃が目標に達すること、特に敵の駒に直接攻撃を加えることを意味します。

これは、敵の駒を取る機会があることを示すこともあります。

攻撃のチャンスを見極め、適切なタイミングで「当たる」手を指すことは、局面を有利に導くために非常に重要です。

 

厚い

「厚い」とは、自駒が互いに支え合っている状態を指し、特にある領域や方向に対する防御力や攻撃力が強いことを意味します。

厚みがあることで、相手の攻撃に対する耐性が高まったり、新たな攻撃の起点となったりします。

局面を「厚く」構築することは、長期的な安定性と戦略的優位性を確保する上で非常に価値があります。

 

穴熊の姿焼き

穴熊の姿焼きは、穴熊囲いを採用している側が、その囲いを保持しているにも関わらず、形勢を大きく損ねてしまっている状況を指します。

穴熊囲いは非常に堅固な防御手段ですが、その囲いが完全であっても、局面によっては不利な状況に陥ることがあります。

この用語は、どんなに強固な防御も、戦略的なミスや相手の巧妙な攻めには無力である可能性があることを示しています。防御と攻撃のバランスが重要であることを教えてくれます。

 

穴熊の暴力

穴熊に囲った側が、自玉が遠い位置にあることや、簡単には王手をかけられないという利点を活かして、大胆な、そしてしばしば大きな駒損を伴う攻めを仕掛けることを指します。

これは、通常のプレイでは考えられないような積極的な攻め方であり、相手を圧倒することができます。

穴熊の暴力は、将棋が単なる静かな思考ゲームではなく、時には大胆かつ攻撃的な戦略が光る舞台であることを示しています。

 

暴れる

局面が不利になり、相手の厳しい攻めに対抗するために、やむを得ず積極的に攻めることを余儀なくされる状況を指します。

この状態では、プレイヤーは防御よりも攻撃を選択し、局面をひっくり返すチャンスをうかがいます。

暴れるという行動は、将棋が持つダイナミックな面白さと、形勢が一瞬にして変わる可能性を物語っています。

 

甘い

悪手とは言えないものの、相手にとってあまり脅威とならない手を指します。

これは、局面における微妙な力関係や戦略的な深みを示す用語で、より優れた手が存在する可能性を暗示しています。

甘い手は、将棋の奥深さと、常に最善の手を模索することの重要性を教えてくれます。

 

網が破れる

自陣の防御が相手によって突破される状況を指します。また、相手の重要な駒、特に玉将や大駒を捕獲する絶好のチャンスを逃すことも含まれます。

この表現は、将棋のゲームにおいて防御の重要性と、チャンスを逃さずに相手の弱点をつく機敏さが必要であることを示しています。

この用語は将棋がただの静かな思考ゲームではなく、時には緊張感あふれる攻防戦が展開される場であることを思い出させます。

 

アヤ

勝負において逆転の可能性や不確定要素を指します。予測不可能な展開や細かな差が大きな結果を生む可能性を含意しています。

この用語は、将棋のゲームが単純な勝敗よりも深い戦略的考察を必要とすること、そして常に変化する局面に適応する柔軟性が求められることを示しています。

アヤは将棋が予測不可能な展開を含む複雑なゲームであることを強調し、その魅力の一つだと考えます。

 

妖しい

狙いが明確でない、相手を混乱させる手を指します。

この手は意図的に、または無意識のうちに相手に複雑な選択を強いることがあります。

この用語からは、将棋が単に戦術的なスキルだけでなく、心理戦も重要な要素であることが伝わってきます。

妖しい手は将棋が持つ深い心理戦の側面を示し、相手を惑わせることが戦略的な利点につながることを教えてくれます。

 

謝る

自陣に歩を打ち直して、相手の歩や飛車の成りを許すこと。

この行動は、しばしば相手の攻撃を一時的に食い止めるために使われますが、自分の局面を不利にする可能性もあります。

この用語は、将棋が予測と反応の連続であり、時には犠牲を払ってでも将来の大きな損害を防ぐ必要があることを示しています。

謝る手は将棋の戦術的な複雑さと、ゲーム中の判断がいかに重要かを思い出させます。

 

合わせる、合わせの歩

これは相手の歩頭に自分の持ち駒の歩を打つ手筋を指します。

この戦術は、その地点に利いている別の自駒を活用する目的が多く、攻撃の強化や防御の固めに利用されます。

この手筋からは、将棋が単なる一手一手の戦いではなく、全体の局面を見据えた上での戦略的な思考が求められるゲームであることがわかります。

合わせの歩は相手にプレッシャーをかけつつ、自分の戦略を強化する巧妙な方法であり、将棋の奥深さを示していると感じます。

 

安全勝ち

勝勢の状態にある一方が、無駄な駒の捨て攻めをせず、相手の駒を取る、自陣に駒を加えるなど、安全を優先した手を指し続けて勝つことを意味します。

この戦略は、勝利を確実にするためにリスクを最小限に抑えることを重視します。

安全勝ちからは、将棋がただの攻撃的な戦いだけでなく、勝利を確実にするための慎重な計画と戦略を要求するゲームであることが伝わってきます。

安全勝ちは、戦術的な洞察力と忍耐が勝利には不可欠であることを示し、将棋の戦略的な側面を強調しています。

 

居(い)

この接頭語は、玉将や大駒が初期位置から動いていない状態を指します。

例えば、居玉、居飛車、居角などがあります。

居という概念は、将棋の戦術において位置取りがいかに重要であるかを示しています。

特に初期配置のままでいることの戦略的価値や、そこから生まれる多様な展開の可能性について考えさせられます。

 

居飛車

飛車を初期位置、つまり1〜4筋に配置する戦法を指し、これには飛車を2筋に留めておくことも含まれます。

これに対して、飛車を5筋より左に動かす戦法は振り飛車と呼ばれます。

居飛車を主に使用する棋士を「居飛車党」と呼びます。

居飛車と振り飛車の対比は、将棋の戦法の多様性を象徴しており、それぞれの戦法が独自の思考と計画を必要とすることを示しています。

 

居飛車の税金

居飛車対振り飛車の局面で、居飛車側が飛車側の端歩を突く戦術を指します。

これは主に、振り飛車側からの角の覗きを防ぐために行われ、振り飛車側の攻撃ポテンシャルを制限する目的があります。

居飛車の税金は、将棋が単なる駒の動かし合い以上に、相手の戦略を予測し、それに対処する方法を考えるゲームであることを示しています。

戦略の微妙な調整がゲームの結果に大きな影響を及ぼすことが多いです。

 

以下

指し手以降の手順を表す用語です。例えば、ある特定の局面からの一連の指し手を示す際に用いられます。

以下という表現は、将棋が一手一手の連鎖反応であり、一つの手が次の手へと続く流れを作り出すことを強調します。

将棋は、先を読むことが非常に重要なゲームで、その深さがこの簡単な用語にも表れています。

 

家元制度

江戸時代に設けられた将棋界の制度で、将棋三家が徳川家から召し抱えられる形で存在していました。

この制度は、将棋が社会的に認められ、文化として根付いていたことを示しています。

家元制度は、将棋が単なる娯楽を超え、日本の文化や歴史に深く根ざした伝統であることを教えてくれます。

この制度を通じて、将棋の技術や戦略が継承され、発展してきたことがわかります。

 

行き所のない駒、行かずの駒

特定の駒が、それ以上進めないマスに不成で動かされたり打たれたりする反則を指します。

このルールは、特に歩兵、香車、桂馬に関連しており、これらの駒を敵陣の一段目や桂馬の場合は一・二段目に打つことが禁じられています。

行き所のない駒のルールは、将棋が非常に細かいルールによって成り立っている複雑なゲームであることを示しています。

このような細部にわたるルールが、将棋の戦術的な深みをさらに増しています。

 

行く(いく)、行き(いき)

棋譜において、同じ種類の大駒が同じマスに複数回移動可能な場合に、その駒が前進する手を指す表記です。

逆に、駒が後退する場合には「引く」と記されます。

この用語は将棋が持つ緻密な記録の伝統を示しており、一手一手の動きがゲーム全体の流れにどれほど影響を及ぼすかを強調しています。

将棋は、その精密さが魅力の一つであり、そのための特別な表記法が存在することが興味深いです。

 

いじる

特定の陣形、特に相手の玉の周りの配置を、歩などの駒を使って乱すことを指します。

例えば、「玉周りをいじられる」とは、防御陣形が攻撃によって不安定にされることを意味します。

いじるという行為は、将棋がただの攻撃と防御ではなく、相手の計画を緻密に破壊し、心理的にも圧力をかけるゲームであることを示しています。

相手の防御を巧みに乱すことができれば、勝利への大きな一歩となります。

 

いじめる

特定の駒を標的にし、その駒を追い詰め、捕獲を試みたり、その動きを制限したりする戦術を指します。

特に、飛車や角など、特定の方向にしか動けない駒の弱点を突く場合に使われます。

いじめる戦術は、将棋が単に戦略的な深みを持つだけでなく、個々の駒の弱点を如何に利用するかという技術も要求されることを示しています。

相手の駒を効果的に制限することは、勝利に向けての重要な一手となり得ます。

 

忙しい

次に自分の駒が取られるなど、相手の攻めが迫っており、手が制限され、急いで対処しなければならない状況を指します。

忙しいという状況は、将棋がどれほど緊迫したゲームであるかを示しています。

一つの手が将来にわたってどれほど多くの影響を及ぼすか、そしてプレイヤーが常に複数の局面を予測して最適な手を選ばなければならないことを示しています。

 

石田流(いしだりゅう)

石田検校によって創案された三間飛車を使用する戦法です。

この戦法は、飛車を三間目に配置して、そこから幅広い攻撃を展開することを特徴とします。

石田流は将棋の戦法の中でも独特な位置を占め、攻撃的ながらも深い戦略を要求されるスタイルです。

この戦法の存在は、将棋における戦術の多様性と、時代を超えて受け継がれる知恵の豊かさを示しています。

 

痛い

特定の手が相手にとって非常に厳しい影響を与えることを表す表現です。

さらに強い影響を「激痛」と表現します。例えば、「歩の叩きが痛い」は、歩を使った攻撃が相手にとって大きな打撃になることを意味します。

将棋における「痛い」手は、ゲームの流れを変える可能性を持ち、プレイヤーが常に警戒し、対策を練る必要がある重要な局面を示しています。

 

一段金

金将が自陣の一段目に位置する状態を指します。

「一段金に飛車捨てあり」という格言は、この配置が相手の飛車による攻撃に対して強い防御を提供することを示唆しています。

一段金の概念は、将棋が単に攻撃的な動きだけではなく、防御の構築も同様に重要であることを示しています。

戦術的なバランスと、局面に応じた柔軟な対応が勝利への鍵となります。

 

一番長い日

順位戦A級の一斉対局が行われる最終日を指し、将棋界で「一番長い日」と呼ばれます。

この日は名人挑戦権、プレーオフの出場者、そして残留や降格が決定するため、非常に重要です。結果が深夜までわからないことも多く、対局者は他の対局の結果を知ることができません。

一番長い日は将棋界における緊張感と期待の高まりを象徴しており、プレイヤーだけでなくファンにとっても特別な日です。

この日がもたらすドラマは、将棋が単なるゲームを超えた文化的なイベントであることを示しています。

 

1森下

この俗語は、森下卓九段が駒得を重視し、よく持駒に歩が5枚あることからきています。

この表現は、特定の戦術やスタイルがその棋士に強く結びついていることを示し、個々の棋士の特徴やプレイスタイルが将棋界においていかに重要視されるかを示しています。

1森下という用語は、将棋が単に技術や戦術のゲームではなく、個性とスタイルの表現の場であることを強調しています。

それぞれの棋士が持つ独特のアプローチが、将棋の奥深さと多様性を豊かにしています。

 

一門

あるプロ棋士とその師弟関係にある集団を指します。元来はプロ候補者の保証のために作られましたが、現在では師弟間の強い家族的関係を形成しています。

順位戦では、八百長を防ぐために師弟関係にある棋士同士が対局しないよう配慮されます。

一門という概念は将棋界の伝統的な師弟制度がいかに強い絆を生み出しているかを示しており、このような関係性が将棋文化の一部となっていることが興味深いです。

それは単に技術の伝承だけでなく、人間関係の構築にも貢献しています。

 

一局、一局の将棋

将棋において1ゲームのことを一局と言い、特定の局面や手順が形勢互角であることを示す表現として使われます。

一局の将棋という表現は、将棋の各ゲームが持つ独自性と、局面ごとの微妙なバランスを強調しています。

それは、将棋が単なるゲームではなく、深い思考と戦略が求められる知的な競技であることを示しています。

 

一間(いっけん)

将棋の盤上における1マスのことを指します。一間という用語は、将棋がどれほど細かい単位で考えられるゲームであるかを示しています。

一つ一つのマスが戦略に大きな影響を与え、プレイヤーは盤上の各マスを最大限に利用して戦略を練り上げる必要があります。

このような細かい単位での考察が、将棋の戦術的な深みを生み出しています。

 

一間竜

竜王を敵玉から1マス空けた位置に動かし、攻撃を継続する手筋です。合駒されても王手を続けることが可能で、送り手筋を使ってさらに攻めを強化できます。

一間竜は将棋の攻撃戦術の中でも特に緻密な計算と先読みを要する手法であり、攻め手の強さと粘り強さを示しています。

この手筋は、将棋がいかに戦略的な深みと変化に富んだゲームであるかを強調しています。

 

一丁半

上手が飛車と左側の香二枚を落として指す飛香落ちの将棋を指します。

このハンディキャップは、力の差を調整するために用いられます。

一丁半は将棋が持つ教育的な側面と、すべてのレベルのプレイヤーが楽しめるように配慮されたゲームであることを示しています。

異なる実力のプレイヤー間でも公平な戦いを楽しむことができるこのシステムは、将棋の普遍的な魅力の一つです。

 

一着

特定の手を強調するために用いられる語で、重要な一手を指します。

例えば、「急所の一着」は、局面における決定的な手を意味します。

一着という用語は、将棋における一手一手の重みと、その手がゲームの流れに与える影響の大きさを強調しています。

特定の一手がゲームの結果を左右することがあるため、各手の選択は慎重に行われるべきです。

 

一直線

変化の余地がほとんどない、直線的な局面や攻めを指します。

変化を試みると不利になる状況や、一方的な攻めが続く状態を示します。

一直線という表現は、局面が一定の方向に強く進んでいる状態を示し、将棋における局面判断の重要性と、時には避けられない直接対決の緊張感を表しています。

この状態は、プレイヤーにとって心理的なプレッシャーが大きく、冷静な判断が求められます。

 

一手一手

一手受けても直ちに攻めが続き、勝敗が覆らない状況を指します。

例えば、「後手玉は囲いが残っていてなかなか詰まないが、先手は攻めがほどけないので一手一手ということで投了した」という場合、攻め手が途切れることなく継続する状況を表します。

将棋がいかに一手一手の積み重ねであるかを強調しており、局面の微妙なバランスや、一つ一つの手の重要性を示しています。

この状況はプレイヤーにとって大きなプレッシャーを意味し、冷静な判断力と戦術的な洞察が求められます。

 

一手違い、一手勝ち、一手差

一方の玉が詰んだ状態で、もう一方がパスすると逆に詰むような局面を指します。

この状態は、将棋の詰将棋や問題将棋などで見られる状況で、極めて緊迫した勝負の結末を示します。

一手違いや一手勝ちという状況は、将棋の奥深さと、勝敗を分ける微細な差を象徴しています。

ゲームの最終局面での緊張感と、勝利への執着を感じさせます。

 

一手ばったり

有利な局面から一手の大悪手によって負けに転じることを指します。

この用語は、局面が互角であるか、あるいは有利であったとしても、一つのミスが全てを台無しにする可能性があることを示しています。

一手ばったりという状況は、将棋のプレイヤーにとって最も避けたい瞬間の一つであり、集中力と冷静さの維持の重要性を教えてくれます。

このような瞬間は、将棋が精神的な強さも試すゲームであることを示しています。

 

一手パス

具体的な利益を生まない、意味のない指し手を指します。

例えば、「大駒を逃げると一手パスになる」とは、その手が局面にほとんど影響を与えないことを意味します。

一手パスという用語は、将棋においては全ての手が局面に影響を及ぼす可能性があることを示しており、無駄な手を指すことのリスクを教えてくれます。

戦術的な洞察力と、局面を正確に読む能力が重要であることを強調しています。

 

一手指した方がよく見える

局面が非常に均衡しており、どちらが有利かを断言できない状況を指す常套句です。

大盤解説などでプロが使用するとき、複雑な手順を詳細に説明するのが難しい場合の婉曲的な表現としても用います。

この表現は、将棋が予測不可能な展開を含む深い戦略ゲームであることを示しています。

一手一手が局面に大きな影響を与え、全てが明らかになるのは実際に手が進んだ後であることが多いです。

 

一手すき

1手指すと「詰めろ」になる局面を指し、「二手すき」は2手指すと「詰めろ」になる局面といい、以降同様に数えます。

「詰めろ」と同義です。一手すきや二手すきといった表現は、将棋における攻防の微妙なバランスと、詰将棋の複雑さを示しています。

一つの手が局面を大きく変化させる力を持っていることを思い出させ、戦略的な思考と先読みの重要性を強調しています。

 

一歩で一手を稼ぐ

相手の駒を歩で叩いて、位置を改善し、直前または少し前の形に戻す手法を指します。

基本的には、相手に一手を稼がせないような手順を選ぶべきです。

一歩で一手を稼ぐ戦術は、将棋の戦略において位置取りの重要性と、持ち駒の有効活用を示しています。

このような繊細な手法が、局面を有利に導く鍵であることを教えてくれます。

 

一般棋戦

タイトル戦以外の棋戦を指し、特に全棋士が参加可能な棋戦で、朝日杯将棋オープン戦、NHK杯テレビ将棋トーナメント、銀河戦、将棋日本シリーズなどがあります。

これらを同一年度内で制することをグランドスラムと呼ぶことがあります。

一般棋戦は、プロ棋士がその技術と才能を競う場として重要な役割を果たしており、将棋文化の多様性と競技性の高さを示しています。

グランドスラムのような偉業は、棋士の卓越した実力と努力を象徴しており、将棋ファンにとって大きな魅力となっています。

 

一分将棋

一分将棋は、プレイヤーが1手を指すのに60秒(プロの場合)または60秒弱(アマチュアの場合)の時間を持つ対局形式です。

記録係がいない場合、プレイヤーは自分でチェスクロックを操作し、実際の時間は60秒弱になることが多いです。

プロの公式戦では、考慮時間が1分未満で手を指した場合、その時間は持ち時間から差し引かれません。

一分将棋は、迅速な判断力と即座に手を決める能力を要求する非常にダイナミックな対局形式です。

この速さが将棋の醍醐味を一層引き立て、プレイヤーの精神的な強さと戦術的な柔軟性を試します。

 

伊藤氏

江戸時代に存在した将棋家元の一つを指します。

伊藤家は将棋の歴史において重要な役割を果たしました。

伊藤氏を含む家元制度は、将棋がどれほど歴史的な背景を持ち、伝統的な価値を重んじているかを示しています。

このような家元が、技術の伝承や文化的な価値の維持に貢献してきたことは、将棋の深い歴史的ルーツを感じさせます。

 

伊藤流

将棋の駒の並べ方の一つを指します。

伊藤流は特定の戦術や開始形式に関連している可能性があります。

伊藤流などの特定の並べ方や戦術は、将棋が単なるゲームを超え、深い知識と研究を必要とする知的な競技であることを示しています。

これらの多様な戦術やスタイルが、将棋の戦略的な深みと複雑さを生み出しています。

 

移動合い

王手に対して、持ち駒を使わずに盤上の駒で合駒をする行動を指します。

移動合いは、持ち駒を使う代わりに盤上の駒を活用することで、防御の幅を広げる戦術です。

これは、局面ごとの様々な可能性を考慮し、最適な防御手段を選択する必要があることを示しています。

将棋のプレイでは、攻撃だけでなく、どのように効果的に防御するかも重要な要素となります。

 

居飛車党(いびしゃとう)

居飛車を得意とし、対局で頻繁に使用する人々を指します。

居飛車は飛車を初期位置からほとんど動かさずに戦う戦法であり、その戦術を好むプレイヤーを居飛車党と呼びます。

居飛車党という概念は、将棋がプレイヤーの個性や好みによって大きく変化するゲームであることを示しています。

同じ駒の配置でも、プレイヤーの戦術やスタイルによって全く異なる局面が展開されるのが将棋の魅力の一つです。

 

イモ筋

本筋から外れ、技術的に劣る手を指します。

イモ筋は、一般的には避けるべき手とされますが、特定の状況下で意外性を持つことがあります。

イモ筋やイモ攻めのような用語は、将棋が形式美だけではなく、時には非正統的な手が局面を動かすこともある複雑なゲームであることを示しています。

正統派から外れる手が、局面に新たな可能性をもたらすことがあります。

 

イモ攻め

重たく、技術的に良くないとされるが、適切に対応しなければ突如不利に陥る可能性のある攻撃方法を指します。

イモ攻めは、将棋における戦略の多様性と、局面を読む能力の重要性を強調しています。

見た目には筋悪であっても、相手の対応次第で大きな転換点となり得ることがあります。

 

嫌味

相手に対して直接的には分かりづらいが、潜在的に不利な変化を誘発する手を指します。

この手を指すことを「嫌味をつける」と表現します。

嫌味という手法は、将棋が単なる戦術の応酬以上に、深い心理戦を含むゲームであることを示しています。

表面上は何の変哲もない手の中に、相手を不利に導く罠を仕掛けることができるのです。

 

入り王(いりおう)

入玉の古い言い方です。

入玉は、特定の条件下で玉将が相手陣に入り、そこから勝利を目指す戦略を指します。

入り王という表現は、将棋が長い歴史を通じて進化し、多様な戦術が生まれてきたことを示しています。

この用語からは、古い時代から伝わる戦略が現代でも尊重され、研究されていることが感じられます。

 

入れる、入れない

ある手を指すタイミングが複数ある中で、その手を指すことを「入れる」、指さないことを「入れない」と表現します。

この選択は、将来の手順に大きな影響を与える可能性があります。

この用語は、将棋がただの駒の動かし合いではなく、深い思考と先読み、そして局面の微妙な理解を必要とするゲームであることを示しています。

選択一つ一つが重要であり、それが将棋の魅力の一つです。

 

隠居

狙われた駒を逃げさせることで、その駒の活用度が低下する状況を指します。

例えば、「飛車が隠居している」とは、飛車が攻撃から逃れるために不利な位置に移動したことを意味します。

隠居という用語は、将棋が単純な攻めと守り以上の複雑さを持っていることを示しています。

駒一つ一つの位置が如何に重要であるか、そして戦略的な移動が将来にどのような影響を及ぼすかを考えさせられます。

 

引退

将棋界において、棋士がプロとしての活動を終えることを指します。

自発的な引退の他に、規定による引退もあります。

引退という現象は、将棋界が一つのプロフェッショナルなキャリアパスを提供していることを示しています。

将棋の世界では、長年にわたる献身と努力が評価され、その終わりには新たな人生の章が待っています。

引退は、プレイヤーの人生における重要な転機であり、彼らの貢献を讃える機会でもあります。

 

受かる

序盤から中盤で使われる場合、相手の仕掛けに正しく対応すれば、その攻撃を無効にできることを意味します。

逆に「受からない」とは、どう対応しても相手の仕掛けが成功する状態を指します。

終盤では、正しい防御手段を選択すれば詰まない状況を、「受からない」とは防ぎきれずに詰まされる局面を指します。

受かるという用語は、将棋が持つ防御の重要性と、局面を精密に読む能力の必要性を示しています。

一つ一つの手に対する深い理解が、勝敗を分ける鍵となります。

 

浮く

特定の駒が他の駒との連携がなく、孤立した状態になることを指します。

これは、その駒が敵に取られやすくなる状況を作り出します。また、飛車を中段に進めることも指し、この状態を浮き飛車と言います。

浮くという状況は、将棋における駒の配置と連携の重要性を強調しています。

駒一つ一つが互いに支え合っている必要があり、そのバランスが崩れると局面が不利になる可能性が高まります。

 

浮き駒

盤上で孤立し、味方の駒と連携がなく相手に取られやすい状態にある駒を指します。

特に、敵陣近くにある場合にこの用語が使われます。

浮き駒は、将棋の戦略において位置取りと駒の相互作用がいかに重要であるかを示しています。

一つの駒が孤立することで局面全体に影響を及ぼす可能性があり、常に駒の安全と効果的な利用を考える必要があります。

 

受け、受ける

相手の攻めに対する防御行動を指します。

駒の名前を使って「受ける」と言う場合、それが相手の攻撃手段であればその手に対処する意味になり、自分の駒を指す場合はその駒を利用して防御する意味になります。

受けるという行為は、将棋のゲームが単なる攻撃の応酬以上の深さを持っていることを示しています。

攻めと受けのバランスが、局面の優劣を決定づけ、プレイヤーには予測と適応のスキルが求められます。

 

受け切る

最後まで相手の攻撃を正確に防ぎ続け、攻めを凌ぐことを指します。

受け切るという行為は、将棋がただの攻撃的な動きだけではなく、防御の技術と精神的な耐力も同様に重要であることを示しています。

攻撃を受け続けながらも冷静に対処する能力は、高いレベルの戦略と心理的な強さを要求されます。

 

受け将棋

相手の攻撃を受けることを主体とする将棋スタイルです。

攻め将棋とは対照的に、防御を重視し、相手の攻撃を利用して反撃のチャンスをうかがいます。

受け将棋は、将棋が多様な戦略を持つゲームであることを示しています。

攻撃だけではなく、防御にも同じくらいの技術と戦略が求められ、それぞれのスタイルが独自の魅力を持っています。

 

受け師

受け将棋を得意とする棋士の異名です。

例えば、木村一基九段が「千駄ヶ谷の受け師」と呼ばれています。

受け師という称号は、その棋士が特定の戦略において卓越した能力を持っていることを認められていることを示しています。

防御を重視するスタイルが、どれだけ戦術的に深く、技術的に要求されるかを物語っています。

 

受け潰し

受けに徹して相手の攻めを途切れさせ、盤上で優位な態勢を築くことです。

これを実現するには高い実力が必要とされます。

受け潰しは、防御を通じて相手を疲弊させ、自分の優位を確立する高度な戦略を示しています。

この戦術は、相手の意図を見抜き、その攻撃を無力化するだけの深い洞察と経験が必要とされ、将棋の戦術的な深みを象徴しています。

 

受けなし

終盤で玉に関して使用される場合、狭義には必至の状態を、広義には受けても次第に追い詰められて最終的に詰む状態を指します。

中盤での使用では、玉を直接攻める攻めでなくても、特定の筋の突破が防げない状況を表します。

受けなしという用語は、将棋の局面がいかに微妙で、一見受けられそうでも深い計算の下では防げないことを示しています。

この表現は、プレイヤーに対して常に警戒心を持ち、局面を深く分析する必要があることを教えてくれます。

 

薄い

囲いが薄い、すなわち守りが弱い状態を指します。

終盤で特に、玉の周りの駒が少なく、容易に攻め破られる可能性がある状態です。

薄いという用語は、将棋における守りの構築が如何に重要であるかを示しています。

攻撃だけでなく、堅固な守りを築くことのバランスが、長期戦において勝利への鍵となります。

 

動く

攻撃を本格的に開始する前の、相手の駒に接触するような手を指します。

これは、相手を揺さぶり、駒のさばきをねらう戦術的な動きを意味します。

動くという用語は、将棋が静的なゲームではなく、ダイナミックな駒の動きと戦略的な位置取りが重要であることを示しています。

駒を活用し、相手にプレッシャーをかけることで有利な局面を作り出すことができます。

 

嘘手

筋が良くないにもかかわらず、相手の応手次第で有利に働く可能性のある手を指します。

嘘手という用語は、将棋が単に正確な計算だけでなく、相手を惑わせる心理戦の要素も含んでいることを示しています。

一見悪手に見える手が、局面を有利に導くきっかけになることがあり、プレイヤーは常に相手の意図を読み解く必要があります。

このような駆け引きが、将棋を非常に奥深いゲームにしています。

 

嘘矢倉

矢倉戦法を装いながら、実際は他の戦法に転換して主導権を握る戦術を指します。

これは相手を誤認させ、予想外の形に持ち込むことで有利を図る手法です。

嘘矢倉は将棋の戦術の中でも特に心理戦を強調するもので、相手の準備や期待を逆手に取る知略を示しています。

このような手法は、対局者の柔軟性と創造性が試される瞬間であり、将棋がただの頭脳戦ではなく、深い洞察力と独創性を要するゲームであることを強調しています。

 

打ち換え

一度盤上の駒を捨て、その利き筋に新たに持ち駒を打つことです。

この戦術は、局面の流れを変えたり、特定の筋を強化する目的で使われます。

打ち換えは局面に新たな動きをもたらし、攻守のバランスを変化させる魅力的な手法です。

この戦術を駆使することで、盤上の駒の価値を最大限に活用し、相手にプレッシャーをかけることができます。

 

打ち込む

敵陣に持ち駒を打ち込むこと、特に大駒を敵陣に打つことを指します。

これは攻撃を強化するためや、敵陣を乱す目的で行われます。

打ち込む戦術は、将棋の攻撃的な側面を象徴しています。持ち駒を戦略的に使い、敵陣を直接攻撃することで局面を有利に導くことが可能です。

この手法は、局面を積極的にコントロールしようとするプレイヤーの姿勢を反映しています。

 

打ち得

持ち駒を打つことで、相手に対応させることが全体の手順において有利に働く状況を指します。

打ち得は局面の微細な計算と、将棋における戦略的な深さを示しています。

一見、小さな利益に見える持ち駒の使用も、長い目で見れば大きな影響を与えることがあり、それが将棋の醍醐味の一つです。

この用語は、将棋が持つ計算と予測のゲームであることを教えてくれます。

 

打ち歩詰め

持ち駒の歩を使って相手の玉を詰ますことで、将棋のルールにおいて禁じられている手法です。

しかし、盤面上にある歩を使って詰める「突き歩詰め」は禁じ手ではありません。

打ち歩詰めのルールは、将棋が持つ公平性と戦術的な深みを維持するための重要な要素です。

このルールによって、ゲームはより戦略的な思考を要求され、プレイヤーにはより高度な計画性が求められます。

 

打ち歩詰め回避

連続王手の寄せの最終段階で打ち歩詰めになるのを避けて、他の手法で詰ませることです。

これは手数が長くなる可能性があります。谷川浩司が大山康晴に対して行った有名な例が挙げられます。

打ち歩詰め回避の戦術は、将棋が持つルールの中での創造性と柔軟性を示しています。

プレイヤーはルールの制約内で最適な戦術を見つけ出す必要があり、その過程で驚くべき技術と知恵が発揮されます。

 

内弟子制度

昭和40年代まで一般的だった、棋士になるために現役棋士の家に住み込んで修行する制度です。

現在はこの制度を実践している例は少ないですが、先崎学や山崎隆之などの棋士がこの制度を経ています。

内弟子制度は、将棋界の伝統的な師弟関係と、技術や知識の伝承方法を示しています。

このような制度が存在したことは、将棋の技術だけでなく、人格形成や生活態度にも影響を与えていたことを物語っています。

 

打つ

持ち駒を盤上に置く行為を指し、将棋ではこの動作を「打つ」と表現します。

棋譜では「打」と記録されます。将棋における「打つ」行為は、ゲームの戦術的な多様性を豊かにしています。

持ち駒を戦略的に盤上に再投入することで、局面は大きく変わり、ゲームに新たな展開をもたらします。

この行為は、将棋が単に既存の駒を動かすだけのゲームではなく、駒の再利用という独特の戦略的要素を含んでいることを示しています。

 

うっかり、うっかりする

重要な読みを見落とし、後からそのミスに気づくことを指します。

例えば、「王手飛車をうっかりしていました」とは、王手飛車の脅威を見逃してしまった状況を示します。

うっかりする瞬間は、将棋がいかに集中力と精密な計算を要するゲームであるかを示しています。

一瞬の気の緩みが大きな損失をもたらす可能性があり、プレイヤーは常に警戒心を持って局面を読み解く必要があります。

 

埋める

盤上に駒を打って自陣の囲いを強化する行為です。

埋める戦術は、将棋の防御的な側面の重要性を強調しています。

局面の安定性を高め、相手の攻撃に対する耐性を向上させることで、ゲームの流れを自分に有利に導くことができます。

この戦術は、持ち駒の有効活用と戦略的な思考が鍵となります。

 

埋めさん工事

自陣が攻められ崩されかけた際に、持ち駒を使って急いで囲いを修復することを指します。

埋めさん工事は、将棋が持つ「修復」という側面を象徴しています。

局面が不利に傾いても、適切な対応と戦略で局面を立て直すことが可能であることを示しており、プレイヤーの柔軟性と創造力が試されます。

 

うるさい

相手の厄介な攻めや、邪魔になる駒の存在を表す用語です。

例えば、「この端攻めは相当にうるさいですね」とは、端を攻める戦術が非常に厄介で対処が難しいことを意味します。

うるさい局面や駒は、将棋のゲームにおける戦術的な駆け引きと心理戦を強調しています。

相手の計画を妨害し、自分の戦略を優位に進めるための知恵と技術が求められます。

 

上手と下手 (うわてとしたて)

将棋における「上手と下手(うわてとしたて)」、または「かみてとしもて」という表現は、対局におけるプレイヤーの立場や技術レベルの違い、あるいは対局時の座る位置を指します。

伝統的に、上手(うわて)は技術レベルが上または先手を指し、下手(したて)は技術レベルが下または後手を指します。

この用語は、対局の際の礼儀やエチケットにも関連しており、対局者がどちらの位置に座るかは、しばしばその対局の格式やプレイヤー間の関係性を反映しています。

将棋における「上手と下手」という区分は、単に技術的な差異を超え、ゲームの深い文化的背景と伝統を象徴しています。

この区分が存在することで、対局はただのゲームではなく、相互の尊敬と礼儀を基盤とした文化的行為に昇華されます。

このような伝統は、将棋が長い歴史の中で培ってきた独自の価値観や社会的役割を示しており、プレイヤーにとっては技術を磨くだけでなく、これらの文化的側面を理解し、尊重することも重要な部分となっています。

 

永世称号

将棋の世界では、選手が特定のタイトルを一定期間防衛し続けると、引退後もそのタイトル名を称号として名乗ることが認められる制度があります。

これを「永世称号」と呼び、一生涯にわたる名誉を示すものです。

例えば、永世名人という称号は、特定の条件を満たした名人位の保持者に与えられます。

名誉と伝統を重んじる将棋界において、永世称号は最高の栄誉の一つとされています。

この制度は、将棋の深い歴史と文化を象徴しており、獲得者には大きな尊敬と敬意が払われます。

将棋界の「永世称号」は、その達成が極めて難しいため、非常に価値が高い栄誉であることが伺えます。

 

A級

将棋の順位戦における最上位クラスを「A級」と称します。

ここから名人戦の挑戦者が選ばれるため、非常に高いレベルの競争が行われます。

A級の棋士は、将棋界で最も実力があると認められた少数精鋭であり、彼らの対局は常に高い注目を集めます。

A級への昇格は、将棋界における大きな名誉であり、その地位を維持することは更なる技術と精神力の証明です。

 

枝分かれ

将棋における「枝分かれ」とは、対局中にさまざまな手の選択肢が生じる状況を指します。

これは、一手一手の指し手が将来にわたって多岐にわたる可能性を持つことを意味し、棋士はその中から最適な手を見つけ出さなければなりません。

枝分かれは、戦略の多様性と深さを示し、定石や戦法を学ぶ際にも重要な概念です。

枝分かれは将棋の奥深さを象徴しており、選手の想像力と判断力を試す魅力的な要素です。

 

縁台将棋

「縁台将棋」は、家の縁台で行われる気軽な将棋のことを指し、昔ながらの夏の風物詩として親しまれてきました。

この言葉は、隣近所の人々が集まり、親睦を深めながら将棋を楽しむ様子を思い起こさせます。

現在では、そのレベルは初心者や趣味程度の人が楽しむものとされています。

縁台将棋は、将棋が持つコミュニケーションと楽しみを共有する素晴らしい文化であると感じます。

 

追い詰め

将棋では、相手の玉を連続的に王手状態に追い込み、最終的に詰ませることを「追い詰め」と言います。

この戦術は、相手の逃げ道を一つずつ塞ぎながら、最終的な勝利に導く重要な手法です。

追い詰めに成功するということは、非常に計算高く、先読みの能力が求められることから、将棋の醍醐味を味わう瞬間の一つと言えるでしょう。

追い詰めは、将棋の緊張感と高揚感を最大に味わえる瞬間であり、戦略の真髄を感じさせます。

 

王子

将棋界では、特定の棋士に対し、「王子」という愛称が贈られることがあります。

この称号は、特に印象的な実力や魅力を持つ棋士に対して用いられ、関西の斎藤慎太郎が「西の王子」と呼ばれている例があります。

これらの愛称は、その棋士の人気や影響力を示すものであり、時には世代から世代へと受け継がれることもあるようです。

「王子」という愛称は、将棋界における棋士の個性と魅力を際立たせ、ファンに愛され続ける理由を物語っています。

 

応手

将棋における「応手」とは、相手の指し手に対して行う反応の指し手を指します。

基本的には相手の攻撃や戦略に対応するための手段であり、的確な応手はゲームの流れを有利に導く鍵となります。

応手は、単に反応するだけでなく、自らの戦略を展開するためのステップとしても重要です。

応手は、将棋がただの攻撃と防御ではなく、深い思考と戦略の応酬であることを示しています。

 

王手

将棋における「王手」とは、相手の玉に対してチェックをかけることを意味し、次の一手で玉を取ることができる状態を示します。

王手をかけられた側は、ルールに従い、次の手で王手を回避する必要があります。

この瞬間は、ゲームにおける緊迫した局面の一つであり、試合の行方を左右することが多いです。

王手は、将棋のダイナミズムと緊張感を高める要素であり、対局の醍醐味を味わうことができます。

 

王手将棋

王手将棋は、通常の将棋とは異なるルールを持つ変則将棋の一つで、プレイヤーが相手に先に王手をかけた時点で勝利となるゲームです。

このルール変更により、戦略的な思考やゲームの進め方が大きく変わり、攻撃的なプレースタイルが重視されます。

王手将棋は、将棋の伝統的な戦略を一新する面白い変化を提供し、プレイヤーに新たな挑戦をもたらします。

 

王手飛車、王手飛車取り

王手飛車、王手飛車取りは、王手と同時に相手の飛車を脅かす戦術です。

この手法を用いることで、相手は王手を回避しつつ飛車を守るという二重の圧力に対処しなければならず、序盤にこれを仕掛けることができれば局面を有利に進めることができます。

しかし、高度な戦略が求められるため、経験豊富なプレイヤー間では読み合いの中で展開されることが多いです。

王手飛車取りは、将棋の駆け引きをより複雑にし、ゲームの奥深さを増す興味深い戦術です。

 

王手ラッシュ

王手ラッシュは、相手に連続して王手をかけ続ける戦術で、特に終盤において相手のミスを誘うために用いられます。

自陣がピンチの時に王手ラッシュを仕掛けることで、相手の対応を誤らせることがあり、意外な逆転勝ちを目指すことができます。

コンピュータ将棋では、特定の状況下でこの戦術が見られることがあります。

王手ラッシュは、絶体絶命のピンチをチャンスに変える可能性を秘めたドラマチックな戦略です。

 

大駒

将棋における「大駒」とは、飛車と角行を指し、ゲームにおける重要な攻撃駒です。

これらの駒は、広範囲にわたる攻撃能力を持ち、ゲームの流れを大きく左右する力を持っています。

大駒の運用は、将棋の戦術において中心的な役割を果たし、ゲームの勝敗を決める鍵を握ることが多いです。

 

大盤

大盤は、将棋の対局を観客に分かりやすく解説するために使用される、通常よりも大きな将棋盤のことです。

この大盤を用いて行われる解説は「大盤解説」と呼ばれ、対局の動きを詳細に説明するのに適しています。

大盤解説は、特に大きな棋戦やイベントで利用され、観戦者が一手一手を容易に追うことができるようにします。

大盤解説は、将棋の魅力をより多くの人に伝える素晴らしい手段であり、ゲームの理解を深めるのに非常に役立ちます。

 

大橋家・大橋分家

大橋家と大橋分家は、将棋の世界における伝統ある家元で、歴史的に将棋の発展に貢献してきた家系です。

これらの家は、将棋界における技術や知識の伝承に重要な役割を果たしてきました。

家元制度は、将棋の深い歴史と文化を今に伝える重要な一部であり、その存在は将棋界における伝統と継承の象徴とも言えます。

大橋家とその分家は、将棋の歴史と文化を守り続ける貴重な存在であり、その貢献は計り知れない価値があります。

 

大橋流

大橋流は、将棋の開始時における駒の並べ方の一つを指し、特定の戦術や戦略に基づく布陣を構築する方法です。

将棋では、初手から駒の配置によってその後のゲーム展開が大きく変わるため、大橋流のような特定の流派が存在します。

これらの流派は、戦術的な深みや多様性を将棋にもたらし、プレイヤーに無限の可能性を提供します。

大橋流は、将棋の戦術の多様性と奥深さを示す一例であり、ゲームの魅力をさらに高めています。

 

大山康晴賞

大山康晴賞は、将棋の普及や文化振興に対して顕著な貢献をした個人や団体に贈られる賞です。

この賞は、将棋界の巨匠である大山康晴名人を記念して設けられ、受賞者は将棋の世界における重要な業績を残したと認められます。

大山康晴賞は、将棋文化の発展に貢献した人々の努力と成果を讃える重要な賞であり、将棋界全体の発展に大きく貢献しています。

 

オールラウンダー

将棋において「オールラウンダー」とは、居飛車も振り飛車も問わず、幅広い戦型を指しこなすことができる棋士のことを指します。

このような棋士は、どんな局面にも柔軟に対応することができ、相手にとって予測が難しい存在です。

オールラウンダーは、多様な戦術と深い理解を持ち合わせているため、対局において非常に強力なアドバンテージを持っています。

オールラウンダーの棋士は、将棋の奥深さと広がりを体現する存在であり、その多才な技術は非常に魅力的です。

 

おかわり

「おかわり」とは、将棋において、駒と駒を交換した直後に、再び同じ種類の駒で相手の駒を取りに行く戦術のことを言います。

特に、桂馬を使った両取りや銀を使って金を狙う手段など、再度の攻撃にこの表現が用いられます。

この戦術は、相手に連続してプレッシャーをかけることができるため、局面を有利に進めることができます。

「おかわり」は、将棋の戦術において巧妙さと粘り強さを要する興味深い手法であり、局面を活性化させる効果があります。

 

置き駒

置き駒には二つの意味があります。一つ目は、盤上に存在する駒、つまり対局中に動かすことが可能な駒のこと。

二つ目は、飾りとして設置される大きな駒で、床の間や玄関などに置かれ、装飾品としての役割を果たします。

この用語は、将棋のゲーム面だけでなく、文化的側面においてもその価値を示しています。

置き駒は、将棋が持つ競技としての面白さだけでなく、美術品としての魅力も兼ね備えていることを教えてくれます。

 

置く

将棋において「置く」とは、特に飛車を敵陣に打つ際に用いられる言葉で、「打つ」の同義語として使われます。

この表現は、飛車や他の駒を盤上の特定の位置に配置する行為を指し、ゲームの流れを大きく変えることができる重要な手段です。

「置く」という用語は、将棋の戦術を繊細かつ戦略的に展開するための核心を示しており、その一手一手が持つ重みを感じさせます。

 

送り

「送り」とは、将棋の戦術の一つで、相手の玉がタダで取れる位置にわざと持ち駒を打ち、王手をかける手法です。

この戦術の目的は、相手にその駒を取らせることで、敵の駒の連携を断ち、同時に浮いた駒を取りながら敵玉を追い詰めることにあります。

この技巧は、局面を有利に進めるために巧みな駒の犠牲と位置取りを利用します。

「送り」という戦術は、将棋がただの駒の取り合いではなく、深い戦略と犠牲を伴う心理戦であることを示しています。

 

送りの手筋

「送りの手筋」とは、特に玉の横に金などの駒を打ち、玉でその駒を取らせることで、一間竜の形を作り出し、相手玉を詰ませやすい状態にする戦術です。

この手法は、局面を詰めに導くための重要な手段となり、攻めの局面で効果的に使用されます。

送りの手筋は、将棋の局面を劇的に変化させる力を持ち、詰めへの道を巧妙に準備する技術として魅力的です。

 

抑え込む

「抑え込む」とは、相手の駒の動きを制限し、攻撃や防御の機会を封じる戦術です。

この手法は、相手のプランを事前に阻止し、自分の戦略を有利に進めるために重要です。

抑え込むことで、相手の選択肢を限定し、ゲームのコントロールを握ることができます。

抑え込む戦術は、将棋の精神的な圧力と戦略的な優位性を体現する、非常に効果的な手法です。

 

押し売り

「押し売り」とは、一つの駒を使って相手を追い回し、相手がその駒を取るしかないようにする戦術です。

この方法は、相手に不利な交換を強いることで、局面を有利に進めることを狙います。

押し売りは、相手に選択肢を限らせることで、ゲームの流れを自分のペースに引き込む戦術と言えます。

押し売りは、戦略的な強制と精神的な圧迫を使って相手を追い詰める、独特な戦術の一つです。

 

御城将棋

御城将棋は、江戸時代後期に年中行事として定着した、将棋の対局イベントです。

この行事は、江戸城内の御黒書院で開催され、将棋の家元三家などの著名な棋士が将軍の前で対局を行う格式高い催しでした。

御城将棋は、将棋が単なる遊戯ではなく、文化的な行事としても重んじられていたことを示す歴史的証拠です。

御城将棋は、将棋の歴史と伝統の中で特別な位置を占め、日本の文化における将棋の価値と尊厳を象徴しています。

 

遅い

「遅い」とは、将棋の局面において、詰めろや必至、王手をかけるまでに多くの手数を要する状態を指します。

この用語は、局面の進行が緩慢であることや、より効率的な手順が存在する可能性を示唆しています。

遅い手数は、局面を改善するための潜在的な機会を探るヒントとなり、戦略の見直しを促します。

 

落ちている

「落ちている」とは、将棋において、取られるリスクが低く、いつでも取ることが可能な駒の状態を指します。

この表現は、局面における駒の安全性や戦略的価値を考慮した上での余裕を示すものです。

落ちている駒は、局面をコントロールしている側の余裕や、戦略的な駒の運用を考えさせられる要素です。

 

お手伝い

「お手伝い」とは、自分が指した手が意図せず相手に利益をもたらしてしまうことを意味します。

この用語は、特に自らの戦略が相手の局面を強化する結果を招いた場合に使われます。

お手伝いは、将棋の深い戦略性と注意深さの重要性を教えてくれる、対局中に避けたい状況の一つです。

 

音受け

音受けは、将棋盤の裏側中央部に設けられた四角いくぼみのことで、”血だまり”や”へそ”とも呼ばれています。

このくぼみは、将棋盤の木材中央部に溜まる水分を逃がし、盤の反りや割れを防ぐ役割を持っています。

その名前には様々な由来があるものの、主な機能は将棋盤を長期間にわたって保護することにあります。

音受けは、将棋盤の精巧な設計と長寿命を確保するための巧みな工夫を示しており、将棋文化の繊細さを感じさせます。

 

恩返し

将棋界における「恩返し」とは、弟子が対局で師匠に勝つことを指します。

この表現は、師匠への敬意と感謝の気持ちを表しつつ、弟子が成長し、師匠に匹敵するほどの力を身につけたことを示すものです。

恩返しは、将棋界の師弟関係の深さと、教えと学びの果てにある相互の尊敬と認識を象徴しています。

 

お願い

「お願い」とは、将棋において敗色濃厚な状況から、わずかながらも逆転のチャンスを見出そうとする心理から指される手のことを指します。

この手は、相手がうっかりミスをすることを期待しつつも、勝機はほぼないと認識している状況で指されます。

お願いの手は、将棋が持つ希望と絶望の間の繊細な心理戦を色濃く反映しており、プレイヤーの不屈の精神を見ることができます。

 

おまじない

「おまじない」とは、将棋において、現時点で特定の狙いがないものの、将来的に利点となる可能性を秘めた手を指すことです。

この手は、局面が苦しい時や不利な時に、相手のミスを待ちながら潜在的なチャンスを探る意図で使われます。

おまじないの手は、将棋の戦略の中で未来を見据えた深い計画と、希望を持ち続ける精神を表しており、ゲームの不確定性と可能性を魅力的にしています。

 

重い

「重い」という表現は、将棋において、金銀などの価値の高い駒を大量に使用すること、または手数が多く、進行が遅いことを指します。

この用語はしばしば否定的な意味合いで用いられますが、場合によってはその着実さが評価されることもあります。

重い手は、大きな投資を伴うため、その後の展開に大きな影響を与えます。

「重い」という手法は、将棋の局面においてリスクとリターンを天秤にかける戦略の重要性を物語っています。

 

思い出王手

「思い出王手」とは、敗勢の状況で相手の玉に対してかける、結果的に意味のない王手のことを指します。

このような王手は、局面を変えることができず、単に対局を延長するだけのものとなりがちです。

思い出王手は、将棋の対局における粘り強さと、同時に敗北を受け入れがたい棋士の心情を反映しています。

 

面白い

将棋で「面白い」とは、通常とは異なる独特の発想や手法を用いた手のことを指します。

このような手は、新鮮な驚きや発見を提供し、局面に新たな可能性をもたらします。

また、「面白い」とは、局面が若干有利であることを示す場合もあり、この用語は多様な文脈で使用されます。

面白い手は、将棋の無限の可能性と創造性を示し、対局をより魅力的にする要素です。

 

おろす

「おろす」とは、将棋において飛車などの駒を敵陣に打つ際に使用される言葉で、「打つ」の同義語として使われます。

この用語は特に飛車を打つ行為に対して用いられ、局面に大きな影響を及ぼす重要な手段を指します。

「おろす」という表現は、将棋の局面を大胆に変化させる行動の瞬間を象徴しており、ゲームの展開において重要な転換点を示しています。

 

終わる、オワ

「終わる」または「オワ」とは、将棋の局面で勝敗がほぼ決定し、どのような手を指しても結果が変わらない状態を指します。

この表現は、対局の結末が明確になった時点で使われ、しばしば絶望的な局面や圧倒的な優位が確定した状況を示します。

「終わっている」という言葉は、局面の決定的な状況を簡潔に伝えるものです。

「終わる」という状態は、将棋の無情さと同時に、一局の中で生じる激しい心理戦の結果を象徴しており、そのドラマチックな展開に魅力を感じます。

 

温泉、温泉気分

「温泉気分」とは、序盤から中盤にかけて非常に有利な局面になり、何を指しても良さそうに感じる状況で、読みや展開の細かな比較をおろそかにしてしまう心理状態を指します。

この表現は、慢心や過信が引き起こすリラックスした状態を、温泉に浸かっているような心地よさに例えたものです。

「温泉気分」は、将棋の局面において有利であっても油断大敵であることを教えてくれる表現であり、常に冷静さを保つ重要性を思い出させてくれます。

 

 

か行

 

カウンター

カウンターとは、将棋において相手の攻撃を一定程度受け止めた後、適切なタイミングで反撃に転じて勝負を決する戦術や棋風を指します。

この戦略は、相手の攻めを利用して自らの攻撃機会を見出すという、柔軟かつ戦略的な考え方に基づいています。

カウンター戦術は、将棋の醍醐味である読み合いや戦略の深さを象徴しており、対局を一層ドラマティックにします。

 

顔が立つ

「顔が立つ」とは、当初は効果が不確かだった手が、後の展開でその価値が認められ、結果的に良い手となることを意味します。

この表現は、将棋における先読みや戦略の奥深さを示すもので、始めは不確かだった手が後になってからその真価を発揮する様子を描写しています。

「顔が立つ」は、将棋が持つ予測不可能性と、戦略的な手の価値を時間をかけて証明する面白さを教えてくれます。

 

格言(かくげん、将棋の格言)

将棋の格言は、長い歴史の中で培われた棋理や戦術の知恵を凝縮した言葉です。

これらの格言は、対局における判断基準や指針として、多くの棋士や愛好家に参考にされています。

将棋の格言は、単なる言葉以上の価値を持ち、長年にわたる棋士たちの経験と知恵が詰まっており、将棋を深く理解する手助けをしてくれます。

 

書き駒

書き駒は、漆やカシュー塗料で直接文字が書かれた大量生産型の駒を指します。

これらの駒は、手作業で彫られる駒に比べてコストパフォーマンスが高く、将棋を始める初心者や趣味で楽しむ人々にとってアクセスしやすい選択肢となっています。

書き駒は、将棋を気軽に楽しむための入門としての役割を果たし、この伝統的なゲームをより多くの人々に開かれたものにしています。

 

角落ち

角落ちとは、上手なプレイヤーが角(角行)を落としてスタートする駒落ちハンデの形式です。

このハンディキャップは、力の差がある二人が対局する際に、より公平な条件を作り出すために用いられます。

角落ちでは、角の有無が戦略や局面の展開に大きな影響を与え、挑戦者に対してより多くのチャンスを提供します。

角落ちは、将棋の戦略の多様性を引き出し、異なるレベルのプレイヤー間での教育的かつ競技的な対局を可能にします。

 

角道

角道とは、将棋の駒である角行の移動範囲を指します。

角行は斜め方向に長い距離を移動できるため、角道を確保することは戦術上非常に重要とされています。

一方で、戦略に応じて敢えて角道を遮ることもあります。

角道を制することは、将棋盤上での優位を確立する上で重要な要素であり、プレイヤーの深い戦略的思考を要求します。

 

角換わり

角換わりは、序盤から双方が角行を交換し、持ち駒として利用する居飛車将棋の戦型です。

この戦型では、角行の有効な活用が鍵となり、序盤から中盤にかけての駆け引きが非常に重要になります。

角換わりは、持ち駒としての角行の使い方に戦略的な深みが加わり、将棋の対局をより複雑で魅力的なものにします。

 

賭け将棋

賭け将棋とは、金品を賭けて行われる将棋のことで、過去にはこれによって生計を立てていた真剣師も存在しました。

賭け将棋は、将棋が単なる知的ゲームを超えて、生活の一部として根付いていた歴史の証です。

賭け将棋は、将棋が持つ文化的・社会的な側面を垣間見ることができ、ゲームの持つ多面性を教えてくれます。

 

かける

「かける」とは、将棋において相手の陣や囲いに隙を見つけ、斜め下から持ち駒の銀や角を打って攻める手法を指します。

この戦術は「ひっかける」とも呼ばれ、相手の金の利きが及ばない位置から攻撃を仕掛けることで、効果的に相手の布陣を崩すことができます。

「かける」は、局面を読んで隙を見つけ出し、戦術的に優位に立つための鋭い一手を示す、将棋の緻密さを象徴する戦術です。

 

囲い

囲いとは、王将を守るために設けられる駒の配置を指します。囲いにはさまざまな種類があり、王将の安全を確保しつつ、攻撃の起点ともなる重要な戦術的要素です。

囲いは、将棋の防御戦術の基本であり、王将を守るための工夫と創造性が試される要素です。

 

禍根

禍根、将棋用語としては「キズ」とも呼ばれ、詰将棋において詰みにまったく関係のない駒のことを指します。

これは主に大道詰将棋で見られ、解答を難しくするための装飾的な要素として使われます。

禍根は、詰将棋の複雑さと解答の過程における挑戦を高める要素であり、パズルとしての面白さを深めています。

 

飾り駒

飾り駒は、観賞用に製作された将棋の駒で、伝統的な工芸品としての価値も持っています。

これらは置物として生産・販売されており、将棋愛好家だけでなく、美術品としても楽しまれています。

飾り駒は、将棋文化の美的側面を反映しており、ゲームの駒を超えた芸術品としての魅力を持っています。

 

ガジガジ攻める

「ガジガジ攻める」とは、将棋において相手の囲いを積極的に攻撃する手法を指します。

特に、桂香歩などを利用して相手の金銀に対して連続的に圧力をかけ、駒交換を繰り返しながら囲いを弱める戦略です。

この攻め方は、相手が駒を取るか取らないかにかかわらず、囲いを効果的に崩すことができます。

ガジガジ攻めるは、積極的で攻撃的な姿勢が試合の流れを大きく変えることができる戦術であり、その粘り強さと執拗さが魅力です。

 

風通しがよい

「風通しがよい」とは、将棋盤上で駒の動きがスムーズである状態を表現する比喩的な言葉です。

特に飛車、角行、桂馬、香車などの前方が空いていて動きやすい状況を指し、これは攻撃や防御において大きな利点となります。

風通しがよい局面は、将棋のポテンシャルを最大限に引き出し、柔軟な戦略展開を可能にする魅力的な状況を提供します。

 

堅い

「堅い」とは、将棋における玉の囲いが非常に安定していて、攻められても詰みにくい状態を指します。

堅い囲いは、相手にとって大きな障壁となり、安心して戦術を展開できる基盤を提供します。

堅い囲いを構築することは、将棋における防御の要であり、安定したプレイには欠かせない要素です。

 

堅さ負け

「堅さ負け」とは、対局において双方の囲いの堅さに差があり、その差によって敗れることを指します。

この用語は、囲いの質が対局の結果に直接的な影響を与えることを示しており、堅固な囲いの構築がいかに重要かを教えてくれます。

堅さ負けは、将棋が単なる攻撃ゲームではなく、防御力も勝敗を左右する戦略的深さを持つゲームであることを示しています。

 

肩銀

肩銀とは、将棋において相手の玉の斜め前(コビン)に持ち駒の銀を打つ戦術、またはその打たれた銀のことを指します。

この手法は、相手玉に直接圧力をかけると同時に、攻めの拠点を築く有効な手段です。

肩銀は、局面に緊迫感をもたらし、攻めの展開を一気に加速させる戦術的な一手であり、その鋭さが魅力です。

 

形作り

形作りとは、将棋において自分が詰まされることが明白であるにもかかわらず、相手の玉に詰めろをかけて一手違いや接戦であったかのような局面を演出する行為を指します。

また、展望がない場合には潔く投了することも、形作りの広い意味での一環とされます。

形作りは、将棋の対局において、敗れるにしても最後まで戦略的に振る舞い、対局の美学を追求する姿勢を示します。

 

価値が高い

「価値が高い」とは、将棋における駒の状況で、特定の手段や戦略において特に重要な役割を果たす駒を指します。

この表現は、局面における駒の戦術的な重要性を示し、有効な手を打つための駒選びの重要性を強調します。

価値が高い駒は、局面における戦略の展開と成功を左右するキーとなり、将棋の深い戦術的考察を象徴しています。

 

カチカチ

カチカチとは、将棋の俗語で、玉の周りが金銀、場合によっては竜や馬も含めて密に連結している状態を指します。

この表現は、囲いが非常に堅固で、簡単には攻め落とせない様子を表現しています。

カチカチの囲いは、防御の堅牢さを極めており、攻略には高度な戦略と手数が必要とされる、将棋の防御戦術の巧妙さを示しています。

 

勝ち将棋

勝ち将棋とは、形勢が有利で、進行上も無理なく勝利に導くことができる局面を指します。

この状態では、プレイヤーは自身の優位を保ちながら、冷静にゲームを進めることが求められます。

勝ち将棋は、プレイヤーが戦略的に積み重ねた努力が実を結ぶ瞬間を象徴し、その達成感は何物にも代えがたいものがあります。

 

勝ち筋

勝ち筋は、終盤において勝利に直結する手順を指します。

この手順に従えば、相手は回避できず、勝敗が明確に決まる局面を作り出します。

勝ち筋を見つけ出すことは、将棋の醍醐味の一つであり、試合の流れを読み解き、勝利へと導く洞察力を試される瞬間です。

 

勝ちになる

勝ちになるとは、対局がまだ終わっていないものの、勝利がほぼ確実な状態を指します。

この時点で、形勢は大きく有利に傾いており、勝敗に疑いの余地がなくなっています。

勝ちになる状態は、長い戦いの中で得られる最高の報酬であり、プレイヤーにとって大きな満足感を与えます。

 

勝ちやすい

「勝ちやすい」とは、将棋の局面が明確に有利とは言えないものの、完全に互角というわけでもなく、何となくプレイヤーに有利な状況を指します。

この表現は、ゲームの流れや形勢が微妙にプレイヤーの方向に傾いていることを示唆しています。

勝ちやすい状態は、プレイヤーに自信と希望を与え、勝利への道を探求するモチベーションを高めます。

 

勝手読み

「勝手読み」とは、将棋において自分に都合の良いように指し手や局面の展開を想定することです。

この行為は、客観的な局面分析よりも個人の希望や期待に基づくため、時に誤った判断を招くリスクがあります。

勝手読みは、対局中に現実から目を背けずに、冷静な判断を心掛ける重要性を思い起こさせます。

 

ガッチャン銀

「ガッチャン銀」とは、相居飛車戦や角換わり相腰掛け銀において、早期に銀を前線に投入し、駒交換を積極的に促す戦術を指します。

特に、王手をかけて銀を取り、馬を作る手順が有名です。この攻めは、積極的な戦術で局面を有利に導こうとする意図があります。

ガッチャン銀は、積極的な姿勢で局面を動かす戦術の一つであり、攻撃的なプレースタイルを好むプレイヤーにとって魅力的な選択肢です。

 

金気(かなけ)

「金気」とは、「金銀」という駒を指して漠然と用いられる語で、特に防御や攻撃において金銀の駒がどれほど影響を及ぼしているかを指す場合に使われます。

この表現は、局面における金銀の配置や役割を考慮する際の便宜的な言い方です。

金気の概念は、将棋における金銀の重要性を認識し、戦術や戦略を練る上で基本的な考慮事項であることを示しています。

 

金駒(かなごま)

金駒とは、将棋において金属の名前を冠した「金」と「銀」の駒を総称する言葉です。

「カナ駒」とも表記されることがあります。これらの駒は将棋において中心的な役割を果たし、攻防両面で重要な駒とされています。

金駒は、将棋の戦いにおいてその汎用性と価値の高さを象徴する駒であり、戦略を練る上で欠かせない存在です。

 

壁とは、ある駒の動きを妨げる他の駒のことを指し、「壁銀」「壁金」などと呼ばれます。

特に、駒が玉の逃げ道を防いでいる場合、その状態はプレイヤーにとって好ましくないとされます。

壁駒は、将棋の局面において駒の動きを制限する要素として機能し、戦略的な位置取りの重要性を教えてくれます。

 

上座

上座は、対局時に上位者が座る位置を指します。

将棋の世界では、対局者の間での地位や経験を尊重する文化があり、上座はその表れの一つです。

上座の概念は、将棋における礼儀と敬意の伝統を象徴しており、対局の前から尊重の精神が始まっていることを示しています。

 

上座の譲りあい

上座の譲りあいとは、プロの将棋対局で、対局者がお互いに上座を譲り合うことがある現象を指します。

これは、年齢や経験、地位などを尊重し合う文化の一環であり、特に年齢差がある場合に顕著です。

上座の譲りあいは、将棋界の深い人間関係と相互尊重の文化を反映しており、ゲーム外でもその倫理観が重んじられていることを示しています。

 

辛い

将棋における「辛い」という表現は、終盤において指し手が非常に厳しく、相手に対して大きなプレッシャーをかけることを意味します。

このような手は、相手にとって非常に対処が難しく、戦況を決定的にする力があります。

「友達をなくす手」と茶化されることもあり、その効果の強さを示唆しています。丸山忠久が「激辛流」と評されるなど、特定の棋士の戦術としても知られています。

辛い手法は、将棋の精神的な戦いの側面を強調し、局面を支配するための緻密な計算と戦略を要求する、高度な技術です。

 

絡む、絡みつく

「絡む」または「絡みつく」とは、攻め駒が少ないにも関わらず、相手を効果的に攻め続ける戦術を指します。

この攻めは、駒の配置や手順によって、相手の対応を難しくさせる特徴があります。

絡む攻めは、限られた資源で最大限の効果を引き出す知恵と創造性を示し、将棋の奥深さと駆け引きの魅力を際立たせます。

 

空打ち

空打ちとは、将棋の駒を盤上に打ち付けて駒音を響かせながら指す動作を指します。

この行為は、リズム感や気合いを表現するために行われることが多いですが、対局者によってはこの行為を嫌うこともあり、マナーとして注意が必要です。

空打ちは、対局における個々の棋士の気持ちや緊張感を表す一面がありますが、相手への配慮も重要なエチケットとなります。

 

空成り

空成りとは、大駒が敵陣で成り込む際に、相手の駒を取ることが可能であっても取らずに成る行動を指します。

また、相手からの利き駒を外された際に、そこへ意図的に成ることも含みます。

この戦術は、将棋の中でも特に戦略的な選択を象徴しており、局面に深みを与えます。

空成りは、将棋の中での駒の価値や位置の重要性を再考させ、戦術的な多様性を楽しむための興味深い要素です。

 

辛い

辛い指し手とは、将棋の終盤において、非常に厳しいかつ効果的な手を指すことを言います。

これは、相手にとって非常に対応が難しい局面を作り出す手法であり、「友達をなくす手」とも茶化されるほどです。

特に丸山忠久が激辛流と評されることがあるように、その戦術は相手にとって大きなプレッシャーを与えます。

辛い指し手は、将棋の醍醐味である読み合いと精神的な戦いを象徴しており、その緻密さと戦術の深さには本当に感心させられます。

 

軽い

軽い指し手とは、指し手にスピード感があり、金銀をあまり使わずに効果的な戦術を展開することを褒めて言う言葉です。

このような指し手は、少ない投資で大きな効果を期待できるため、戦略的に非常に価値があります。

ただし、攻めが軽いと批判的に使われる場合もあり、その場合は攻め駒が足りずに迫力不足という意味になります。

軽い指し手は、将棋の戦略を巧みに操る知恵と技術を示し、局面をダイナミックに展開させる魅力を持っています。

 

かわし、かわす

かわし、またはかわすとは、自陣の駒を動かして敵駒の利きを外す行為を指します。

このテクニックは、防御の要として非常に重要で、敵の攻撃を巧みに回避することができます。

かわしの技術は、将棋における防御戦術の精緻さとプレイヤーの予測能力を試す要素であり、その瞬時の判断が局面を大きく左右します。

 

緩手

緩手とは、より良い手や厳しい手を指すことが求められる局面で指された、緩くて効果が薄い手のことを指します。

これは疑問手とは異なり、直接的に悪手とは言えないものの、局面を有利に進めることができない手です。不利な側が指した場合、敗着につながる可能性があります。

緩手は、局面の緊迫感を考慮した上でのより精確な手の選択を促し、将棋の深い戦略的思考を反映しています。

 

間接王手飛車

間接王手飛車とは、相手の飛車と玉が斜め筋に位置している局面で、角で飛車取りを仕掛けた際に、飛車を逃げる動きが玉を取られるリスクに直結する状況を指します。

この戦術は、相手に複雑な選択を迫り、優位に立つための巧妙な手段です。

間接王手飛車は、将棋の局面を劇的に変化させる可能性を秘めており、予測不可能な展開が魅力の一つです。

 

観戦記

観戦記とは、将棋の対局を観戦した記者が、その様子を棋譜と共に文章で伝える記事のことです。

新聞や雑誌などの文字媒体で読者に対局の興奮や戦術の解説を届ける重要な役割を果たします。

観戦記は、将棋ファンにとって貴重な情報源であり、対局の熱気や棋士の思考を間接的に体験できる素晴らしいコンテンツです。

 

観戦記者

観戦記者は、将棋の対局を取材し、その様子を観戦記として記事にする記者を指します。

彼らは対局の詳細な分析や興奮を伝えるために、深い将棋の知識と文章力を要求されます。

観戦記者は、将棋界とファンをつなぐ重要な役割を担い、対局のドラマを伝えることでこの伝統的なゲームの魅力を広める貢献者です。

 

感想戦

感想戦とは、対局が終わった後に対局者同士が行う一局の振り返りと検討のことを指します。

この過程では、どちらの棋士も互いの手順や戦略について深く議論し、学びの機会とします。

感想戦は、ただの勝敗を超えた学びと成長の場であり、将棋の深い敬意と向上心を象徴する貴重な時間です。

 

神田事件 (将棋)

神田事件は、昭和期に将棋界で起こった分裂騒ぎを指します。この事件は、将棋界の歴史における重要な転換点の一つであり、その後の組織や体制に影響を与えました。

神田事件は、将棋界の内部でも激動の時代があったことを物語っており、変化と成長の過程を感じさせます。

 

関東/関西

プロ棋界における関東と関西は、棋士の居住地に基づく所属だけでなく、対局の場所としての将棋会館の位置や、棋士コミュニティーを指す用語としても使用されます。

この地理的な分け方は、対局や棋士の日常において重要な役割を果たしています。

関東と関西の区分は、将棋界における文化やコミュニケーションの違いを象徴し、地域ごとの特色や歴史があることを示しています。

 

がんばる

「がんばる」とは、将棋において形勢が不利であっても投了せずに指し続ける精神を指します。

これは、相手の強烈な攻めに対しても懸命に持ちこたえる姿勢を意味し、プレイヤーの粘り強さや闘志を示しています。

がんばる精神は、将棋だけでなくあらゆる競技や挑戦において大切な姿勢であり、逆境を乗り越える力を育てます。

 

完封

完封は、将棋において自玉に相手の駒を寄せ付けずに勝利することを指します。

この状態は、防御が完璧であり、相手に一切の隙を見せない優れた対局を意味します。

完封勝利は、将棋における防御の技術と戦略の高さを示し、圧倒的な力の差を見せつける印象深い勝利です。

 

顔面受け

顔面受けは、将棋において前面からの攻撃に直接玉を用いて対応する守備手法を指します。

この戦術では、玉自身が守りの役割を担うため、非常にリスキーな選択となります。

玉は全方向に動けるため非常に強力な駒ですが、受け方を誤るとすぐに詰みに追い込まれる可能性があります。

顔面受けは、将棋の戦術の中でも特に高度な判断力と緻密な計算を要する挑戦的な手法であり、その勇敢さには驚かされます。

 

棋界(将棋界)

棋界、特に将棋界とは、将棋棋士や将棋を愛好する人々が活動する業界やコミュニティを指します。

この世界は、プロの棋士だけでなく、アマチュアプレイヤー、将棋関連のメディアやイベントなど、多岐にわたる活動で構成されています。

将棋界は、古い歴史と豊かな文化を持ち、知的な競技としてだけでなく、人々を繋ぐコミュニティとしても魅力的です。

 

利かし、利かせる

利かしや利かせるとは、将棋において相手に特定の対応を強いる手を指します。

この手は、直接的な効果はすぐには現れないものの、将来的な脅威となり得るため、相手を対応させる戦略的な動きです。

利かしの手は、将棋の奥深い戦略性を象徴し、先を読む思考がいかに重要かを教えてくれます。

 

利かずの駒並べ

利かずの駒並べは、将棋の駒を利き筋が重ならないように盤上に配置するパズルです。

この挑戦は、駒の動きや特性を深く理解するとともに、空間認識能力を鍛えることができます。

利かずの駒並べは、将棋の駒の動きを楽しみながら学べる、知的な遊び心を刺激するパズルです。

 

聞き手

聞き手は、大盤解説で解説者をサポートする役割を担う人のことで、通常は女流棋士やプロ棋士が務めます。

この役割には、解説の補助だけでなく、観客とのコミュニケーションやイベントの円滑な進行も含まれます。

聞き手は、将棋の解説をより理解しやすく、親しみやすいものに変える重要な役割を担っており、将棋文化の普及に貢献しています。

 

棋客

棋客は、将棋指しの古い言い方で、将棋を楽しむ人々や愛好者を指す言葉です。

この言葉は、将棋が古来から人々に親しまれてきた歴史の深さを感じさせます。

棋客という表現は、将棋がただのゲームではなく、文化や伝統の一部であることを物語っており、その魅力が多くの人々を引きつけて止まない理由を教えてくれます。

 

利く、利き

「利く」や「利き」という言葉は、将棋において駒が影響を及ぼす範囲や能力を示します。

特に、一つの駒が他の駒に対して取ることができる位置にある場合、「利いている」と表現され、その影響範囲を「利き」と呼びます。

利きは、将棋の戦略を考える上で基本となる概念であり、駒の位置や動きを通じて相手に与える圧力を視覚化する重要な要素です。

 

棋士

棋士は、プロの将棋指し、つまり将棋を生業とする専門家を指します。

彼らは高い技術と深い知識を持ち、競技としての将棋を極めています。

棋士は、将棋という知的な競技をプロフェッショナルなレベルで追求する人々であり、その生き様や対局は多くの人に夢や感動を与えています。

 

奇手

奇手とは、一般的な戦術や定石から外れた、予期しない指し手を指します。

奇手は時に奇妙や突飛と見られがちですが、その中には状況を一変させる妙手や好手が隠されていることもあります。

奇手は、将棋が持つ無限の可能性と創造性を示すものであり、予測不可能な展開がこのゲームの魅力の一つであることを教えてくれます。

 

鬼手

鬼手は、将棋において勝利を決定づける重要な一手を指します。

「おにて」とも読まれ、その手によって局面が劇的に変わり、勝敗が直接的に影響されることが特徴です。

「妙手」と似ていますが、鬼手はより直接的に勝利へと導く手段として用いられます。

鬼手は、将棋の対局におけるクライマックスを飾る瞬間であり、その発見や実行は大きな喜びをもたらします。

 

奇襲戦法

奇襲戦法とは、一見すると通常の戦術から逸脱しているように見えるが、実は深い計算と狙いが隠されている戦法を指します。

この戦法の狙いが相手に看破されると不利になるリスクを伴いますが、成功した場合には大きなアドバンテージを得ることができます。

奇襲戦法は、将棋の対局を予測不可能でエキサイティングなものに変える魅力を持ち、戦術の多様性と創造性を示しています。

 

棋書 (将棋)

棋書は、将棋に関する知識や戦術、歴史などを扱った書籍のことを指します。

これらの書籍は、初心者から上級者まで幅広いレベルのプレイヤーに向けて、技術の向上や理解の深化を助けるための貴重な資源です。

棋書は、将棋を深く学びたい人々にとって不可欠なツールであり、この伝統的なゲームの魅力をさらに探求する手段を提供します。

 

キズ

キズとは、将棋において相手の攻めによって生じた陣形の弱点や欠陥を指します。

この弱点を「キズを消す」や「キズを治す」という表現で修正することが重要とされます。

キズは、将棋の局面における緊迫した攻防の中で生まれる、戦略的なチャレンジを示し、その克服はゲームの深い理解と技術の向上を象徴しています。

 

棋戦

棋戦は、将棋の大会やタイトル戦、公式戦など、競技将棋の各種大会を総称した言葉です。

これらはプロの棋士だけでなく、アマチュアプレイヤーにとっても重要な舞台であり、技術や戦略を競い合う場となっています。

棋戦は、将棋の世界での競争と成長の場であり、プレイヤーが自身の実力を試し、高めるための重要な機会を提供しています。

 

鍛えが入っている、鍛えの入った手

「鍛えが入っている」または「鍛えの入った手」とは、深い研究と練習を経て磨かれた、実戦的な手を指します。

これらの手は、通常、あまり知られていないが効果的で、長時間の努力や研究によって生み出されます。

鍛えの入った手は、棋士の努力と才能の証であり、将棋の奥深さとプレイヤーの献身を象徴しています。

 

キツイ

「キツイ」とは、将棋における厳しい局面や難しい指し手を表現する際に用いられる言葉です。

この言葉は、局面の難易度が高いことや、精神的なプレッシャーが大きい状況を指す場合に使用されます。

キツイ局面や指し手は、棋士の精神力と技術を試す試練のようであり、その克服が成長への道を開くことを示しています。

 

棋道師範

棋道師範は、日本将棋連盟が将棋の普及活動に対して熱意を持ち、優れた指導能力を有する者に対して与えられる指導員資格です。

この資格は、将棋の教育や普及に貢献したいと考える人々にとって、その活動を認められる重要な証となります。

棋道師範の資格は、将棋を通じて社会へ貢献しようとする人々の努力と情熱を表彰するものであり、将棋文化の継承と発展に欠かせない役割を果たしています。

 

気にする

「気にする」とは、将棋において、実際にその手が良いか悪いかは分からないが、自分にとって不利になり得る手や展開を予感し、それを避けるための対策を優先することを指します。

この表現は、対局者が感想戦で使用することもあり、特に解説者が多くの選択肢の中から特定の展開を指摘する際に用いられます。

「気にする」は、将棋が単に現在の局面だけでなく、将来の可能性まで見越して判断する必要がある複雑なゲームであることを示しています。

 

棋譜(きふ)

棋譜とは、将棋の対局の一手一手を記録した文書です。

この記録によって、対局の流れを振り返ったり、後学のために研究したりすることができます。

棋譜は、将棋の対局を通じて得られる知見や戦術を後世に伝える貴重な資料であり、将棋文化の保存と発展に不可欠な役割を果たしています。

 

棋譜を汚す

「棋譜を汚す」とは、対局中に不必要に悪手を連発し、その部分の棋譜が見苦しくなることを自嘲的に表現する言葉です。

これは、一応勝利したものの、終盤のプレイに満足できなかった場合に使用されます。

棋譜を汚すという自覚は、棋士が常により良い対局を目指していることを示し、絶えず自己改善を求める姿勢を反映しています。

 

棋譜が汚れる

「棋譜が汚れる」とは、敗勢が明白な状況で、攻め味のない受けの手を延々と指し続けることを批判的に表現した言葉です。

この表現には、敗北を受け入れるべきタイミングについての個々の価値観が反映されており、使用する人とそうでない人に分かれます。

棋譜が汚れるという表現は、対局における態度や振る舞いに対する深い考察を促し、将棋の精神的な側面に光を当てます。

 

棋譜並べ

将棋において、過去の対局を参照し、その一手一手を実際の盤面に再現する行為を指します。

これは、その対局の戦術や戦略を学ぶための一般的な方法です。

再現された対局は、技術の向上や戦術の分析に役立ちます。

一言で言えば、過去を振り返りながら未来の対策を練る、とても戦略的な学習法ですね。

 

棋風

ある将棋プレイヤーが好む、または頻繁に使用する手法や戦術の傾向を表します。

これには攻撃的、守備的、静かな戦い方、積極的な戦い方など、様々なスタイルがあります。

棋風は、プレイヤーの個性を反映し、相手に与える心理的影響も大きいです。

個々のスタイルが高じて、まるで将棋の世界に個性的なキャラクターを生み出しているようですね。

 

棋譜用紙(きふようし)/記録用紙(きろくようし)

将棋対局の動きを記録するための専用用紙です。

対局者の名前、対局の日時と場所、一手一手の動き、そして使用時間など、対局に関する重要な情報が記入されます。

これらの記録は、対局の分析、学習、または記録保持のために後で参照されます。

現代ではデジタル化が進み、タブレットPCなどを使用した記録が増えていますが、紙の記録もその魅力と重要性を失っていません。

過去を振り返り、将来に役立つ貴重な情報源ですね。

 

気持ち悪い

将棋において、「気持ち悪い」とは、現在の駒の配置が将来的に不利な展開になりそうな予感を表します。

この表現は、特定の駒の動きや配置が将来的に相手に有利な手を許す可能性があるときに使われます。

例えば、「ここに歩がたれているのが気持ち悪いのでまあ取ります」という使い方があります。

将棋はただのゲームではなく、深い洞察力と先読みが求められる、まさに精神的な闘いですね。

 

疑問手

疑問手は、将棋において勝敗を直接左右するわけではないものの、もしかしたらもっと効果的な手が存在したのではないかと考えさせる手のことを指します。

この種の手は、緩手(プレイヤーがあまりプレッシャーをかけない手)と悪手(ゲームの流れを不利にする手)の間の微妙な領域に位置します。対義語は「好手」、すなわち明確な利益をもたらす賢明な手です。

この概念は、将棋が単に正解のある問題集ではなく、深い戦略と複数の可能性を秘めたアートフォームであることを示しています。

真剣な局面での一手一手が、どれほど多くの考察を必要とするかを思うと、改めてこのゲームの奥深さに感嘆します。

 

逆王手

逆王手は、自分が王手をかけられている状況から、その次の一手で相手の王に対して逆に王手をかけることを指します。

この動きは、将棋の局面を一変させることができる強力な手段であり、しばしばゲームの流れを自分に有利にするための反転攻勢として用いられます。

この瞬間のドラマは、将棋が持つ予測不能な展開と、戦術的な深みを象徴しています。

ゲームのテンポを一変させる逆王手は、まさに心理戦の醍醐味を味わえる瞬間ですね。

 

逆先

逆先とは、相手による積極的な攻めに対して、受ける側から攻勢に転じ、主導権を握ることを指します。

元々不利と思われた立場から、局面を巧みに操り、攻めに転じるこの技術は、将棋の醍醐味の一つです。

攻めと守りのバランスを見極め、適切なタイミングで反撃に出ることは、高度な戦略的思考を要します。

逆転の発想で局面を打開するこの技術は、まさに将棋の戦略性を色濃く示していますね。

 

級位者

級位者は、将棋における段級位制度において、初心者から一定の技術レベルに達していないプレイヤーを指す言葉です。

段級位制は、プレイヤーの技術レベルを客観的に示すためのシステムであり、級位者はその中でさらなる上達を目指す位置にいます。

この制度は、プレイヤーが自分の技術向上を目で見える形で確認できるように設計されており、上達の過程を具体的に示す重要な指標となっています。

将棋の道は長く険しいものですが、級位者としてのスタートラインに立つことは、その旅の始まりに過ぎません。

 

急所

急所は、将棋の盤面上で特に重要な局面やキーポイントを意味します。

これは、勝負の行方を左右する可能性のある重要な瞬間や場所を指し、「焦点」とも表現されることがあります。

例えば、「ここで急所の一着が出ました!」という言い方がされることがあります。

この用語は、将棋が単なる駒の動かし合いではなく、戦略的深みと緻密な計画が必要なゲームであることを示しています。

盤面上の一つ一つのポイントが、まるで物語のクライマックスのように、ゲームの展開に大きな影響を与える瞬間ですね。

 

急戦

急戦は、守りをあまり固めずに、早い段階で攻勢に出る戦法を指します。

この戦法は、相手を圧倒することを目的とし、迅速なゲーム展開を促すことに重点を置いています。

急戦を選択することで、相手に圧力をかけ続け、防御の機会を与えずに局面を有利に進めることができます。

将棋の世界では、戦略の多様性が勝負の鍵となり、急戦はその鮮やかな一面を示しています。

攻めの姿勢が成功のカギを握る、緊張感あふれる戦法ですね。

 

僥倖(ぎょうこう)

僥倖とは、運に期待し、その成就を待つことを意味しますが、将棋においては、相手の運に頼る戦術を批判的に指すこともあります。

特に、木村義雄十四世名人が、相手が仕掛ける僥倖に依存する手に対して厳しく一喝したことが有名です。

また、藤井聡太がインタビューで使用したことでも知られています。

この言葉は、将棋が単に運ではなく、深い思考と計画に基づくべきであるという考えを反映しています。

偶然ではなく、実力で勝負を決める――それが真の競技の姿勢ですね。

 

香車(きょうしゃ)、香落ち(きょうおち)

香車は、直線上にのみ動くことができる将棋の駒で、「槍」とも称されることがあります。

この駒は攻撃時に長い距離をカバーできることから、その名の通り、戦場での槍のように利用されます。

香落ちとは、一方のプレイヤー(通常は技術レベルが高い方)が意図的に香車を一枚減らして開始する特殊な対局形式を指します。

この方式は、かつてはタイトル戦でも見られたものの、現在では主に将棋の奨励会で行われています。

香車を落とすことで生じるバランスの変化は、戦略に富んだゲーム展開をもたらすことでしょう。

駒の一つ一つが重要な役割を果たす将棋の世界では、香車の有無がゲームの結果に大きく影響を及ぼすことを思い出させてくれます。

 

強手(きょうしゅ)

強手は、相手を驚かせるような予期せぬ強烈な手を指します。

この用語は、「強い手」としても知られ、短期間で大きな利益を狙う際に用いられます。

攻め手にも防御手にも適用されることがあり、特に防御の際には「受けの強手」と呼ばれます。

将棋は戦略的思考と予測不可能な展開の連続であり、強手はその駆け引きの一環です。

局面を大きく変える一手が、将棋の魅力を一層深めますね。

 

脇息(きょうそく)

脇息は、将棋の対局中にプレイヤーが左脇に置く肘掛けです。

主に座布団を使用して対面する伝統的な対局形式で見られ、プレイヤーが体を支えたりリラックスしたりするのに役立ちます。

椅子とテーブルを使用する現代の対局では一般には用いられません。

この道具は、長時間にわたる対局の快適性を高めるための繊細な配慮を示しています。

対局の舞台裏にも、このような伝統と工夫が息づいているのは興味深いですね。

 

玉、玉将

玉将(通常「玉」と呼ばれる)は、将棋における王将の別称で、対局における最も重要な駒です。

一方、「王将」とは、通常上位のプレイヤーが使用する駒であり、将棋のセットには玉将と王将が一組ずつ含まれています。

対局では、技術レベルが高い方が王将を、それ以外のプレイヤーが玉将を用いるという習慣があります。

駒のデザインにおいて、玉将の一方には点があり、もう一方には点がないという微妙な違いがあり、この違いによって玉と王を区別します。

この慣習は、将棋の世界における礼節と敬意の表現であり、プレイヤー間の関係性や立場を象徴しています。

しかし、この習慣はアマチュアレベルではさまざまな取り扱いがあり、遵守するか否かはプレイヤーに委ねられています。

将棋の伝統と革新が交錯する面白い例ですね。

 

玉(ぎょく)/王様(おうさま)が取られる

将棋では、玉(または王様)が直接取られることはありませんが、「玉が取られる」という表現は、玉将が詰められる、つまり敗北が確定する状況を指す際に使われます。

この言い回しは、玉将に対する直接的な脅威が存在し、その結果としてゲームが終了することを意味します。

将棋のルールでは、王手から逃れられない場合に敗北が決まるため、この表現は比喩的に玉将の絶対的な危機を示しています。

将棋の戦いにおける緊張感と戦略的な駆け引きを物語っていますね。

 

玉が見えない

「玉が見えない」という表現は、対局中の玉将が非常に安全な状態にあり、敵の攻撃から守られていることを意味します。

この状況では、相手による玉将への直接的な脅威がほとんど、あるいは全く感じられないため、玉将に対する詰めろや攻撃の手が見つからないことを表します。

この表現は、対局者が優れた防御戦略を展開していることの証でもあり、将棋の深い戦略性と、局面を読む力の重要性を示しています。

盤上の安全を確保することが、勝利への道を切り開くことを改めて教えてくれますね。

 

局(きょく)/番(ばん)

将棋の対局数を表す際、二つの助数詞「局」と「番」がよく使われます。

一般に、書籍や放送では「局」が好まれる一方で、「○番勝負」という言い方では「番」が選ばれます。

日常会話では、○番勝負に限らず「一局やる?」や「一番やりましょう」といった形で「番」も使われます。

また、伝統的ではないものの、人によっては「試合」「ゲーム」「戦」といった言葉を使うこともあります。

将棋における「局」と「番」の使い分けは、言葉のニュアンスや文脈に根差した興味深い文化の一面を映し出していますね。

 

曲線的な

「曲線的な」という表現は、将棋の展開や手法について、直接的ではなく予測不可能な流れを示す際に用います。

これには三つの用途があります。第一に、複数のさし手が可能で、どれを選んでもすぐに形勢が変わるわけではない状況。

例えば、相手の予想とは異なる手を指したり、タイミングが難しい手を選ぶことで、展開を不確定にします。

第二に、相手に幅広い応対を迫る手を指し、局面の流れをあいまいにする戦術。第三に、棋風として、相手を混乱させるような不確かな手を好み、攻守を柔軟に切り替えながら、最終的な勝利を目指すスタイルを指します。

「曲線的な」展開や手法は、将棋がただのゲームではなく、深い戦略と心理戦が絡み合う芸術であることを思い起こさせます。このような不確定性が、対局の魅力を一層引き立てていますね。

 

玉頭(ぎょくとう)

玉頭とは、将棋の玉将が守られている陣地、具体的にはその上部のエリアを指します。

玉将を守る「玉頭」の概念は、防御の要としての重要性を際立たせます。

対局においては、この部分を如何に堅固に保つかが勝敗を左右する鍵となることが多いですね。

 

玉頭戦

玉頭戦は、双方の玉将が直線上に位置する特定の配置下で展開される攻防戦です。

この局面では、戦いの主戦場が玉将の頭上部、つまり玉頭に集中します。

玉頭戦は、直接的な玉の攻防が焦点となるため、非常にダイナミックで緊迫した展開が期待できる局面ですね。

プレイヤーの攻めの技術と守りの堅さが試される瞬間です。

 

玉頭銀

玉頭銀は、振り飛車戦法を採用するプレイヤーが、腰掛け銀の形をとった銀将を用いて相手の玉頭部分へと進出させる戦術を指します。

この動きは、相手玉の直接攻撃を狙う独特の攻め方です。

玉頭銀戦法は攻撃的かつ積極的な姿勢を示す戦術で、相手に大きなプレッシャーを与えることができます。

その果敢な進出は、見ているだけでも心躍る展開を生み出します。

 

局面

局面は、将棋の盤上における駒の位置や状態を全て含む現在の状況を指します。

一局の中で何度も変わる局面は、ゲームの流れを決定づける重要な要素です。

局面の変化は将棋の奥深さを象徴しています。

一手一手が局面を大きく変えうるため、戦略的思考と先読みが非常に重要になってきます。

 

玉形(ぎょっけい)

狭義では、玉将を守るための囲いの形状を指します。

広義には、玉将の周囲に配置された駒の配置全般および、その配置による玉将の安全度を表します。

玉形は、将棋の中でも特にその安全性が重視される部分です。

良い玉形は玉の安全を守りつつ、攻めの基点ともなり得るため、その構築は高度な技術と知識を要します。

 

拠点

将棋における「拠点」とは、相手の攻撃から守りたい重要なポイントを指します。

具体的には、自分の駒Aを守るために、相手の攻撃駒Bに対抗する自駒Cが支援する状況を指すことがあります。

また、敵陣において容易には取られない位置に設置された自分の小駒、特に歩、を指すこともあります。

さらに、日本将棋連盟が普及活動のために設けている施設、例えば東京や関西、北海道の将棋会館や新宿将棋センターも「拠点」と称されます。

「拠点」という用語は、将棋の戦術だけでなく、文化や普及活動における中心地をも意味する多面的な用語です。

戦略的にも、コミュニティとしても、その重要性は計り知れませんね。

 

切らす

「切らす」とは、相手の攻撃を完全に防ぎ切ること、または持ち駒に歩がなくなる状態を指します。

前者は「受け潰し」とも呼ばれ、相手の攻め手を無力化することを意味します。

後者は、ゲーム進行中に歩の持ち駒が底をつくことを示し、「歩を切らす」と表現されます。

「切らす」には、防御の成功やリソースの枯渇という、ゲームの転換点を示す二つの意味があることが興味深いです。

どちらも局面に大きな影響を及ぼす重要な要素です。

 

棋理

棋理は、指し手の良し悪しを判断するための経験的かつ感覚的な原則を指します。

例えば、一見最善手ではないかもしれない手でも、棋理に則っていれば局面を悪化させることはない、とされます。

棋理は、将棋の深い理解と経験が必要とされる概念で、単なるルールを超えた指し手の美学や哲学を感じさせます。

このような背景があるからこそ、将棋は奥深く魅力的なゲームです。

 

棋力

棋力は、個人の将棋における技術や実力の水準を示す指標です。

この水準は、段級制度によって具体的に表され、プレイヤーの能力を評価するための基準となります。

棋力という概念は、プレイヤーが自分の進歩を具体的に把握し、目標設定に役立てるための重要な指標です。

将棋を学ぶ過程での自己成長を実感できる一つの方法ですね。

 

斬り合い、斬り合う

相手の攻め手を無視して、直接的に勝利を目指す戦術。

この方法では、防御よりも攻撃が優先され、一手勝ちを狙います。

この戦術の魅力は、その直接性と勝負を早期に決定づける能力にあります。

 

切る

大駒を小駒と交換する行動。通常は損と見なされるが、攻撃を継続させるためや更なる駒得を目指す場合には有効な手段となる。

この戦術は、短期的な損失を受け入れつつ、長期的な戦略を追求する洞察力を要します。

 

きれいな

特定の手順で、効率的に相手玉を追い込み、余計な駒が残らない形を指します。

また、駒の交換や敵陣への成り込みがスムーズに行われ、盤面の駒の密度が低下する様子も「きれいな」手順と表現されます。

この用語は、技術的な巧みさや戦略的な清潔さを称賛する際に用いられ、将棋の美しさを表現するのに適しています。

 

切れる

攻めが完遂せず、結果的に駒損だけが残る状態。

この状況は、「切れ模様」とも表現され、勝利への道が閉ざされつつあることを示唆します。

この表現は、将棋の局面が思うように進展せず、戦略的な行き詰まりを感じさせる状況を象徴しています。

 

切れ筋

相手が適切に対応すれば、攻め手が途切れてしまうような手順のこと。

これは、攻めが一時的に停止する可能性を示唆しています。

切れ筋を見極めることは、戦術の見直しや新たな計画の立案に役立つ洞察を提供します。

 

切れ負け、切れ負け制

プレイヤーが持ち時間を全て消費した時に敗北となるルール。

特にオンライン将棋で一般的で、時間管理の重要性を強調します。

この制度は、迅速な思考と決断力が求められる環境を作り出しており、プレッシャーのもとでの戦略的判断能力が鍵となります。

 

切れ模様

攻め手がありながらも、相手によって完全に防がれ、次の手が見出せなくなる状況を指します。

この状態は、局面の進行において重要な転換点となりうるため、プレイヤーは常に複数の計画を持っておくべきことを教えてくれます。

 

棋歴

プレイヤーの将棋における経験やキャリアを表します。

過去の対局や成績を通じて、そのプレイヤーの成長やスキルレベルを把握することができます。

輝かしい棋歴は、個人の実力だけでなく、その人物の将棋界での地位や影響力も示唆するものです。

 

記録係

対局中に棋譜を記録し、持ち時間を管理する責任者。

この役割は、将棋の歴史と発展において重要な記録を残すことに貢献しています。

細部にわたる注意と精密さが要求される仕事です。

 

銀が泣いている

自身の銀が敵陣で動きを封じられた状態を指す言葉で、坂田三吉の言葉が起源。将棋の局面で重要な駒が機能しなくなることの喩えとして用いられます。

駒の活用と配置の重要性を物語っています。

 

錦旗

将棋の駒の書体の一種を指す用語。駒の美学と伝統に対する敬意を示す言葉です。

将棋の文化的な側面と、その繊細さを反映しています。

 

銀冠

将棋の防御形態の一つで、固有の構造を持つ囲いを指します。

この囲いは、防御戦略の多様性と、局面に応じた柔軟な対応の重要性を教えてくれます。

 

銀冠の小部屋

端歩を伴った銀冠囲いの際、銀の直ぐ横のマスを指し、特に玉が一時的に避難する場所として機能します。

銀冠囲いが上部からの攻撃に強い一方で、斜め上への逃げ道が限られるため、この「小部屋」が重要な役割を果たすことがあります。

この戦術は、局面の微妙なバランスと、一手の重要性を強調します。

 

銀千枚

詰将棋などで金一枚で詰めることができるにも関わらず、銀がいくつあっても詰められない状況を表します。

この表現は、駒の価値と使用法の違いを象徴的に示しており、戦略的な洞察を促します。

 

銀ばさみ

銀が両サイドに歩に挟まれて斜め後ろに退けない状態を指します。

この状況は、駒の動きを制限する戦術の一例であり、局面制御の重要性を教えてくれます。

 

銀ひばり

特定の筋に銀を進出させる戦術で、その進出の様子がヒバリの飛翔に例えられます。

この戦術は、攻撃的な姿勢と地点の制御の重要性を示しています。

 

禁じ手

将棋のルール違反を犯した手のことで、違反を犯した時点で敗北となります。

このルールは、公正な競技環境の維持と、ルールへの厳密な遵守を促します。

 

金底の歩

防御策として自陣の二段目にある金の直下に歩を打つ手法を指します。

この配置により、相手の攻撃を効果的に防ぐことができます。

この手筋は、防御の深さと、局面に応じた臨機応変な対応の大切さを教えてくれます。

 

金開き

玉将を中央に配置し、その両側に金将を展開する陣形です。

この陣形は、中央からの攻撃に対する堅固な防御力を提供します。

この配置の戦略的な利点は、守りながらも攻めの準備ができる柔軟性にあります。

 

近代将棋

1,現代における洗練された手順や戦略を用いる将棋を指し、古典将棋とは異なるものとして区別されます。

この変化は、将棋の進化とともに戦術や戦略がどのように洗練されてきたかを示しており、ゲームの深さを増しています。

2,2008年まで発行されていた将棋雑誌、当時の将棋界の情報や戦術、プレイヤーの紹介などを提供していたメディアです。

この雑誌は、将棋文化の普及と発展に貢献し、多くのファンやプレイヤーに影響を与えました。

 

クイーン称号

女流棋界における永世称号で、タイトル戦の成績に基づいて授与されます。

この称号は、女流棋士の卓越した成就を讃えるもので、将棋界における最高の栄誉の一つとされています。

 

食いちぎる

相手の駒と自分の駒が接触している状態から、一方が攻撃を仕掛けて駒を取ることを指します。

この行動は、局面の進展において重要な駒を確保するための攻撃的な手段として用いられます。

 

食い逃げする

相手の駒を取った後、攻撃駒を安全な位置に移動させる戦術を指します。

この手法は、リスクを最小限に抑えつつ駒得を図る戦略的な動きとされています。

 

空気を捨てて仕掛ける

局面が攻撃的に展開しているかのように見せかけながら、実際には自分が駒を得ている状況を指します。

この状況は、相手を錯覚させるための戦術的な偽装として機能します。

 

空中戦、空中戦法

特に大駒が盤上で活発に動き回る戦いを指し、横歩取り戦の戦型でよく見られます。

この用語は、将棋の盤上でのダイナミックな駒のやり取りを象徴しています。

 

鎖鎌銀

相掛かり戦において、通常の中央への進出ではなく、飛車筋に向けて銀を進める戦術を指します。

この手法は、戦線の拡大と相手の予想を裏切る動きにより、新たな攻撃ルートを模索します。

 

クソ粘り

不利な局面でも決して諦めず、最後の一手まで逆転を狙って戦う姿勢を指します。

この粘り強さは、将棋の魅力の一つであり、しばしば見る者を驚かせる逆転劇を生み出します。

 

九段

将棋の段位制度において最も高い位置にあり、かつては名人の段位とされていました。

九段戦は、歴史ある棋戦で、勝者には九段の称号が授与されていたことから、将棋界における栄誉の象徴とされています。

 

首を差し出す

敗北がほぼ確実な状況で、意図的に相手に有利な手をさせることを指します。

この行為は、局面を打開しようとするが故の戦略的な選択と言えます。

 

クマる

穴熊囲いを採用することで、特に居飛車穴熊の構築を目指します。

しかし、近年の戦術の進化により、穴熊囲いを完成させる前に攻め込まれるケースが増えており、対策が研究されています。

 

組む

将棋において駒を移動させて、攻撃や防御を目的とした陣形を形成する行為です。

このプロセスでは、将来の展開を見据えた計画的な動きが求められます。

戦略的な陣形の構築は、ゲームの複雑さと魅力を高める要素の一つです。

 

将棋盤の中心部、特に5段目を指す用語で、盤上の戦略的な要点を示します。

この中心部を制することは、ゲームの流れを左右する重要な戦略となります。

中央を支配することの重要性を強調しています。

 

位取り

中央の5段目に向けて歩を進める戦略を言い、局面での優位を目指す動きを指します。

ただし、居飛車や相振り飛車の場合はこの用語は適用されず、端の歩を進める場合は「突き越し」と呼ばれます。

中央の制御を目指す戦術的なアプローチを示しています。

 

食らいつく

形勢が不利な状況でも差を広げないように必死に戦う意志を表します。

「張り付く」という言葉と同じ意味で用いられます。

この用語は、逆境にあっても決して諦めずに粘り強く戦う姿勢を象徴しています。

将棋は戦術や技術だけでなく、精神的な耐久力をも試すゲームだということが伝わってきます。

 

苦しい

局面や形勢が不利であることを意味します。

この表現は、プレイヤーが有利な展開に持ち込むためには、特別な努力や戦略が必要である状況を指します。

将棋は常に変動する環境であり、形勢が苦しいときこそ、プレイヤーの真価が問われます。

 

群雄割拠

複数のタイトル保持者がおらず、存在するタイトルの数だけ異なる保持者がいる状態を指します。

この状況は、将棋界において競争が激しく、多様な才能が花開いている証とも言えます。

一人の支配者がいないことで、タイトル戦の予測が難しく、見る側にとっても魅力的な展開が期待できます。

 

軽視する

将棋において、相手の可能性のある手を認識しながらも、他の手を優先して考えた結果、その手が重要であることに後から気づき、急いで対策を練らなければならなくなる状況を指します。

この用語は、将棋の深い読みと戦略的な思考の重要性を示しています。

特に、計画の修正が求められる瞬間のプレッシャーが伝わってきます。

 

形勢

将棋の局面の優劣を示す総合的な評価で、駒の損得や配置、玉の安全性など多岐にわたる要素を基に判断されます。

この用語は、将棋が単なる駒のやり取り以上の、複雑な戦略ゲームであることを物語っています。

形勢の変化は、ゲームのドラマチックな展開を生み出す要因の一つです。

 

軽手

技巧的で洗練された好手を意味します。

一方で、「軽い手」や「手が軽い」と表現される場合は、相手に大きな影響を与えない手を指すことがあります。

この用語は、将棋の手の質を表す際に使われ、戦略の緻密さや手の重みを評価する基準となります。

 

桂先の銀、桂頭の銀

桂馬の進行を防ぐために銀を桂馬の利き先に配置する手筋を指します。

この手筋は、相手の攻撃を巧みに受け止める防御戦術の一例であり、局面における銀の活用方法を示しています。

桂馬の特性を理解し、それに対抗する方法を知ることの重要性がうかがえます。

 

桂跳ね

桂馬を前方に進める動きを指し、その特殊な動きが「跳ねる」と表現されます。

桂馬の動きは将棋の駒の中でもユニークで、戦略的な配置変更に役立ちます。

この動きは、局面を打開するための重要な手段として機能し、攻撃のサプライズ要素としても活用されます。

 

桂のふんどし

桂馬を用いて相手の二つの駒を同時に脅かす戦術です。

この名前は、桂馬の動きがふんどしの形に似ていることから名付けられました。
将棋の戦術には面白い名前が多いですね。この技も想像力を掻き立てられます。

 

ゲームセット

対局が終了し、勝敗が決定した状態を指します。

言葉の通り、ゲームがセットされた、つまり終わった状態です。
ゲームの終わりを告げる瞬間は、どんなに緊張していてもほっとさせられます。

 

消す

盤上の駒を取ることで、それを盤上から除去する行動を指します。

これには駒を取ることや駒の交換などが含まれます。

「消す」という言葉からは、駒の存在を完全に無に帰す強い意志を感じます。

 

下駄を預ける

自分の負けがほぼ確実な状況で、形勢を整えつつ相手に手番を渡すことを言います。

自ら敗北を認める行為に似ています。

敗北を悟った時の戦略的な撤退を表す言葉は、将棋の深さを物語っています。

 

下段

将棋盤の端、特に一段目や九段目のことを指します。

戦略的に重要な位置であり、ゲームの流れを左右することがあります。

将棋盤の隅々までに戦略的意味があるのは、本当に魅力的ですね。

 

結論

特定の局面で、複数のプレイヤーが集まり手の選択を検討し、その時点で最も適切と考えられる手順や局面の評価を決めること。

この過程では、厳密には議論を超えた手の選択が「結論」として認識される。

将棋は深い思考が必要なゲームです。

 

元気が出ない

相手の攻撃に何とか対応しているが、選択している手が局面を好転させそうにないと感じる状態。

この状況では勝つことも不可能ではないが、不利を感じているため、その手を選ぶのが好ましくないとされる。

なんとも後手後手に回ってしまう状況ですね。

 

元気が出てくる

劣勢にある中で、相手の緩い手により局面が改善し、均衡が取れそうな雰囲気が漂うこと。

この状況は、不利な状況からの回復の兆しを感じさせる。

将棋は一瞬のチャンスがゲームの流れを変えることがあるという良い例です。

 

研究

ある局面について、可能な変化を探求し、それぞれの手が持つ利点や欠点を評価する行為。このプロセスは、より良い戦略を見つけ出すために不可欠である。

戦術と戦略の深い理解が求められる作業ですね。

 

研究会

特定の局面や戦術に焦点を当て、複数の人が集まって共同で検討を行う集まり。

この活動は、知識や技術の共有によって、プレイヤーが互いに成長する機会を提供する。

一人では気づかない発見があるかもしれませんね。

 

研修会

奨励会に属さないアマチュアの若手有段者が参加するリーグで、奨励会の下部組織として位置づけられている。

この場を通じて、次世代の棋士を育成することを目指している。

若い才能が磨かれる場所として、非常に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

 

現代将棋

第二次世界大戦後の将棋を指し、この時期から現代にかけての対局や、戦法、定跡の進化を含む。

現代将棋は、研究の進展により戦法が常に進化しており、その変遷を追うことは将棋の深い理解につながる。

研究の激化が戦術の多様化を促していることが伺える。

 

源平駒

黒色で表記された面と、裏面が赤色で表記されている書き駒。

このデザインは視覚的な魅力を加え、将棋の歴史や文化に色を添えている。

色の対比がゲームの視認性を高め、美的な面でも楽しませてくれる。

 

限定合い

王手を防ぐための合い駒の選択で、特定の駒を使わなければ迅速な詰みや即詰みに至る状況を指す。

詰将棋で特に重要視され、正確な合い駒の選択が求められる。

この概念は、将棋の奥深さと戦略的な思考を必要とする局面で頻繁に登場し、ゲームの醍醐味を高めている。

 

検討

生放送される将棋の対局を観戦しつつ、起こり得る手の流れを予測し、どちらのプレイヤーが優位に立っているかを評価する活動。

このプロセスは、専用の「検討室」で複数の人が集まって行われることが多い。

また、過去の対局記録を分析して、他に可能だった手順を探ることも含まれる。

このような深い分析は、将棋の理解を深める上で非常に価値があると思われる。

 

権利

将棋において、特定の手に対して相手の応手が限定されており、その手を指すタイミングを自分で選べる状況を指す。

この概念は、「○○は先手の権利」「○○は権利なので、ベストなタイミングで指したい」といった形で使われる。

この戦略的な自由度は、ゲームにおいて重要な戦術的アドバンテージを提供する。

 

公開対局

プロの将棋棋士が直接観客の前で行う対局で、テレビ中継やオンライン配信ではなく、実際に会場に来た人たちが見る形式です。

例えばJT将棋日本シリーズなどが全局公開で実施されています。

このようなイベントは、ファンにとって貴重な体験であり、棋士との距離を感じさせない魅力がありますね。

 

交換

駒を取り合った結果、双方が持駒を得ること。例えば、自分の銀で相手の桂を取り、その後相手がその銀を取ると「銀桂交換」と呼ばれます。

この用語は、戦術的な駒の価値と交換の意味合いを考える際に重要で、駒の動きと戦略の深さを象徴しています。

 

降級、降級点

プレイヤーが低いランクのリーグに下がること、及びそのリーグへの降級を決める成績基準点のこと。

降級点は、成績が悪いと加算され、一定数に達すると降級されます。

これはプレッシャーでもあり、モチベーションの源でもあると言えるでしょう。

 

皇居内決戦

昭和24年に皇居内の済寧館で行われた名人戦五番勝負の第5局目のこと。

この対局は、その歴史的背景と独特の場所での開催により特別な意味を持っています。

将棋の歴史において、特別な一ページと言えるでしょう。

 

好局

両プレイヤーが全力を尽くし、実力を存分に発揮した対局のこと。

これは単なる勝負以上のもので、将棋の魅力と奥深さ、美しさを感じさせる局面です。

真剣勝負の中にも芸術を見出すことができる素晴らしい瞬間ですね。

 

好形

駒が戦略的に有利な位置に配置されている状態。

このような形は、局面を有利に進める上で重要な要素です。

 

公式戦

プロ棋士間で行われ、成績に反映される正式な対局。

これらの戦いは、棋士のキャリアにとって非常に重要で、その成績が将来の地位に大きく影響します。

 

好手

技術的に優れ、戦術的な利点をもたらす指し手。

このような手が局面を好転させることが多く、見る者を魅了します。

 

幸便

相手の計画に対して有効な手を指し、同時に他の利点も得られる状況。

この「一石二鳥」の手は、しばしばゲームの流れを変えるきっかけとなります。

 

攻防手

攻めと守りの両方の目的を果たす指し手。

これらの手はゲームにおいて非常に価値が高く、プレイヤーにとって大きな戦術的なアドバンテージを提供します。

 

攻防の角・飛

自分の王を守りつつ、同時に相手を攻めることができる角や飛車の配置を指す。

このような役割を持つ駒は、ゲームにおいて非常に価値が高く、戦略的な駆け引きを複雑にする。まさに一石二鳥の戦術ですね。

 

高野山の決戦

昭和23年に高野山で行われた、歴史的な名人戦挑戦者決定戦。

将棋の対局が、こんなにも歴史的で文化的な場所で行われるのは、非常に興味深いと感じます。

 

国際将棋フォーラム

将棋を世界に広めるための国際イベント。

このような取り組みがあることで、将棋が世界中で楽しまれる日も遠くないかもしれませんね。

 

ココセ

相手に自分にとって都合の良い手を指してほしいと願う心理状態。

勝手に相手の手を読んでしまうことは、しばしば危険を伴うが、読みが当たった時の喜びもひとしおです。

 

小駒

王将、角行、飛車を除く駒の総称。

これらの駒は将棋の戦いにおいて地味ながらも重要な役割を果たし、しばしばゲームの流れを変えます。

 

55年組 (将棋)

1980年に奨励会を卒業し、その後輝かしい実績を残した棋士のグループ。

このような才能の集まりが一度に現れることは、非常に珍しく、将棋界に大きな影響を与えたことでしょう。

 

古将棋

平安時代から江戸時代にかけて指されていた将棋の形式。

将棋の歴史を振り返ると、その変遷と共に日本の文化も感じられるのが魅力的です。

 

後手

対局開始時に先手の次に手を指すこと。後手には後手なりの戦術があり、先手とは異なる魅力があります。

先手に対しての立ち回りは、戦略的な深さを増します。

 

後手を引く

相手に攻撃のチャンスを与えてしまうような受け身の手を指します。

この表現は、一歩遅れをとってしまう状況を指す慣用句としても用いられます。

守りに徹することのリスクを物語っていますね。

 

この一手

他に選択肢がなく、指すべき手が一つに定まる状況を指します。

「盤上この一手」とも言われ、その手を指さざるを得ない局面の重要性を示します。

選択の余地がないほど、局面は緊迫していると言えるでしょう。

 

後の先

相手の攻撃を受けつつも、それを逆手に取って先に攻めるような手を指します。

見かけ上は受けているようで、実は攻めの姿勢を崩さない戦術です。

戦略的な奥深さが感じられます。

 

コピー将棋

過去に指された局面をそのまま再現して進む対局を指します。

元々は変化をつけられない状況を揶揄する言葉でした。

同じ局面が再現されることの意外性に驚かされます。

 

小鬢

将棋盤上で王将や飛車の斜め上にあたるマスのこと。

元々は人の顔の左右の前側面の髪を指す言葉です。

将棋の世界では、独自の用語が存在するのが面白いですね。

 

将棋を遊ぶために必要な小さな道具です。

ゲームを構成する基本的な要素であり、各駒が特有の動きを持っています。

将棋の多様な戦略は、これらの駒から生まれます。

 

駒の動きの符号の略称

駒が移動する際の記号は、マスの番号、駒の種類、成りの有無で構成されますが、日常会話ではこれらの要素の一部を使って簡略化して表現されることがあります。

「2八受けるか」のような表現は、将棋を楽しむ上での便利な省略形です。

 

駒落ち

実力差のあるプレイヤー間の公平な対局を実現するために、強い方が初期配置の駒を減らして対局を始めるハンディキャップのこと。

このルールは、将棋の対局がより多くの人にとって楽しめるようにするための工夫の一つです。

 

駒音

駒を動かす際に発生する音。特に、駒を力強く指すときには「駒音高く」と表現され、その瞬間の気迫を感じさせます。

駒を指す一手一手に込められた意志が、この音によって表現されるのは、将棋の奥深さを象徴していますね。

 

駒組み

攻撃の準備や自玉の守りを固めるための駒の配置を整える段階。

この初期段階での戦略が、その後の対局の展開に大きな影響を及ぼします。

まるで戦いの前の静けさのような緊張感があります。

 

駒台

持ち駒を置く台。特に大きな将棋盤では足が付いた駒台が使われます。

この台があることで、対局中に持ち駒を整理しやすくなり、戦略の幅が広がります。

 

駒得・駒損

対局開始時と比較して、盤上と駒台を合わせた駒の総数が増えている状態を駒得、逆に減っている状態を駒損と言います。

駒の数の多少が勝敗に直結するため、非常に重要な概念です。

 

駒柱

一つの筋に沿ってすべてのマスが駒で埋まった状態。

これが成立すると縁起が悪いとされることもありますが、実際のところ根拠はありません。

将棋にまつわる面白い迷信の一つですね。

 

駒師

将棋駒を製作する職人。彼らの技術と芸術性は、将棋駒をただの道具ではなく、一つ一つが芸術品と言えるほどの美しさを持たせています。

駒師の存在は、将棋文化を支える大切な柱です。

 

駒袋

高級な将棋駒を保管する際に使用される袋。巾着式で、駒箱に収めるために使われます。

このような細部にまで気を使う文化が、将棋の深い歴史と伝統を感じさせます。

 

駒割り

対局における双方の持つ駒の数と種類のこと。

駒の損得を把握することは戦略を練る上で不可欠です。

このバランスが対局の行方を左右することがあります。

 

ごめんなさい

相手に謝罪する意を表す言葉。将棋においては、歩を打って王手を逃れる「ごめんなさいの歩」という表現があります。

このように、将棋の用語には日常生活の言葉が取り入れられていることも、その魅力の一つです。

 

コレ将

「コレカラ将棋ガイド」の略称であり、同名のサークル名も指します。

このようなグループがあることは、将棋の普及と発展に貢献していると言えるでしょう。

将棋をこれから始める人々にとって、頼もしい存在ですね。

 

怖い

将棋において、相手の強力な手や詰将棋への連続など、玉の安全に脅威を感じる状態を指します。

この言葉は、将棋の中で感じる緊張感や危機感をうまく表しています。

対局中の心理的な駆け引きが、このゲームをさらに面白くしています。

 

コンピュータ将棋

将棋をプレイするためのコンピュータソフトウェアを指し、技術の進歩により高度な戦略や手筋が可能になっています。

プロ棋士も練習や研究に利用するほどで、未知の戦型や手筋を発見することもあります。

この技術革新が将棋界に新たな風を吹き込んでいると感じます。

 

将棋用語集②(さ行~な行)はこちら

 

将棋用語集③(は行~わ行)はこちら

 

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