将棋用語集②(さ行~な行)

目次

将棋用語集

 

 

将棋用語集①(あ行~か行)はこちら

 

将棋用語集③(は行~わ行)はこちら

 

 

さ行

 

最後の望み、最後のお願い

敗勢にある側が、残されたわずかなチャンスに賭ける勝負手。

この言葉は、絶望的な状況でも諦めずに逆転を目指す精神を象徴しています。

将棋は最後まで何が起こるかわからない、希望を捨てないゲームですね。

 

最新形、最新型

近頃のプロの棋戦で頻繁に採用される新しい定跡やその変化。

常に進化する戦術によって生まれる新しい局面は、将棋が生きている証です。

この革新性が将棋の魅力を高めています。

 

最善手

ある局面で可能な中で最も効果的と評価される手。

この選択が将棋の勝敗を大きく左右します。

常に最善手を追求する姿勢は、プレイヤーの熟練度を示すとともに、深い洞察力を要求されます。

 

催促

相手に特定の行動を促すように指す手。攻め手を誘導したり、駒を取らせることで有利な局面を作り出す戦略です。

これは、相手の意図を読み取り、先読みする能力が試される瞬間です。

 

最速

攻め手の中で最も速い手順を指し、速度を重視した攻撃を意味します。

しかし、必ずしも最善ではないこともあり、スピードと効果のバランスが重要になります。

速さだけではなく、その後の展開も見据えた戦術が求められます。

 

最優秀棋士

日本将棋連盟が主催する将棋の対象内で選出される最高の賞。

この栄誉は、その年の最も優れた棋士に与えられ、その選出過程は極めて厳正です。

将棋界の最高峰に立つことの価値は計り知れません。

 

逆馬

左馬のこと

 

咲き分け駒

上部が赤く、下部が黒で書かれた書き駒。

このような駒は、将棋の美的側面を豊かにし、プレイの楽しさに彩りを加えます。

将棋は戦略だけでなく、美しさも追求される文化です。

 

作戦勝ち

序盤の駒組みが成功し、早い段階で優位に立つこと。

この勝ち方は、準備と計画の重要性を教えてくれます。

良いスタートが、その後の展開に大きな影響を与えることが多いですね。

 

刺さる

角や桂などを打って相手の駒を取ることで形勢を不利にさせる状況。

また、玉の囲い近くに複数の攻め駒が迫り、危険な状態にあることも指します。

この一手が局面を大きく左右する瞬間、将棋のドラマが生まれますね。

 

指されてみればなるほど

予想外の手が意外にも最善手に近いと感じられる瞬間。

また、大盤解説で予想と異なる手が指されたときに使われる表現。

この発見の連続が将棋の面白さを一層深めます。

 

指し掛け

対局を一時中断すること。特に2日制のタイトル戦で、1日目の終了時に行われます。

対局の続きを想像しながら待つ時間もまた、ファンにとっては楽しみの一つです。

 

指し切り

持ち時間を全て使い果たした時点での敗北、または戦力不足で攻撃が止まる状態を指します。

「切れ負け」のルールが適用される場合も。

時間管理の重要性が際立ちますね。

 

指し過ぎ

攻めが過ぎて逆に不利になること。

無理筋の手を指すことと同義です。

バランス感覚が試される局面でしょう。

 

指し手

対局中に指される手のこと。

将棋の一手一手が、勝敗を分ける重要な要素となります。

 

指しにくい

形勢が不利で、指したくない手が存在する状態。

ここからどう局面を打開するかが、プレイヤーの腕の見せ所です。

 

指しやすい・指せる

形勢が有利であるかもしれないと感じられる局面。

こう感じた時、次の一手に自信を持てる瞬間です。

 

指し込み制

以前、王将戦などの公式戦で見られた制度で、勝者が敗者に対して駒を落として戦う方式です。

このようなルールがあったことは、将棋の歴史の多様性を感じさせますね。

 

指し直し

千日手などで局面が決着しない時に、新たに対局を始めること。

将棋の深い戦略性を考えると、指し直しは戦いの再機会を与える興味深いルールです。

 

指し分け

勝ち数と負け数が同じになること。

対局の成績が均等になるというのは、競争が非常に激しい証拠でしょう。

 

指す将

将棋を指す愛好家のこと。

近年は「観る将」という、対局を観戦することに特化した愛好家も現れ、将棋文化の幅が広がっていることが伺えます。

 

錯覚

自分が有利だと勘違いして指す手。

将棋では、このような錯覚が勝負の行方を左右することがあります。

常に冷静な判断が求められる瞬間です。

 

捌く・捌き

攻め駒を効果的に活用すること。特に振り飛車戦法での飛車や桂馬の有効活用を指します。

この技術は、局面を有利に進めるために欠かせない要素です。

 

さわやかな

攻め駒の交換後、争点がクリアされてスッキリした局面。

しかし、時には駒を一掃し過ぎることが逆効果になる場合も。

局面の見通しが良くなる一方で、戦略的な判断が重要になります。

 

さよなら

攻められていた駒が退避すること。

この表現は、将棋の局面において、駒がピンチから脱出する様子をユーモラスに描いています。

 

三段リーグ

奨励会の頂点に位置するリーグで、棋士への最後の門。

このリーグを経て棋士になる道が開かれるというのは、夢に向かってひた走る若者たちにとって、まさに人生の大一番と言えるでしょう。

 

三手の読み

将棋での基本的な読み筋で、自分の手、相手の応手、そしてその応手に対する自分の次の手の3手を予測すること。

2手目での判断が特に難しく、相手の意図を理解する「相手の価値観」が重要になります。

この深い読みは、将棋が精神的な深みを持つ理由の一つです。

 

サンドバッグ状態

一方が完全に攻め込まれ、受け身の立場に立たされている状態。

このような状況から逆転することは難しく、戦略的な判断ミスが原因でこの状況に陥ることも。

将棋の残酷さと美しさを同時に感じさせます。

 

残念棒

プロの対局で1分以上考えた後に投了する際に記入される棋譜の記号。

この記号が棋譜に現れるというのは、激闘の末の結末を象徴しており、その一手の重みを感じさせます。

将棋の対局における心理的な駆け引きの濃密さが伝わってきますね。

 

幸せになれない

序盤や中盤で、将来的に不利になりそうな手があると感じ、それを指すことに躊躇する状態。

将棋はただのゲームではなく、一手一手が将来に大きな影響を与えるという事実を強く感じさせます。

 

C級

順位戦の最下位クラスで、C級2組からスタートし、その上にC級1組がある。

奨励会を卒業したばかりの棋士が最初に挑む戦いの場で、ここからのスタートが将来の棋士生活を左右することになります。

夢への第一歩ですね。

 

仕掛け

戦いを開始するための初手。多くは歩を前に進めることから始まります。

この瞬間が、対局の行方を左右する大きな分岐点になることも。

将棋は初手から緊張感に満ちています。

 

しかりつけ

飛車に対する強力な受け策で、金を使って飛車を追い払うこと。

この戦術は、防御の重要性を示しており、防ぎつつも次なる攻撃の機会をうかがう知恵が詰まっています。

 

時間攻め

相手の持ち時間を意図的に減らすことを目指した戦術。

短時間で手を指すことで相手を時間的なプレッシャーに晒します。

精神戦もまた、将棋の醍醐味の一つです。

 

地獄突き

自陣の端歩を突いて攻めること。

この技は、絶体絶命の状況から逆襲を狙う大胆な戦法で、将棋の奥深さと戦略の幅を感じさせます。

 

持久戦

双方が急速な攻撃を避け、長期にわたる中盤戦を展開する戦型。

この戦略は、忍耐と深い計算を要求され、将棋のもう一つの面白さを教えてくれます。

 

直彫駒

字母紙を使わずに直接文字を彫った駒。

この手作り感が、将棋駒への愛着を一層深め、プレイヤーにとって特別な意味を持つようになります。

手仕事の価値を再認識させてくれる一例です。

 

事件

将棋で、一手の悪手によって有利な局面が一変すること。

この表現は、一瞬の判断ミスが致命的な結果をもたらす将棋の厳しさを象徴しています。

まさに一瞬の油断が事件を招くのですね。

 

持将棋

盤上と持ち駒を点数化し、両者が一定の点数以上であれば引き分けになるルール。

この制度は、将棋にも引き分けの概念があることを示し、戦略的な深さを加えています。

勝負の世界においても、平和的解決が選択肢にあるのは興味深いです。

 

自信

将棋において、自らの手順に対する確信の欠如を表す言葉。

この用法は、将棋がいかに予測不可能で、自分の手に対する完全な自信が持ちにくいかを示しています。

自信の有無が、プレイヤーの心理状態を大きく左右します。

 

自陣

自分の領域、具体的には盤面の手前三段目までを指し、ここに敵駒が入ると駒が成ることができます。

この空間は自分の王を守る要であり、その重要性は計り知れません。

自陣の安全は、将棋における勝利への第一歩です。

 

自陣角・自陣飛車

自分の陣地に角や飛車を打つ戦術。

これは攻撃のみならず、守りやスペースの確保にも用いられる戦略的な手法です。

防御と攻撃のバランスが、将棋の奥深さを物語っています。

 

自然な手

局面に違和感なく馴染む、バランスの良い手のこと。

しかし、その手が必ずしも良手であるとは限らず、状況によっては悪手に変わり得る。

この変転性が、将棋の複雑さを示しています。

 

自戦解説

自分の対局を後から解説する行為。

この自己分析は、将棋の理解を深める上で非常に有効であり、プレイヤー自身の成長にもつながります。

自らの対局を振り返ることの重要性を教えてくれます。

 

自戦記

対局者が自分自身の対局について書いた記事。

この直接的な視点からの分析や感想は、ファンにとって非常に貴重な情報源となります。

将棋の奥深さをより深く理解できる素晴らしい資料ですね。

 

次善手

最善手に次ぐ、二番目に良い手。勝利への道を進むにあたり、最善手が見つからない時に選ぶべき手となります。

この微妙な違いが、将棋の勝敗を左右することがあります。

 

下手

駒落ち戦で相手からハンディキャップを受ける側。

このルールにより、技術的な差を埋め、より公平な対局が実現します。

将棋の寛容さと奥ゆかしさが感じられます。

 

質駒

いつでも取ることができ、事実上自分の持ち駒と同じように扱える敵の駒。

この概念は、将棋の戦略的な深みを示しています。

駒の位置ひとつで局面が大きく変わるのが将棋の魅力です。

 

じっくりさす

慎重に駒組みを行い、急戦を避けて長期戦に持ち込む戦術。

この戦型は、対局者の忍耐力と戦略的思考を要求します。

じっくりとした展開から生まれる緊張感が魅力です。

 

じっと

直接的な攻め手を控え、将来を見据えた手を選択する様子。

この静かながらも緊張感あふれる局面は、将棋の醍醐味を存分に味わえます。

深い計画と忍耐が必要とされる瞬間です。

 

実力制名人

選手権制で争われる現在の名人位のこと。過去の世襲制・推薦制から移行したことで、実力のみが名人位に至る道となりました。

この変化は、将棋界における公平性と競争の促進を象徴しています。

 

実戦

実際に行われる対局や、実際に指された手に関して言及する際に使われる用語です。

「実戦の9四角では4二歩が有力だった」という具体例が示されることも。

この言葉は、理論だけでなく、実際の戦いの中での知恵や経験の重要性を教えてくれます。

 

実戦的な手

客観的な評価に加え、心理状態や時間制限など、対局の外的要因を考慮して選ばれる手。

将棋は単に良い手を指すゲームではなく、人間の心理や状況判断が深く関わる競技だと感じさせます。

 

実戦的には

理論上の有利さとは別に、実際の対局ではさまざまな外的要素が影響することを意味します。

この表現は、将棋が単純なゲームではなく、多層的な要素を含む深い世界であることを示しています。

 

失着

局面を不利にするような手を指すこと。

この用語は、将棋の対局での小さなミスがいかに大きな影響を及ぼすかを教えてくれます。

常に注意深く局面を読む必要がありますね。

 

師弟

将棋界の伝統的な師匠と弟子の関係。

プロになるためには師匠の下で学ぶ必要があり、この制度は技術だけでなく、精神的な支えや教育の伝統を継承しています。

将棋の世界では、人間関係が非常に重要な役割を果たしていると感じます。

 

次点

奨励会の三段リーグで、プロ入りへの次のステップとなる準優勝の位置。

この制度は、将棋界での狭き門を突破するための厳しい戦いを象徴しており、夢を追う多くの若者たちにとって大きな挑戦となります。

 

指導棋士

将棋の普及や教育に携わるプロフェッショナル。

彼らの存在は、将棋を愛するすべての人々にとって、学びと成長の機会を提供してくれます。

将棋の魅力を広める大切な役割を担っています。

 

死に駒

利用価値がなくなった駒を指す言葉。

将棋は駒一つ一つが重要な役割を持っていて、その一つ一つの動きがゲーム全体に大きな影響を及ぼします。

戦略的思考が試される瞬間です。

 

死ぬ

駒がどのように動かしても取られてしまう状態。

この用語は、将棋が持つ生死をかけた戦いの厳しさを象徴しています。

戦略的な深さと複雑さが、このゲームの醍醐味ですね。

 

しのぎ、凌ぐ

相手の激しい攻撃を何とか耐え抜くこと。

この戦いでの粘り強さは、将棋がただのゲームではなく、精神力の勝負であることを教えてくれます。

 

縛り

相手玉の逃げ道を塞ぐ手法。特に持ち駒を利用して逃げ道を封じることを「待ち駒」と呼びます。

この技術は、将棋の戦術の奥深さと先読みの重要性を示しています。

 

痺れる

相手の予期せぬ優れた手によって困惑すること。

特に、想定外の手に出会った時の衝撃と驚きは、将棋の予測不可能な魅力の一つです。

 

下座

対局時に格下の者が座る位置。タイトル戦では挑戦者がこの位置に座ります。

この位置関係は、将棋の世界における礼儀と伝統を反映しています。

 

邪魔駒

自分の攻めを阻む自駒の存在。

この駒を捨てて攻めを続ける手法を「邪魔駒消去」と言います。

戦略を立てる上での障害を克服する知恵が試されます。

 

終局

対局が終わること。

このフェーズでの緊張感は、勝負の世界特有のもので、対局の結末への期待と緊張が高まります。

 

終局図

対局終了時の盤面の配置。この図は、対局の結果を一目で伝え、しばしば後学のための教材となります。

将棋の深い戦術を学ぶ上で貴重な資料です。

 

終盤

対局の終わりに近い部分。

この段階での一手一手は、勝敗を左右する重要な局面であり、プレイヤーの技術と冷静さが試されます。

 

十字飛車

飛車が縦横に利いている状態での両取り。

この戦術は、飛車の力を最大限に活用する方法として、効率的な駒の使い方を教えてくれます。

 

収束

対局が終結に向かう過程。

この段階での戦いは、最後の詰めの精度が勝負の鍵となり、心理戦も最高潮に達します。

 

渋滞

自分の駒が別の駒の進路を塞いでしまい、攻め手を進めにくくなる状態。

特に縦のラインで駒が詰まっているときに用いられます。

将棋盤上での「交通渋滞」は、計画性の重要性を教えてくれますね。

 

十枚落ち

上手が駒を十枚落として下手と対局する駒落ち戦。

このような大幅なハンデ戦は、技術差を埋めるための工夫が垣間見えるとともに、将棋の奥深さを感じさせます。

 

塾生

将棋会館で生活しながらプロ棋士を目指す奨励会員のこと。

この献身的な努力が、将来の棋士を育てる基盤となっています。

夢に向かって日々努力する姿は、まさに感動的です。

 

趣向

序盤戦で珍しい手を指し、相手を驚かせる戦術。

この「意表を突く」手法は、将棋が持つ創造性と戦略性の豊かさを示しています。

 

主張

局面において有利な点を持つこと。

将棋では、このように局面ごとの「主張」が勝敗を左右する要素になります。

戦略的な立ち位置を明確にすることの重要性が伝わってきます。

 

守備駒

王将の周りを固めるなど守りに活躍する駒。

この用語は、防御も攻撃と同じくらい重要であることを教えてくれます。

守りの堅さが勝負の行方を大きく左右します。

 

手裏剣

敵陣に打つ歩を指す比喩的表現。

この一手が、まるで忍者の手裏剣のように相手にとって予期せぬ脅威となることがあります。

将棋の戦術の中にも、こんなにも詩的な表現が存在するのが魅力的です。

 

順位、順位戦

将棋棋士のクラス分けを決める対局システム。

このシステムが、プロ棋士たちの競争を促し、常に高いレベルでの対局が行われる環境を作り出しています。

名人を目指す旅は、まさに過酷な道のりです。

 

準王手飛車

間接的な王手を狙う飛車の動き。

このような戦術が、将棋の戦いに奥行きを与えています。

 

(将棋の)純文学

矢倉囲いを含む戦法や囲いに関する表現。

将棋の手法に文学的な美しさを見出すこの視点は、ゲームの文化的な価値を高めています。

 

将棋

一般的にゲームの一種として知られる将棋ですが、対局の様子、結果、局面における適切な手、棋力、さらには棋風までを指して使われることもあります。

「彼はいい将棋をさす」などの表現は、そのプレイヤーの技術やスタイルを評価する際に使われます。

将棋はただのゲームではなく、その奥深さや多様な面があることを示していますね。

 

将棋三家

江戸時代に徳川家から扶持を受けた大橋家、大橋分家、伊藤家のこと。

将棋が社会的に認知され、支援を受けていた歴史があることが興味深いです。

これは将棋が日本文化に根ざしている証拠です。

 

将棋所

徳川家によって将棋奨励のために設けられた機関。

このように将棋が公的にも支援されていたことは、将棋の歴史的な価値と重要性を物語っています。

 

将棋大成会

日本将棋連盟の前身となる組織。

将棋界の発展に大きな役割を果たした組織として、その歴史を振り返ることは、現在の将棋界を理解する上で非常に重要です。

 

将棋の日

毎年11月17日を将棋の日として定めていることは、将棋を広く祝い、楽しむ文化があることを示しています。

この日は、将棋愛好家にとって特別な意味を持つでしょう。

 

将棋倒し

将棋をドミノのように並べて倒すことから転じて、人が次々と倒れていく事故を指す用語。

将棋が日常生活の比喩にも使われることが、その普及度を示しています。

 

将棋パズル

将棋を利用した様々なパズルゲーム。

将棋の知識や技術を楽しみながら養えるという点で、非常にユニークなエンターテインメントです。

 

将棋盤

将棋を行うための盤。

このシンプルな道具が、無限の可能性を秘めた戦いの場となります。

 

将棋類

様々な将棋ゲームを総称する用語。

将棋の多様な形が存在することがわかります。

 

将棋ソフト

コンピュータゲームとしての将棋。

技術の進歩により、リアルな対局経験が可能になっています。

 

将棋ウォーズ

日本将棋連盟が公認するオンライン対局サービス。

このサービスは、いつでもどこでも将棋を楽しめるようにし、将棋の普及に大きく貢献しています。

 

将棋栄誉賞

公式戦で600勝以上達成した棋士に授与される栄誉で、800勝を達成するとさらに将棋栄誉敢闘賞が贈られます。

この賞は、長年にわたる棋士の努力と成果を称えるもので、将棋界の高い壁を乗り越えた証です。

 

将棋道場・将棋センター・将棋サロン

将棋の対局を楽しむ場所で、席料を支払って対戦するシステムが一般的です。

ここでは棋力認定や棋士による指導も受けられるなど、将棋愛好家にとって貴重な交流の場となっています。

将棋の魅力を広める上で重要な役割を果たしていることが伺えます。

 

将棋指し

中世から近代にかけて将棋を生業としていた人々、現代では俗に将棋棋士を指します。

この言葉は、将棋が長い歴史を通じて人々の生活に密接に関わってきたことを示しています。

 

将棋ペンクラブ

1987年に設立された将棋を題材にした文章を通じてファンを拡大し、ライターを発掘・養成する目的のクラブ。

将棋文化の多面性を広める上で貴重な存在です。

 

昇級・昇段

段や級が条件を満たして上がること。

特にネット将棋では成績に応じて段級が変動するシステムがあります。

この制度は、将棋の技術向上を目指すプレイヤーにとって大きなモチベーションとなります。

 

昇級ライン

順位戦や三段リーグにおける昇級の勝敗ライン。

勝ち星が集中すると昇級ラインは高くなり、勝敗が分散すると低くなる傾向があります。

このラインをめぐる熾烈な競争は、プレイヤーの努力と熱意を象徴しています。

 

小将棋

室町時代に指されていた古将棋の一種。

将棋の歴史を紐解く上で、このような古い形式の将棋を知ることは、現代将棋への理解を深める手助けとなります。

歴史の中で進化してきた将棋の形を見るのは、とても興味深いです。

 

勝勢

局面が非常に有利な状態を指します。ただの「優勢」よりもさらに強い表現で、勝利がほぼ手中にあることを意味します。

この状態になれば、心理的にも相手に大きなプレッシャーを与えることができます。

 

定跡

過去の対局や研究に基づき、序盤の駒組みや主要局面での最善とされる手順。

新しい手が発見されると「定跡が覆される」と表現され、将棋の戦略が常に進化していることを示します。

定跡の変遷は、将棋が静的ではなく動的なゲームであることを物語っています。

 

焦点

複数の駒が利き合う重要な地点。

通常、駒を犠牲にする際に使用されます。

「焦点の歩に好手あり」という表現は、戦略的な深みと緻密な計算を要求される将棋の面白さを教えてくれます。

 

消費時間

対局中に使われる持ち時間のこと。

消費時間の管理は、対局の成否に大きく影響するため、時間配分の重要性が際立ちます。

 

上部開拓

相手陣の駒を取りながら、特定の範囲を制圧する戦術。

特に入玉戦略の際に重要となり、局面を有利に進めるための鍵となります。

 

勝負形

形勢が傾いているものの、まだ逆転の可能性が残されている局面。

ここには、優勢な側にも心理的なプレッシャーがあることが示されています。

この局面からの逆転は、将棋のドラマティックな魅力を高めます。

 

勝負勝負でいく

不利な形勢から開き直って、相手を迷わせる攻め手を連続で指す戦略。

この大胆な振る舞いは、将棋がただの知的ゲームではなく、精神力の勝負であることを教えてくれます。

 

勝負手

逆転を狙って指される大胆な手。この手が成功するかどうかで、対局の運命が大きく変わることがあります。

勝負手を指す勇気が、将棋の醍醐味を引き出します。

 

勝負所

対局の中で最も重要な局面。

ここでの一手が勝敗を分けるとされ、プレイヤーの判断力と勇気が試されます。

将棋はこのような瞬間に、その真価を発揮します。

 

将来

将棋の局面でこれから起こりうる展開。将来の王手飛車を消す手など、先を見越した戦略が求められます。将棋は、現在だけでなく未来を見据える知的な挑戦です。

 

昇龍

将棋の駒の書体の名称の一つです。これは駒に彫られた文字のデザインを指し、力強く華麗な印象を与えるスタイルです。

一見して、その名の通り、駒が盤上で龍のように昇っていく勇姿を想像させますね。

 

初手

将棋対局で最初に行われる一手のことを指します。

これは先手プレイヤーが行う第一手目のことで、対局の展開において非常に重要な役割を果たします。

まるで物語の第一章を開くかのような、わくわくする瞬間です。

 

序盤

対局が開始されてから作戦が決まり、態勢が整うまでの初期段階を指します。

この段階での戦略の立て方が、その後の対局に大きな影響を及ぼします。

序盤を制する者が対局を優位に進める、とも言われるほど、序盤の巧みな立ち回りは重要ですね。

 

女流棋士

女性の将棋プレイヤーを指し、女流育成会や女流棋士会といった組織が彼女たちのサポートを行っています。

これらの組織は、女性プレイヤーの育成や活動の場を提供し、将棋界における女性の地位向上に寄与しています。

女性ならではの繊細かつ大胆な戦術で、男性棋士にも引けを取らない魅力的な対局が多く見られます。

 

将棋の駒が置かれた盤上の直下の地点を指します。

また、尻金や尻銀は、特定の駒を玉の直後ろに配置する戦術やその配置を指し、対局の決定的な一手になることがあります。

直接的で力強い攻撃手法であり、相手にとっては非常に厄介な状況を生み出しますね。

 

指了図

新聞などで将棋の対局の棋譜が数日にわたって掲載される際に、その日の掲載分の最後の局面を示す図のことです。

対局の途中経過を追いやすくするための工夫であり、読者が戦況を一目で理解できるようにする役割があります。

まるで物語の一コマ一コマを追うかのように、日々の変遷を楽しみにするファンにとっては欠かせない情報源です。

 

陣形

将棋の盤上での駒の配置を指します。

特に序盤における駒の配置は、その後の対局の方向性を大きく左右するため、陣形をどう構築するかは非常に重要な戦略の一つです。

各プレイヤーの個性が反映され、対局の醍醐味の一つとなっています。

 

陣形や戦法

将棋界内で親しみを込めて使われる俗な略称が多く存在します。

例えば、「米長」は米長邦雄氏が用いた特定の玉の配置を指し、安定感のある堅固な陣形です。

一方、「居飛車穴熊(いびしゃあなぐま)」や「振り飛車穴熊(ふりびしゃあなぐま)」は、穴熊戦法のバリエーションを指し、守りを固めつつチャンスをうかがう戦術です。

「相穴熊」は双方が穴熊戦法を採用した状況を指します。

他にも「石田流」や「ゴキゲン中飛車」など、プレイヤーの個性や戦術の特徴を捉えたユニークな名称が多く、将棋の戦術の多様性と奥深さを物語っています。

これらの略称を通じて、将棋が持つ文化的な豊かさや、プレイヤー間の共有された認識が感じられるのは、非常に興味深いですね。

 

真剣師

賭け将棋を通じて生計を立てる将棋指しのことを指します。

このような生活を送る人々は、将棋の腕前だけでなく、精神的な強さも必要とされるでしょう。

彼らの存在は、将棋がいかに人々の生活に密接していたかを物語っています。

 

新進棋士奨励会

将来のプロ棋士を育成するための組織です。厳しい訓練と試験を経て、頂点を目指す若き才能たちが日々研鑽を積んでいます。

夢を追う彼らの姿は、多くの将棋ファンにとって大きな魅力となっています。

 

慎重

将棋において一手一手を丁寧に、慎重に進める姿勢を表します。

この態度は、将棋が持つ深い思考と戦略を要するゲームであることを示しており、一手の重みを改めて感じさせます。

 

陣屋事件

昭和27年に起きた王将戦での升田幸三氏の対局拒否事件です。

この出来事は、将棋界におけるルールや倫理に関する大きな議論を呼び起こしました。

将棋の歴史において、重要な転換点となった事件です。

 

新手

序盤における定跡にない新しい手のことを指し、将棋の戦術や理論の進化に寄与しています。

このような新しい手法の探求は、ゲームの深化と発展を促し、常に新鮮な挑戦が存在することを示しています。

 

新四段

プロ棋士としてのキャリアをスタートしたばかりの段階を指します。

三段リーグを突破し、最初の公式戦に参加してから2年以内で、まだ五段に昇段していない棋士のこと。

この時期は、彼らにとって夢への第一歩であり、今後の成長が非常に楽しみな段階です。

新たな才能の登場は、将棋界に新しい風を吹き込むことでしょう。

 

スイス式トーナメント

参加者全員が最後まで戦い続けることができるトーナメント方式です。

初戦は抽選により対戦相手が決まり、その後は勝ち星や実力が近い者同士で対戦します。

この方式は公平性が高く、実力を正確に反映した結果を導き出すために有効です。

実力の差が大きい参加者がいても、それぞれが自分に合ったレベルで戦えるのが大きな魅力です。

 

推薦制名人

明治時代から実力制名人に移行するまでの期間に存在した名人位のことを指します。

この時代の名人は推薦によって選ばれており、将棋の歴史の中で特定の変遷期を象徴しています。

将棋界がどのように進化し、制度が変わってきたのかを考えると、非常に興味深いですね。

 

推理将棋

対局を直接見ずに、会話のみからその局面を推理する遊びです。

このゲームは、将棋の知識だけでなく、想像力や推理力も駆使する必要があり、知的な楽しみを提供します。

将棋の魅力をまた異なる角度から楽しむことができる、ユニークな遊びです。

 

スースーする

玉の安全を脅かすような状態を指します。

特に、玉のいる段に飛車が打ち込まれると、即座に王手をかけられる危険性があります。

この表現は、将棋盤上での緊張感を的確に伝える言葉ですね。

 

姿焼き

囲いは残っているものの、攻め手が尽きて敗勢に陥っている状態を指します。

特に穴熊囲いで用いられることが多いです。

見た目は安全そうでも、実際は勝ち目がない状況を表す言葉で、将棋の奥深さを感じさせます。

 

スカスカ

盤面の特定の範囲が非常に守りが薄い状態を指します。

この状態では、攻め込まれると大きなリスクを負うことになります。

「玉頭がスカスカ」と表現されると、その局面の危険性が伝わってきます。

 

直(すぐ)

棋譜における特定の表記方法を指し、複数の駒が同じ動きをする場合に、特に金・銀やその成り駒が真っすぐ前に進む動きを示します

 

金の、玉のスクワット

とは、将棋で特定の状況下で見られる独特の動きです。

将棋には自分の手番をパスするルールがないため、戦況に変化を与えずに相手の手を促したいとき、金や玉を前後に小さく動かすことで実質的なパスを行う手法です。

この上下運動は、まるでスクワット運動のように見えることからこの名前がつきました。

実際には局面を動かさずに相手の出方を伺う、独特の戦術ですね。戦術の名前に日常的な運動が使われているのが面白いです。

 

将棋盤の横軸の列番号や駒の利きのラインを指すだけでなく、将棋の手法や戦略における「理にかなった手順」や「素質・才能」をも意味します。

また、一度優勢になるとその利が一直線に拡大していく状況を指す場合もあります。

この多面的な用法は、将棋が単なるゲームではなく、深い思考と洞察を必要とする芸術であることを示しています。

将棋の世界では、一手一手が大きな意味を持ち、その背後には深い戦略が隠されているのです。

 

筋中の筋

特定の局面で「この手しかない」という状況を表す際に使われる表現です。

感想戦などで用いられ、その手の選択が如何に重要であったかを示します。

将棋は選択の連続であり、時にはその中で最も優れた手を見つけ出すことが求められる、まさに知的な闘いです。

 

筋悪

理にかなっていない、あるいは効果的でない手法を指します。

逆に「筋違い角」は、角の本来の利きではない方向に活用する戦術を指し、創意工夫が光る手法です。

これらの表現からは、将棋における多様な戦術や、それぞれの手が持つ特性と重要性が伝わってきます。

 

「裾狩り金」「裾銀」

とは、相手の玉の直後ろに金や銀を打ち、飛車や龍と連携して玉を追い込む戦術を指します。

この手法は、相手の玉を効果的に追い詰めるために用いられ、将棋の攻めの技術の深さを示しています。

 

スタンプ駒

文字がスタンプで押されて作られた駒のことを指し、将棋駒の多様な製造方法の一つです。

このような駒は、手軽に製造できる一方で、使用する際には独特の風合いを楽しむことができます。

 

捨てる

攻めのために自ら駒を犠牲にする行為を指します。

この中で、「ただ捨て」は単純に駒を相手に渡すこと、「成り捨て」は成駒を故意に取らせることを意味し、戦略的な深さを加えます。

この用語からは、将棋が単なる駒の取り合いではなく、より大きな目的のために犠牲を払う深い戦略のゲームであることが伝わってきます。

戦略的な犠牲を伴う決断が、勝利へのカギとなることがあるのは、非常に興味深いですね。

 

捨て合い

特定の局面で相手の複数の駒に対して敢えて駒を捨てるテクニックです。

この行為は、相手の攻撃を妨げる、手数を稼ぐ、あるいは局面を有利に導くために利用されます。

将棋においては、一見損に見える行動が実は大きな利益を生む戦略的な一手になることがあり、その奥深さに驚かされます。

 

素抜き

遠くに利く駒を活用して、その間にある駒を取る技術を指します。

このテクニックは、相手の配置を巧みに利用し、価値のある駒を獲得するために用いられます。

遠方からの攻撃という将棋の特性を活かした戦術で、予測不能な展開を生み出すことができます。

 

スピードアップ

終盤に向けて局面を急速に進め、相手玉に迫る戦術を指します。

ここでの駒の犠牲は、大局的な勝利を目指すためのもので、局面の流れを自らの有利に導くための手段です。

この戦略は、時には相手の攻撃を早めるリスクも伴いますが、勝負を決めるための大胆なアプローチと言えるでしょう。

 

すりよる

成金、金、馬などの駒が横に動いて相手玉に近づき、脅威を増す行動を指します。

この表現は、駒がまるで生きているかのように相手に近づく様子を擬人化しており、将棋の駒一つ一つに戦略的な価値があること、そしてそれらを駆使する楽しさを感じさせます。

駒が盤上で「すりよる」様子は、まるで緊張感あふれるドラマのようですね。

 

清算

将棋の盤上で特定のエリア内で駒の取り合いが行われ、結果的にそのエリアから駒がなくなり、双方が持ち駒を得る状態になることを指します。

この現象は、将棋の戦いが一つの節目を迎え、新たな局面に移行する瞬間を象徴しています。

清算後の盤面は、まるで戦いの痕跡を消し去り、新たな戦いの準備が整ったかのように見えます。

戦略的に持ち駒を増やし、次の一手を考える際の重要なターニングポイントですね。

 

贅沢な

持ち駒を多用して攻めを行う様子を指し、特に価値の高い駒を次々と使用することを意味します。

この戦略は、攻撃を最大化するための豊富な資源を活用することで、相手に圧倒的なプレッシャーを与えます。

まるで戦場での豪華な花火のように、壮大で効果的な攻めが展開されるのが魅力的です。

 

成立する

ある仕掛けや戦術が成功し、その結果として局面が有利または互角に進展することを指します。

この用語は、戦術の有効性を測る基準として重要であり、将棋の戦いにおいて計画的な手順がいかに重要かを示しています。

まるで科学実験で理論が実証される瞬間のように、戦術が成立する瞬間は、その美しさに感嘆させられます。

 

席主

将棋道場やセンターを運営する責任者のことです。

この役割は、将棋文化を支え、多くの将棋ファンやプレイヤーにとって重要な場を提供することにあります。

まるで将棋の世界の舞台裏を支える重要な存在であり、彼らの努力がなければ、将棋界の発展はあり得ません。

 

世襲制名人

推薦制から実力制に移行する前の名人制度を指し、名人の地位が世襲によって受け継がれる制度でした。

この制度は、将棋の歴史の中で一つの時代を象徴しており、名人位の価値とその継承方法について考えさせられます。

将棋の世界も、時代と共に変化し進化していくことが感じられますね。

 

世代

棋士を年齢やプロ入りからの年数で区分する方法です。

これは、棋士の技術や戦術が、その世代の特徴や流行によって影響を受けることを示しています。

棋士たちの背景には、師弟関係や時代背景など、様々な物語があり、それぞれの世代が将棋界の歴史に独自の色を加えていることが伺えます。

 

雪隠詰め

将棋の玉を盤の四隅のどれかに追い詰め、詰める手法を指します。

この詰め方は、角張った盤の隅を利用して玉を逃がす場所を限定し、勝負を決定づける戦術です。

四隅を利用した戦略は、将棋の盤面全体を見渡しての緻密な計算が必要とされ、戦術の巧みさが光る瞬間ですね。

まるで盤上の迷宮で追い詰めるかのような戦術は、非常に戦略的で魅力的です。

 

ゼ・Z(ゼット)

自玉がどれだけ駒を失っても絶対に詰まない状態、または特定の駒を相手に渡さなければ詰まない状態を指します。

この用語は、将棋の局面における安全性を示す指標として使われ、防御戦術の深さを感じさせます。

「桂馬Z」「金駒Z」などの具体例は、局面を読む際の重要な考慮点となり、戦略的な布陣の重要性を教えてくれます。

この概念は、将棋がただの攻め合いだけでなく、防御の技術も同じくらい洗練されていることを示しています。

 

絶対手、絶対の応手

ある局面で、その手を指さなければ不利になる、または負けになるとされる指し手を指します。

この用語は、局面の緊迫感を高め、一手の重要性を際立たせます。

将棋は一手の選択で大きく運命が変わることがあり、その判断の難しさと重要性を物語っています。

まさに、一瞬の判断が全てを決める瞬間ですね。

 

絶妙手

そのタイミングで指された一手が勝負の流れを大きく左右する、非常に重要な手を意味します。

この手が指されることで局面が有利に進むことが期待され、まるで盤上の芸術作品のような美しさがあります。

一手が持つ可能性の大きさと、その選択の見事さにはいつも驚かされます。

 

節約

将来の展開を見越して、より経済的な手段を選択する戦略です。

高価な駒を使わずに、安価な駒や駒を使わずに局面に対応することで、資源を有効に活用します。

将棋における節約の概念は、資源管理の重要性を教えてくれると同時に、戦略的な深さを増します。まるで、将棋が一つの経済学であるかのようです。

 

狭い

将棋盤上で玉や他の駒が動ける場所が限られている(逃げられるマスが少ない)ことを意味します。

この状態は、プレイヤーにとって非常に厳しい局面を生み出し、次の一手を慎重に選ばなければなりません。

まるで、追い込まれた状況から巧みに脱出する脱出ゲームのような緊張感がありますね。

 

攻め・攻め将棋

積極的に相手を攻め立てる棋風を指します。

このスタイルを採るプレイヤーは、常に相手にプレッシャーをかけ、優位に立つチャンスをうかがっています。

攻め将棋は、見ている方にもエキサイティングな展開を提供し、将棋の醍醐味を存分に楽しませてくれます。

 

攻め味

相手の玉を効率よく危険な状況に追い込めるかどうかを示す指し手の有無です。

この概念は、局面を有利に進めるための手段をどれだけ持っているかを表し、戦略の豊富さと柔軟性が要求されます。

攻め味がある局面は、将棋の真髄を味わえる瞬間であり、その緊迫感と可能性に満ちています。

 

ゼロ手

実質的に手数を増やすことなく一手得をする状態を指します。

この状態では、相手が必ず対応しなければならないため、自分の手数を有利に進めることができます。

ゼロ手を上手く利用することは、将棋の局面を巧妙に操る上で重要な技術であり、戦術の緻密さを感じさせます。

 

全軍躍動

攻め駒がほぼ全て有効に機能しており、手の流れが非常に良い状態を意味します。

この表現からは、盤上での駒の活躍が目に浮かぶようで、全ての駒が一丸となって戦っている様子が想像できます。

全軍躍動の局面は、将棋がチームワークのスポーツであるかのような協力と調和の美しさを見せてくれます。

 

先後同型

将棋において先手と後手の両者の陣形が完全に同じになる状況を指します。

このような局面では、双方が鏡像のように同じ動きをしているため、戦略的な優位を得るための独創的な一手が求められます。

この現象は、将棋の奥深さと、プレイヤーの創造力を試す面白い局面を生み出しますね。

まるで、完全なるバランスの上での精神的な駆け引きが見えるようです。

 

宣言法

正式には入玉宣言法とは、将棋において自分の玉が一定の条件を満たすことで勝利を宣言できるルールです。

このルールは、終盤における無駄な消耗戦を避け、公平な勝敗を決定するために設けられています。

宣言法は、戦略的な思考だけでなく、適切なタイミングでの判断力が求められる、非常に高度な戦術の一つです。

将棋の深い理解と緻密な計画が実を結ぶ瞬間ですね。

 

全駒

相手の玉を除く全ての駒を奪うことを指します。

しかし、実戦では全駒になる前に投了するか、詰め手を指すのが一般的なマナーとされています。

全駒を目指す局面はほとんど見られませんが、その背後には、将棋の精神性と対局における礼節が重んじられていることが伝わってきます。

将棋はただのゲームではなく、相互の尊重が根底にある文化なのですね。

 

扇子

将棋の対局中に棋士が使用する小道具で、様々な使い方があります。

扇子を使った行動一つ一つには、プレイヤーの個性や心理が反映され、対局をよりドラマティックに彩ります。

扇子をパチンパチンと鳴らす行為は議論の余地がありますが、これも将棋の世界の多様性を示しています。

扇子を通じて、将棋の対局が単なる頭脳戦だけでなく、心理戦や文化的要素を含んでいることがわかります。

 

先手をとる

相手に受けざるを得ない手を指し、その結果として再び自分の手番が来ることを意味します。

この戦術は、局面をコントロールし、相手をリードするための重要な戦略です。

先手を取ることのできるプレイヤーは、ゲームの流れを自らの意のままに操ることができると言えるでしょう。

まさに、将棋は先を読む知略の競技であり、その先読みが勝敗を左右する鍵となります。

 

先手後手の呼称

将棋対局においてプレイヤーの立場や戦略を指すために使われます。

先手と後手を中立的に使うことは、局面解説において公平性を保つための重要な慣習です。

また、対局者の名前やタイトル、さらには特定の戦型や陣形を使って局面を説明することもあり、これは将棋が持つ豊かな戦術や戦略を表現するための手段となります。

将棋の世界では、これらの呼称を通じて、対局のダイナミクスやプレイヤー間の心理戦が細やかに表現されるのが面白いですね。

まるで、言葉一つ一つが小さな物語を紡ぎ出しているかのようです。

 

千日手

同一局面が何度も繰り返され、勝負が決まらない状況を指します。

このルールは、対局が永遠に続くことを避け、公平な解決を図るために存在します。

千日手になると、対局は無勝負となり、指し直しになります。この状況は、将棋がただのゲームではなく、戦略と心理戦の究極の形であることを物語っています。

局面がループするという現象は、まるで時間の螺旋を歩いているかのような不思議な感覚を与えてくれます。

 

千日手含み

少し不利な局面で、相手の次の手次第で千日手を目指す戦術です。

この手法は、局面をリセットするチャンスをうかがいながら、戦況を有利に進めようとする巧妙な策略を示します。

千日手を戦略の一部として考えることは、将棋の戦いがいかに多面的であるかを教えてくれます。

まるで、将棋盤の上の駆け引きが、時間と空間を超えた戦いであるかのようです。

 

前例

以前に現れたことのある同一局面を指し、これを参照することで戦術や戦略を練ることができます。

前例を引くことは、将棋の深い歴史と伝統を反映し、過去の対局が現在の戦いにどのように影響を与えるかを示しています。

将棋は単なる現在の戦いではなく、過去から紡がれた知恵の集積であることがわかります。

過去の局面を研究することで、プレイヤーは新たな戦略を見出すことができ、それはまるで時を超えた対話のようです。

 

双玉駒

通常の将棋セットにおいて、王将と玉将が各1枚ずつ含まれる中で、玉将が2枚含まれている特別なセットを指します。

この種類の駒セットは、特定の対局や練習用に用いられることがあり、将棋の伝統と革新が共存する面白い例です。

二つの玉将を持つことで、様々な局面を想定したり、特別な練習を行うことが可能になります。

まるで、将棋の世界にも「カスタマイズ」の概念があるかのようですね。

 

即詰み

ある局面において、正しい手順を選択すれば、相手のどんな反応をしても確実に詰めることができる状況を指します。

この状態は、詰め手の発見や、局面の正確な分析が鍵となり、将棋の醍醐味である緻密な計算と洞察力を要求されます。

即詰みを宣言できる瞬間は、まるで複雑なパズルを解き明かした時の達成感に似ています。

勝負の世界において、究極の一手を見つけ出す瞬間は、プレイヤーにとって最高の喜びの一つでしょう。

 

俗手

直感的に思いつきやすい、誰もが考えるであろう手を指します。

この用語は良い意味でも悪い意味でも使われ、局面に応じて最も簡潔で効果的な手が俗手であることもあります。

将棋においては、高度な戦術や複雑な計算も重要ですが、時にはシンプルな手が最も強力な武器になることがあります。

俗手が好手となる瞬間は、将棋の深い戦略性と直感の重要性を同時に感じさせます。

まるで、将棋が教えてくれるのは、「時にはシンプルが最良」という人生の教訓のようです。

 

即詰み

手数に関わらず、王手の連続で詰めることを意味します。

この概念は、局面を支配し、相手に逃げ場を与えない状況を作り出すための技術を示しています。

将棋の詰め将棋のような局面では、プレイヤーの理解と洞察が試され、一手一手が緊迫したドラマを生み出します。

即詰みの局面を作り出せるプレイヤーは、まさに盤上の魔術師と言えるでしょう。

 

速度計算

双方が攻め合った場合に、どちらが先に相手の玉を詰めることができるかを予測する戦術的思考を指します。

この計算は、駒の損得を無視して、純粋に詰めに至る手数のみを考慮します。

速度計算は、将棋の対局において非常に重要な要素であり、攻めのタイミングや戦略を決定づけるために用いられます。

まるで、盤上のレースを繰り広げているかのような興奮を感じさせますね。

 

底歩

自分の陣地の最前線、つまり9段目または1段目に歩を打つことを指します。

この戦術は特に、敵の飛車の横利きを遮る目的で用いられ、「金底の歩、岩より固し」と評されるほど強固な守りを構築します。

この表現からは、残躯な歩が実は強大な力を発揮することが伺え、将棋の奥深さを感じさせます。

 

そっぽ

前線とは反対の方向、つまり戦いの中心から離れた場所を指します。

例えば、「金がそっぽに行ってしまった」とは、金が戦いの主要な場から離れてしまった状況を表します。

この用語は、局面の変化や予期せぬ動きに対する表現として使われ、将棋のダイナミックな展開を物語っています。

 

袖飛車

飛車を初期位置から左横に1筋だけ移動させて指す戦法です。

この戦法は居飛車の一種であり、攻めの準備や布陣の変化に富んだ展開を可能にします。

袖飛車を用いることで、相手に予測しづらい攻めを仕掛けることができ、戦術の多様性を楽しむことができます。

 

~損

自分の駒が相手より数的に少なくなっている状態を指し、例えば「銀損」や「桂香損」などと表現します。

この用語は、局面評価において駒の数的不利を明確にするために使われ、戦略的な意思決定に影響を与えます。

駒損を如何にして戦術的な利益に変えるかは、将棋の醍醐味の一つです。まるで、不利な状況を逆転する知恵の競技のようですね。

 

 

た行

 

第一感

将棋の局面を見た瞬間に最初に思いつく手、あるいはその局面に対して抱く直感的な印象を指します。

この直感は、プレイヤーの経験や感性に基づいており、しばしば重要な意思決定の起点となります。

第一感が導く手は、時に予想外の展開を生み出し、対局に新たな風を吹き込むことがあります。

まるで、将棋が直感と論理の融合であるかのように、第一感の大切さを思い出させてくれますね。

 

退会

奨励会員が奨励会を脱退すること、またはプロ棋士が日本将棋連盟から脱退することを指します。

退会は、個々の棋士にとって大きな転機であり、その後のキャリアに影響を与えます。

引退とは異なり、プロ棋士が日本将棋連盟の構成員であり続けることが通常ですが、退会は新たな道を歩む決断の表れです。

この決断には、将棋にかける情熱と、人生の新たな章への期待が込められています。

 

対局

二人のプレイヤーが将棋盤に向かい合って行う将棋の試合のことです。

対局は、戦略的思考と心理戦が交錯する、将棋の魅力が凝縮された時間です。対戦者それぞれが練り上げた戦術を駆使し、勝利を目指して戦います。

この一対一の勝負は、まるでチェスのように、深い思考と緻密な計画が求められる知的な闘いです。

 

大局観

局面の一部にとらわれず、将棋盤全体を俯瞰して形勢を判断する能力を指します。

この視点は、部分的な利得を超えた、より大きな戦略を立てる上で不可欠です。

大局観を持つことは、棋士が持つべき重要な資質であり、局面の流れを読み解き、勝利へ導く鍵となります。

まるで、将棋が大きな絵画を描くことに似ているとも言えるでしょう。

 

対局時計

持ち時間制の将棋対局で使用される、対局者双方の持ち時間を計測する時計です。

この時計は、対局の公平性を保ち、戦略的な時間管理を可能にします。

考慮中のプレイヤーの時計だけが進み、手を指すと相手の時計が進むという仕組みにより、タイムマネジメントが対局の重要な要素となります。

このシステムは、将棋のみならず多くの競技で見られる、時間というリソースを巧みに使いこなす必要性を教えてくれます。

 

対抗形

将棋において居飛車と振り飛車が対峙する局面を指します。

この形式は、異なる戦型の駒組みが対立することで、戦略の多様性と対局の魅力を高めます。

対抗形の局面では、プレイヤーの個性と戦略が鮮明に現れ、観る者にとっても分析の楽しみが増します。

まるで、将棋が提供する無限の可能性の窓を開くかのようですね。

 

対抗形党

居飛車を取るか振り飛車を取るかを相手によって決めるスタイルを好む人々のことです。

このアプローチは、アマチュアの間で一定の割合で見られ、対局の前に戦型を選択することで、戦略的な幅を広げる意図があります。

この柔軟性は、将棋がただのゲームではなく、個々のプレイヤーの戦術的な表現の場であることを示しています。

まるで、盤上でダンスをするかのような自由さが感じられます。

 

太閤将棋

上手が飛車先の歩を落として指す駒落ち戦を指します。

この形式は、力の差を調整し、より公平な対局を実現するために設けられています。

太閤将棋は、プレイヤー間の技術差を補いつつ、戦略的な深みを追求する機会を提供し、将棋の教育的な側面を強調します。

まるで、将棋が公平性と挑戦の精神を教えてくれる師であるかのようです。

 

「泰将棋」「大将棋」

古将棋のバリエーションで、それぞれ異なるルールと駒の種類を持ちます。

「泰将棋」は25×25の盤上に354枚の駒を用い、特に強力な駒を含むことが特徴です。

「大将棋」では15×15の盤上に130枚の駒を使い、中将棋に比べてさらに多くの駒種が登場します。

これらのバリエーションは、将棋の歴史の深さと、ゲームとしての豊富な表現力を示しています。

まるで、将棋が時代を超えて進化し続ける生きた伝統であることを教えてくれます。

 

大々将棋

古将棋の一種で、17×17の広大な盤上で、64種類の駒を使い、合計192枚の駒が配置されるという壮大なゲームです。

自陣・敵陣の概念がなく、敵駒を取ると強制的に成るというルールや、左右非対称性が強い点、成れない駒が多いのが特徴で、将棋の原型を感じさせる独特の戦略性を持っています。

この複雑さと多様性は、まさに戦略ゲームの究極形とも言えるでしょう。

まるで、過去の戦いを現代に再現するかのような、時間を超えた対局の魅力がありますね。

 

タイトルとタイトル戦

将棋界における最高の栄誉とされる称号です。特定の棋戦で番勝負に勝利し、そのタイトル保持者となることができます。

名人戦をはじめとする各タイトル戦は、将棋界の歴史や伝統を象徴し、プロ棋士にとっての最大の目標の一つです。

タイトル保持者としての称号は、その棋士の技術や精神力が高く評価されている証であり、将棋界の歴史にその名を刻むことになります。

このシステムは、将棋がただのゲームではなく、文化や伝統を継承する場であることを示しています。

 

大変、大変な将棋、まだまだ大変

対局が終盤に差し掛かっているものの、勝敗がはっきりしない状況を表します。

これは、両者が互いに譲らず、高いレベルでの戦いが続いていることを意味し、観る者にとっては非常にドラマティックな展開を楽しむことができます。

このフレーズは、将棋の対局が持つ予測不可能な展開と、最後まで緊張感が持続する魅力を表しています。

 

逮捕

大駒が小駒に囲まれて、動けば取られてしまう状態を指します。

この状況は、戦略的に重要な駒を有効に活用できなくすることで、相手の攻撃力や防御力を大きく低下させることができます。

逮捕された駒は、まるでチェスのピンと同様に、戦局に大きな影響を及ぼします。

この手法は、戦略ゲームの醍醐味を存分に味わうことができる要素の一つです。

 

退路封鎖

敵玉の逃げ道を塞ぐために自分の駒を犠牲にして、相手に取らせることで玉の逃げ道を塞ぐ手筋です。

この技術は、相手玉を追い詰めるための重要な戦略であり、局面を有利に導くための決定的な一手となり得ます。

まるで、相手を追い詰めるための緻密な罠を仕掛けるかのような、戦略的な駆け引きの美しさがありますね。

 

打開する

千日手になりそうな状況から脱出し、千日手を避けて別の手段を選択する行為を指します。

この選択は、局面を動かし、新たな局面へと導くための重要な判断であり、対局の流れを変えるための一手となります。

打開することで、対局に新たな息吹を吹き込み、勝負を有利に導くことができるでしょう。

まるで、閉ざされた道を切り開く冒険家のような勇気と知恵が求められます。

 

高い駒/安い駒

駒の価値を示す表現で、飛車角金銀などの重要な駒を「高い駒」とし、桂香歩などの相対的に価値の低い駒を「安い駒」と呼びます。

駒の価値を理解し、それに基づいた戦略を立てることは、将棋の基本中の基本であり、対局において重要な要素です。

この概念は、資源の価値を理解し、最適に活用することの大切さを教えてくれます。

 

高飛車

飛車が自陣から見て三段目を超えて前進し、攻撃態勢を取る配置を指します。

特に五段目に位置する飛車のことを言い、積極的な攻めの姿勢を示します。

この戦法は、前線で積極的に戦う姿勢が特徴で、対局にダイナミックな展開をもたらします。

高飛車の姿勢は、積極性と勇気を象徴し、将棋の攻めの醍醐味を存分に味わうことができます。

 

高美濃

通常の美濃囲いよりも高い位置に陣形を構築することで、より堅固な守りを目指す陣形囲いです。

この囲いは、相手の攻撃に対して強固な防御力を発揮し、玉の安全を確保します。

高美濃囲いを構築することで、対局において安定した防衛基地を築き上げることができるでしょう。

まるで、盤上における堅牢な城を築く建築家のような技術と創造性が求められます。

 

ダイヤモンド美濃

金銀4枚を使って斜めにダイヤ型に連携し、形成される美濃囲いのバリエーションです。

この囲いは、見た目の美しさと実用性を兼ね備え、玉の堅固な守りを提供します。

ダイヤモンド美濃は、守りの美学と戦略的深さを象徴する配置であり、将棋盤上での創造性の素晴らしい例です。

まるで、守りの中にも攻めの心を忘れない、バランスの取れた生き方を教えてくれるようです。

 

凧金

角の利きを活用して金駒を盤面中央に進出させる戦術を指します。

この戦術は、特にひねり飛車戦において有効で、積極的な中盤戦の布石となります。

凧金は、将棋が持つ無限の可能性と、一見地味な駒でも大胆に活躍できるチャンスがあることを示しています。

まるで、どんな駒でも主役になれる機会があると教えてくれる戦術です。

 

「足し算、足し算の攻め」

一定のマスに対する自分の駒の利きを、相手のそれよりも多く集めることで、そのマスを突破する戦術を指します。

この戦法は、駒の数の優位を生かした直接的な攻め方であり、数の力を駆使して局面を打開する方法です。

足し算の攻めは、将棋が単なる頭脳戦だけではなく、力のバランスとその操作にも大きく依存していることを示しています。

まるで、数学の問題を解くような論理性と、その解答を実生活に応用する知恵が求められます。

 

打診する

序盤の駒組みの中で、相手に特定の陣形を取るかどうかを確かめさせるために指す手を指します。

打診することで、相手の戦略を早期に明らかにし、その情報を基に自分の戦略を立てることができます。

この技術は、将棋の奥深さと、先読みの駆け引きが鍵を握ることを教えてくれます。

まるで、相手の意図を見抜き、それに対する最適な対策を講じる知恵が試される局面です。

 

叩く、叩きの歩

相手の駒の前に歩を打ち、相手の陣形を乱したり、次の手を制限したりする戦術です。

「叩きを入れる」は、局面に小さな衝撃波を送り込むような手法で、相手の計画に狂いを生じさせる効果があります。

この戦術は、将棋の戦いが単なる駒の動かし合いではなく、心理戦と駆け引きであることを示しています。

まるで、相手の思考を叩き、その隙をつく瞬間のようですね。

 

ただ、ただ取り

ある駒を取る際に他の駒を失わないこと、または逆に相手に駒を「ただ捨て」することを指します。

この行為は、局面の駒のバランスに直接影響を与え、戦略的な価値計算が必要とされます。

ただ取りの技術は、将棋の局面で小さな利益を積み重ねるうえで重要であり、勝敗を左右することもあります。

まるで、盤上での経済学のような駒の取り合いが展開されます。

 

立会人

将棋のタイトル戦などで対局の公平性を守るために立ち会う責任者を指します。

この役割を担う人は、対局の正義と秩序を保つための重要な存在で、対局の開始宣言やルールの遵守を監督します。

立会人の存在は、将棋がただのゲームではなく、厳格なルールと伝統に基づいた文化であることを示しています。

まるで、古の武士道精神を現代に伝える使者のようです。

 

太刀盛り

将棋盤に目盛りを付ける伝統的な工程のことで、その作業には刃をつぶした日本刀が使用されます。

この技術は、将棋盤製作の精緻さと、日本の職人技の美を象徴しており、将棋文化の一環として重要な意味を持ちます。

太刀盛りを通じて、物作りへの尊敬と、伝統を大切にする心が伝わってきます。

まるで、将棋盤が武士の魂を宿しているかのような、重厚な歴史を感じさせます。

 

(玉を)立つ

居玉の状態から玉将を前進させることを指し、囲いの中から玉を一歩進める戦術です。

この行動は、守りから攻めへの姿勢の転換を示し、局面に新たな動きをもたらします。

玉を立てることで、相手に対する圧力を増やし、勝負を有利に進めようとする意図があります。

まるで、玉将自身が戦いの先頭に立って勇敢に進む姿は、将棋の盤上における英雄的な物語を思わせます。

 

縦歩取り

相掛かり戦法において、角道を開けた後に敵陣の歩を縦方向から取りに行く戦術を指します。

特に、浮き飛車を活用して相手の歩を取るこの手法は、局面にダイナミズムをもたらし、戦いを有利に進めるための一手となります。

縦歩取りは、将棋の戦術の中でも、攻めと守りのバランスを巧みに操る技術の一例です。

まるで、盤上のダンスのように、駒が踊る瞬間を創り出します。

 

楽しみ

将棋の局面で、直ちに結果が出るわけではないが、将来的に形勢が良くなる可能性を秘めた状況や手を指します。

この概念は、将棋がただの即時の勝負ではなく、長期的な展望を持って戦うゲームであることを示しています。

楽しみを残すことは、相手に対する圧力を維持しながらも、自らの可能性を広げる戦略です。

まるで、将棋が未来への投資のようなものだと教えてくれます。

 

多面指し

一度に複数の対局を行うことで、特に指導対局などで見られる技術です。

この方法は、指導者の能力と同時に複数の局面を考える能力を試すものであり、受ける側にとっても多様な局面から学ぶ機会を提供します。

多面指しは、将棋の指導方法としてだけでなく、プレイヤーの集中力と柔軟性を養う手段としても非常に有効です。

まるで、脳のフィットネスのようなものですね。

 

垂らす、垂らし

特に歩を敵陣の2〜4段目に打ち、相手にプレッシャーをかける戦術を指します。

この手法で打たれる歩は「垂れ歩」と呼ばれ、相手の動きを制限するとともに、攻めの足掛かりとすることができます。

垂らしの技術は、相手に対する心理戦の一環としても機能し、局面を有利に導くための鋭い一手となります。

まるで、相手の陣地に小さな種を蒔く農夫のようです。

 

足りない、足りる

終盤戦における攻めの成否を表す表現で、攻めが一歩届かず形勢が不利になる状態を「足りない」と言い、逆に攻めが決定的な効果を上げる状態を「足りる」と表現します。

この概念は、勝敗を分ける重要な局面での判断力と戦略の重要性を示しており、将棋の終盤戦の緊張感と戦略性の高さを物語っています。

まるで、勝利への道のりが一歩手前で見えるかのような、切迫感があります。

 

段(目)

将棋盤の縦軸に割り当てられた列番号を指し、棋譜では漢数字で表記されます。

1から3段目が後手の陣地、7から9段目が先手の陣地となり、これによって局面の説明や戦術の指南が行われます。

段を理解することは、将棋盤の空間を正確に把握し、戦略を練る上で不可欠です。

まるで、将棋盤が一つの地図であり、各段がその地理的な特徴を表しているかのようです。

 

段級位制

将棋のプレイヤーの実力やランクを示すシステムです。

この制度により、棋士や将棋愛好者の技術レベルが客観的に評価され、向上へのモチベーションにも繋がります。

段級位制は、将棋界の秩序を保ち、全てのプレイヤーが公正な評価を受けるための基盤となっています。

まるで、将棋の世界における登山であり、各段位がその頂を目指す登山者の地点を示しているようです。

 

単騎の銀

主に玉頭銀戦法などで見られる、銀を斜め前に進出させる動きを指します。

この戦術では、銀一枚が敵陣深く侵入し、攻めの起点となり得ます。

単騎の銀の動きは、その柔軟性と予測不可能性で相手を翻弄し、局面に新たな可能性を生み出します。

まるで、盤上の忍者が敵地深く潜入するかのような緊張感があります。

 

ダンスの歩

歩を用いて相手の守りの金を誘い出し、その後さらに歩を打って敵陣を崩す手筋を指します。

この戦術は、相手の守備を巧みに操り、有利な局面を作り出すことを目指します。

ダンスの歩は、将棋盤上での駆け引きの美しさを示し、戦略の奥深さを教えてくれます。

まるで、盤上を舞うダンサーのように、歩が軽やかに相手を翻弄します。

 

単打の歩

持ち駒の歩を相手陣に打ち込み、敵の陣形を乱す手筋です。

この技術は、相手に反応を強いることで、駒得や局面を有利に進める機会をうかがいます。

単打の歩は、一見犠牲に見える手が実は大きな戦略的価値を持つことを示し、将棋の戦いが予測と反応の連続であることを教えてくれます。

まるで、一手の石が大きな波紋を呼ぶかのような戦術です。

 

単に

将棋において、複数存在する手順の中から最も単純でストレートな方法を選ぶ際に使われます。

例えば、「ここで歩の叩きを入れずに単に取る」といった使い方がされます。

この言葉は、時には複雑さよりもシンプルさが最適解であることを示し、将棋の戦いにおいても直感と明快さの価値を教えてくれます。

まるで、日常生活においても、時には物事を単純化することの重要性を思い出させてくれるようです。

 

チェスクロック方式

対局時に使用される時間管理の方法で、プレイヤーが考慮中に実際に使った時間だけをお互いの持ち時間から差し引く方式を指します。

この方式は、公平かつ効率的な時間管理を可能にし、対局のスピード感と緊張感を保つのに役立ちます。

まるで、時間というリソースを巧みに管理することの重要性を、将棋を通じて教えてくれるようです。

 

地下鉄飛車

飛車を自陣の一段目に配置し、そこを自由に行き来できるようにする戦法を指します。

この配置は、玉頭攻めや端攻めなど、多角的な攻撃に活用されることがあります。

地下鉄飛車は、隠れた力を秘めた戦略として、相手に予期せぬ一手を見せることができます。

まるで、地下を駆け巡る電車のように、見えないところで力を蓄え、突然現れる攻撃の象徴のようです。

 

力を溜める

すぐに攻めることなく、持ち駒を増やしたり駒を成るなどして、将来的により強力な攻めを狙う戦略を指します。

この方法は、将棋における戦略の深さと、タイミングの重要性を示しています。

力を溜めることで、最適な瞬間に圧倒的な攻撃を仕掛けることが可能となります。

まるで、静かな水面の下で力を蓄える獣のように、その準備と瞬発力が勝負の鍵を握ります。

 

力将棋

力戦と同義で、駒の交換や直接的な攻撃を厭わない、力強い将棋のスタイルを指します。

このスタイルは、相手との駒のぶつかり合いを恐れず、直接的な攻め合いを好むプレイヤーによって用いられます。

力将棋は、将棋の戦いが単なる頭脳戦だけでなく、時には力のぶつかり合いも重要であることを示しています。

まるで、盤上の力比べが、プレイヤーの意志の強さを試す闘いの場となるようです。

 

力強い

将棋において、必要のない場面であえて駒を前に出すことで優位に立とうとする態度を指します。

この戦略は、局面に圧力を加え、相手を心理的にも追い込むことができます。

特に金銀玉を動かす手によく用いられ、力のあるプレイを強調することで、対局の流れを自分のものにしようとする姿勢が見て取れます。

この用語からは、将棋が単なる静かな思考のゲームだけでなく、時には力の見せ所があることが伝わってきます。

まるで、静寂の中の一撃が、局面全体に大きな影響を与えるような、力の美学を感じさせます。

 

中段玉

玉将が自陣から見て三段目以上に位置している状態を指し、この配置は寄せにくいとされています。

玉が高い位置にあることで、敵の攻めが難しくなり、防御面で有利な条件を作り出します。

中段玉は、盤上での安全な砦を築くようなもので、その堅固さから相手にとっては大きな障壁となります。

まるで、高い城壁に守られた要塞のような、不動の安全性を感じさせます。

 

中合い

遠距離からの王手に対して、玉との中間に駒を配置して合い駒することを指します。

この手法は、持ち駒を上手に活用し、玉を守る上で重要な戦略となります。

中合いは、直接的な攻撃を巧みにかわすことで、局面を有利に進めるきっかけを作り出すことができます。

まるで、盤上の盾となる駒が、玉将を守るために堂々と立ちはだかる様子が想像されます。

 

中座飛車

5段目に飛車を配置することで攻撃の幅を広げる戦術を指し、この名前は中座真が使用したことに由来します。

中座飛車は、攻撃の柔軟性と深さを持ち、対局において多角的な攻めを展開することができます。

この戦法は、盤上での戦略的なポジショニングの重要性を教えてくれると同時に、一つの駒が局面全体に与える影響の大きさを示しています。

まるで、盤上の指揮官が敵を出し抜くための独自の陣形を築くような、戦略的な洞察力を感じさせます。

 

中将棋

室町時代から江戸時代にかけて広く指され、今日に至るまで愛され続けている古将棋の一つです。

12×12の盤上に配置される92枚の駒、21種類の多様な役割を持つ駒が特徴で、特に獅子や奔王などの強力な駒が戦略的な深みを加えます。

中将棋は、将棋の歴史と伝統を今に伝える貴重な遺産であり、古代の知恵と戦略が現代にも息づいていることを実感させます。

まるで、時代を超えた対局を楽しむかのような、歴史の深さを感じさせます。

 

中盤

一局の将棋で序盤と終盤の間に位置する局面を指します。

このフェーズでは、初期の駒組みが終わり、本格的な攻防が展開され始めます。

中盤は、局面の流れを左右する重要な局面であり、戦略と技術が試される場です。

まるで、物語のクライマックスに向かう過程のように、緊張感と期待が高まります。

 

窒息する

飛車や角などの遠距離から利きを持つ駒が、自分の駒によってその能力を発揮できなくなる状況を指します。

この表現は、将棋における駒の活用と配置の重要性を示しており、戦略的な視野の広さと緻密な計画が成功への鍵であることを教えてくれます。

まるで、盤上の息苦しさが、駒たちの間の緊迫した戦いを物語っているようです。

 

千鳥銀

銀がジグザグに進めていく様を表す用語で、相掛かりなどの戦法で用いられます。

この名前は、銀の動きが鳥の千鳥足に似ていることから名付けられました。

銀の斜めに進退する特性を活かしたこの戦法は、相手を翻弄するための繊細な技術を示しています。

まるで、盤上を自在に舞う鳥のような軽やかさが感じられます。

 

チャイルドブランド

若くして将棋界にデビューし、瞬く間に頂点を目指して快進撃を続けた羽生世代を指す言葉です。

田中寅彦などの先輩棋士によって名付けられたこの言葉は、新しい時代の到来と若き天才たちの活躍を象徴しています。

チャイルドブランドの存在は、将棋界に新たな風を吹き込み、世代を超えた熱いバトンの継承を感じさせます。

まるで、将棋界の新たな伝説の始まりを告げるかのような、希望と期待を背負った若者たちの物語です。

 

長考

将棋で指し手を決める際に多くの時間を費やすことを指します。

これは、局面の深い分析や複雑な戦略を練るために必要な場合が多く、プレイヤーの集中力と思考力が試される瞬間です。

長考の反対が「早指し」で、両者は将棋のプレイスタイルの幅を示しています。

まるで、時には静かに深く考えることが、盤上の嵐を制御する鍵であるかのようです。

 

直射

飛車、角、香車などの長距離に利く駒が、直接相手の駒に利いている状態を指します。

この配置は、駒の強力な影響力を最大限に活用し、相手に圧力をかける手段となります。

直射は、将棋盤上での力の投射とも言え、戦略的に重要な位置づけがあります。

まるで、遠くからでも的確に影響を及ぼす狙撃手のような存在です。

 

直線

将棋の局面において、一方が王手をかけ、もう一方がそれを受けるなど、双方にとって最も自然な手が続くような状況を指します。

この状態では、手順が一本道になりがちで、プレイヤーは直感的に次の手を読み解いていく必要があります。

直線は、対局の流れをシンプルにすると同時に、局面の転換点を見極める洞察力を要求される瞬間です。

まるで、盤上の道を一直線に駆け抜けるかのような勢いを感じさせます。

 

ちょんまげ美濃

陽動振り飛車などで生じる美濃囲いの変形で、玉頭にあたる部分に歩が一つ突かれている状態を指します。

この特殊な形状は、囲いの強化と同時に、特定の攻め手に対する備えを意味しています。

ちょんまげ美濃は、将棋の囲いの多様性と、局面に応じた柔軟な対応の大切さを示しています。

まるで、伝統的な髪型に隠された戦略的な工夫を見るような、興味深い発見があります。

 

ついたて将棋

将棋の変則ルールの一つで、将棋盤を二つ用いて、真ん中に障壁(ついたて)を設け、互いの駒が見えない状態で対局を進める遊びです。

このゲームは、通常の将棋に比べて情報が限られており、想像力と推理力が試されます。

まるで、見えない敵との心理戦を展開するかのようなスリルと戦略性が魅力的です。

盤上の見えない戦いは、将棋の新たな醍醐味を提供してくれますね。

 

捕まらない

玉将が正しい逃走ルートを取ることで詰まない状態を指します。

この表現は、局面が詰将棋に至らず、まだ逆転のチャンスがあることを示しています。

捕まらない状態は、対局者にとって一筋の希望となり、緊張感のある展開を生み出します。

まるで、絶体絶命の状況からの脱出劇のようなドラマが盤上で繰り広げられます。

 

突き越す

端歩を使って相手の陣地に深く侵入し、駒の位置を有利にする戦術を指します。

この手法は、相手の配置を乱すことで攻撃の足掛かりを作り出し、局面を自分に有利に導くことができます。

突き越す一手は、まるで相手の守りを突破する矢のように、勝利への道を切り開きます。

 

突き違い

相手が突いてきた歩をそのままにして、別の筋で自分からも歩を突くことで、相手を牽制する戦術です。

この手法は、直接的な対決を避けつつ、戦場の主導権を握るために用いられます。

突き違いは、将棋の局面において、精神的な駆け引きと戦略的な優位を生み出します。

まるで、相手との間に繰り広げられる巧妙な駆け引きの象徴のようです。

 

突き捨て

歩を前進させて意図的に相手に取らせることで、その後の戦略を展開する手筋です。

この戦法は、短期的な損を承知で、長期的な戦略上の利益を狙うもので、対局において奥深い計算と洞察力が求められます。

突き捨ては、将棋の戦いにおいて、犠牲を伴うが故に、より大きな目的を達成するための一手となります。

まるで、将棋盤上の戦略家が繰り出す、計算された一撃のようです。

 

継ぎ盤

将棋において二つの意味を持ちます。一つ目は、タイトル戦や公式棋戦での重要な対局において、対局中の将棋を控室や別室で検討する際に用いられるものです。

こうした場では、局面の深い分析や次の一手を熟考するために重宝されます。

二つ目は、文字通り二枚の板を継いで作られた将棋盤のことを指し、こちらは将棋盤としての物理的特徴を表します。

どちらも将棋の世界における緻密な思考と伝統の美を象徴しており、ゲームの深さと文化的価値を感じさせます。

まるで、将棋が持つ歴史的な重みと戦略的な奥深さの両面を示しているようです。

 

継ぎ歩

歩を前進させた直後に、さらに別の歩を突き進める戦術を指します。

この手法は、攻撃の勢いを加速させると同時に、相手の陣地を深く侵入することを目指します。

継ぎ歩は、将棋における積極的な攻めの姿勢を体現し、対局の流れを自らのものにする決意を見せつけます。

まるで、連続する波のように、相手に絶え間ないプレッシャーを与える戦略です。

 

突く

歩駒を前進させる基本的な動作を指し、将棋の攻防において重要な役割を果たします。

歩を突くことで、盤上の領域を広げ、相手に対する圧力を強めることができます。

この行為は、将棋の基本中の基本でありながら、局面の勝敗に大きく影響することがあります。

まるで、一歩一歩が勝利への道を切り開く歩みのようです。

 

(~を)作る

駒を成ることによって、より強力な駒を盤上に登場させる行為を指します。

例えば、「馬を作る」「と金を作る」といった表現で用いられ、局面に新たな動きをもたらします。

このプロセスは、将棋の戦いにおいてターニングポイントとなることが多く、戦術の多様性と深さを示しています。

まるで、盤上に新たなキャラクターが登場することで物語が進展するかのような、戦略的な展開を楽しませてくれます。

 

突き歩詰め

将棋の局面において、盤上の歩を前進させて相手玉を詰める手法です。

この戦術は、直接的かつ効果的に相手玉を詰めることができ、反則ではないため、局面を有利に進めるための重要な手段となり得ます。

突き歩詰めは、局面の緊迫感を高め、勝負を決定づける瞬間を作り出します。

まるで、チェックメイトに相当する、将棋のクライマックスのようです。

 

つっぱる

選択肢が多い中で、より攻撃的な手を選択することを指し、自分の駒を守るよりも相手の隙をついて攻めることを選ぶ戦略です。

この攻めの姿勢は、局面に活気をもたらし、プレイヤーの積極性を示します。

つっぱる戦術は、危険を冒してでも相手を圧倒しようとする勇敢な姿勢を表しており、まるで、一か八かの賭けに出るかのようなスリルがあります。

 

つなぎ桂

桂馬を特定の位置に打って、次にその桂馬を活用する手筋を指します。

この手法は、桂馬の特性を巧みに利用し、局面にダイナミックな変化をもたらすことができます。

つなぎ桂は、将棋の戦術の中でも特に計算された美しさを持ち、プレイヤーの創造力と戦術的な深さを示します。

まるで、盤上に新たな物語を紡ぎ出す一手のようです。

 

ツノ銀

銀を特定の配置に進めることで形成される陣形で、主に中飛車や雁木戦法で見られます。

この配置は、防御と攻撃のバランスを兼ね備え、局面を有利に進めるための基盤を作ります。

ツノ銀は、将棋盤上での陣形の重要性を示し、戦略的な思考を促します。

まるで、盤上の要塞を構築するかのような、堅固な姿勢が感じられます。

 

潰れる

自分の囲いが相手の攻撃によって破られることを指します。

この状況は、対局における重要な転換点となり得て、プレイヤーに新たな対応策を迫ります。

囲いが潰れることは、将棋の局面において大きな危機を意味し、対局の緊張感を一層高めます。

まるで、城壁が崩れ落ちる瞬間のような、盤上のドラマが展開されます。

 

詰み

将棋において王将が退路を塞がれ、いかなる手を打っても王手から逃れられない状態を指します。

この状態になると、ゲームは終了となります。

詰みは、将棋の究極の目的であり、局面を読み解き、相手の玉を追い込む洞察力と戦略が求められます。

まるで、盤上の迷宮を解き明かす探偵のように、詰みへの道を見つけ出す瞬間は、将棋の醍醐味とも言えるでしょう。

 

詰むや詰まざるや

江戸時代の詰将棋作品集「将棋無双」の別名であり、詰将棋の世界における重要な文献の一つです。

このフレーズは、詰みがあるのかないのか、判断が難しい局面を表現するのにも用いられます。

将棋の複雑さと美しさを象徴する言葉であり、プレイヤーに無限の可能性を提示します。

まるで、盤上の謎解きが、永遠に楽しめる宝探しのようです。

 

詰将棋

連続王手で相手玉を詰めるための将棋パズルです。

攻め方と玉方の両者が持ち駒を駆使して戦うこのゲームは、将棋の技術を磨くのに最適なトレーニングとなります。

詰将棋は、限られた条件の中で最適な解を見つけ出す、論理的思考の体現であり、まるで、脳のジムのようなものです。

 

(端を)つめる

1筋または9筋の歩を前進させて、特定の地点を占有する戦略を指します。

この行動は、将棋盤の端部を制御することで、局面全体に影響を及ぼし、攻防の起点を作り出します。

端を制することの重要性を示すこの戦略は、将棋の奥深さと、戦略的な広がりを教えてくれます。

まるで、盤上の地政学のような、地点の占有とその戦略的価値を感じさせます。

 

詰めろ

直接的な王手や詰みではないものの、次の手で王手連続の詰みに至るような局面を作り出すことです。

この状況は、相手にプレッシャーを与え、有利な局面を作り出すための重要な手法となります。

詰めろは、将棋の戦術における微妙なバランスと、先読みの重要性を示しており、まるで、相手を綱渡りさせるかのような緊張感を盤上にもたらします。

 

詰めろ逃れの詰めろ

自分の玉が詰めろの状態を解消しつつ、同時に相手の玉に詰めろをかける高度な戦術を指します。

この一手は、局面を一変させる力を持ち、攻守のバランスを巧みに操るプレイヤーの戦略性と創造力を示します。

まるで、チェスのような駆け引きの中で、相手を出し抜く鮮やかな一手のようです。

 

強く

相手の手に対して断固とした応手を選択する様子を示します。

この用語は、局面における自信と決断力を表し、積極的に攻めの姿勢を取ることの大切さを教えてくれます。

強く戦う姿勢は、対局者の勇気と精神力を象徴し、まるで、盤上の戦士が勝利を目指して進む姿のようです。

 

つらい

不利や劣勢とほぼ同義で、対局者がその手順や局面において抱く主観的な苦痛や不快感を表します。

この言葉は、将棋が単なるゲームではなく、精神的な挑戦でもあることを示し、プレイヤーの持久力と忍耐力が試される瞬間を教えてくれます。

つらい局面を乗り越えることで、成長と学びが得られるかのようです。

 

つり上げる

歩を叩くなどして相手の駒を前に誘導し、その位置を利用する戦術を指します。

この手法は、相手の配置を意図的に変更させることで、局面を自分に有利に進める狙いがあります。

つり上げる戦術は、相手を誘い込むことの重要性を示し、まるで、盤上での狩りのような戦略的な駆け引きが展開されます。

 

吊るし桂

桂馬を用いて詰める戦術、特に美濃囲いに対して有効な手段を指します。

この戦法は、桂馬の特性を最大限に活用し、相手の囲いを破るための精密な計算が必要です。

吊るし桂は、将棋の美しさと、戦略的な深みを同時に感じさせ、まるで、盤上のアーティストが作品を創造するような技巧を楽しませてくれます。

 

将棋における基本的な行動で、盤上の駒を動かしたり、持ち駒を打つことを指します。

この行動は、将棋の各局面でのプレイヤーの意思決定を表し、ゲームの進行に直接影響を与えます。

手の選択は、将棋の戦略と技術の表現であり、一手一手が対局の結果を左右します。

まるで、盤上の詩を紡ぐような、戦略の美しさがあります。

 

手合い、手合割

将棋の対局や対戦カードを意味し、特に実力差がある場合に用いられる駒落ちハンデの規定を指します。

実力差を公平にするためのシステムであり、プレイヤー間の健全な競争を促進します。

手合割は、将棋が持つ教育的な側面と、すべてのプレイヤーにチャンスを提供する公平性を象徴しています。

まるで、盤上での平等な戦いの場を提供するような、スポーツマンシップが感じられます。

 

手合い違い

将棋において実力差が大きすぎることを指す言葉で、対局が公平でなくなる状況を表します。

この表現は、将棋の世界においても、適切なマッチングの重要性を示しており、プレイヤーにとって適正な挑戦が成長につながることを教えてくれます。

まるで、盤上の教室で、それぞれのレベルに合った課題が与えられるようなものです。

 

手厚い

盤上での堅実で厚みのある指し方や形を指し、棋風を表現する際にも用いられます。

この用語は、防御を重視し、確実な勝利を目指す慎重な戦略を示しており、将棋の戦いがただの攻撃だけでなく、深い思慮と計画に基づくことを教えてくれます。

手厚い指し方は、まるで盤上での石垣を築き上げるような、安定と信頼の姿勢を感じさせます。

 

手が伸びる

良い手が指せる状態を指し、局面での優れた判断力やチャンスを捉える能力を示します。

この表現は、将棋プレイヤーの直感と技術が融合して、局面を有利に導く瞬間を表しており、まるで、盤上のアーティストが最高の一手を描くような、創造の瞬間を感じさせます。

 

敵陣

将棋盤上で相手側から見て最前線の三段目を指し、ここに侵入することで駒を成ることが可能になる特別なゾーンです。

敵陣に駒を進入させることは、攻めの局面で大きな転換点となり得ます。

敵陣への侵入は、まるで敵地深く潜入するスパイのようなスリルと戦略性があり、盤上の戦いを一層熱くします。

 

手順

複数の手が連続して行われる一連の流れを指します。

銀を動かしてから金を動かす、金を動かしてから銀を動かすなど、同じ駒の配置に至る手順でも、その過程によって相手の応手が異なり、結果的に全く異なる局面になることがあります。

手順の選択は、将棋の奥深さを象徴し、まるで複雑な音楽の楽章を奏でるように、局面を紡ぎ出します。

 

手順前後

手順の正しい順序を間違えてしまうことで、特にそのミスを相手に突かれて不利になることを指します。

この誤りは、局面における微妙なバランスを崩すことがあり、将棋の緻密さと正確な判断が求められることを教えてくれます。

まるで、繊細な時計の歯車が狂うことで全体の動きに影響を及ぼすような、精確さの重要性を感じさせます。

 

手将棋

定跡から外れた、力戦や力将棋とも呼ばれる将棋を指します。

このスタイルは、型にはまらない自由な発想と個性的な戦略が特徴で、対局者の創造性と直感が光る局面を生み出します。

手将棋は、まるで盤上のアート作品のように、無限の可能性と個性を表現する場です。

 

手筋

局面における攻めや受けのためのパターン化された一連の手順を指し、将棋の効果的な戦術を体現します。

手筋を知ることは、局面を有利に進めるための重要な知識となり、まるで盤上のシナリオを読み解く鍵のように、戦いの深い理解を助けます。

手筋は、将棋が持つ論理的で美しい戦いの形を教えてくれる、盤上の文法のようなものです。

 

手損

効率的な進行が可能な局面で余分な手数を使ってしまうことを指します。

特に序盤での角交換など、一見して損のように見える手順を敢えて選択することもあり、その背後には深い戦略が隠されている場合があります。

手損は、将棋の戦いにおいて、短期的な損失が長期的な利益につながることもあるという、戦術の奥深さを示しています。

まるで、盤上の将棋の一手一手が、ビジネスや人生の戦略を考えさせるような、思慮深さがあります。

 

手得

相手よりも有利に局面を進めている状態、つまり手数で優位に立っていることを指します。

手得は、効率よく駒を動かし、局面をコントロールする能力の表れであり、将棋の勝敗を左右する重要な要素です。

まるで、盤上での時間と空間を巧みに操るダンサーのように、プレイヤーの技術と洞察力を感じさせます。

 

手詰まり

有効な手が見つからず、局面を進めるのが困難な状態を意味します。

この状況は、プレイヤーにとって大きな挑戦であり、創造性と柔軟性が試される瞬間です。

手詰まりから脱出することは、まるで難問を解く探偵のような、解析力と直観の勝利を象徴しています。

 

手なりで指す

直感的に良いと感じる手を選択し、自然な流れで局面を進めていくことを指します。

このアプローチは、将棋の直感的な美しさと、局面を読む洞察力の重要性を示しており、プレイヤーの直感が如何に重要かを物語っています。

まるで、盤上の詩人が直感に従って次の一手を選ぶような、芸術的な感覚があります。

 

手になる

攻めが成立し、有効な戦術が形成されている状態を指します。

この表現は、計画が実行段階に移り、成功が見え始めた瞬間を示し、戦略の充実感と達成感を与えます。

手になる局面は、まるで盤上での勝利のレシピが完成するような、成果の喜びを感じさせます。

 

手抜き、手を抜く、手抜く

将棋において自分の駒が取られる状態や攻め込まれている状況を意図的に放置し、他の手を優先する戦術を指します。

この行動は、犠牲を承知で大局的な利益を狙う高度な戦略であり、局面を見る広い視野と深い計算が必要です。

手を抜くことで局面が一変する瞬間は、まるで盤上の駆け引きが複雑な物語を紡ぐようなドラマがあります。

 

手番

将棋における次に指す順番、または攻めの主導権を握っている局面を指します。

手番を握ることは、局面における優位性を意味し、ゲームの流れをコントロールする重要な要素です。

まるで、盤上でのダンスのリードを握るかのように、手番は戦術の主導権を象徴しています。

 

手拍子

将棋で思いついたままに、将来の展開を深く考慮せずに手を指す行為を指します。

このアプローチは、直感に従ったプレイを可能にしますが、同時に未考慮のリスクを伴います。

手拍子は、盤上での直感的な閃きと、その刹那的な決断の魅力を感じさせるものです。

 

手待ち

有効な指し手が見つからず、また自分から動くと不利になる状態で、安全な手を指して相手の応手を待つ戦術です。

手待ちの局面は、戦略的な忍耐と、相手の行動を見極める洞察力が求められる状況で、まるで盤上の静かなる対峙のように、精神的な駆け引きが繰り広げられます。

 

出る

駒を前に進める行動を指し、攻撃的な姿勢や局面の展開に積極的に関与する意思を示します。

出る手は、局面にダイナミズムをもたらし、攻防の新たな展開を創出するきっかけとなり得ます。

まるで、盤上の冒険家が新たな地平を目指すかのように、出る一手は将棋の可能性を広げる行為です。

 

テレビ対局

テレビ局が主催し、対局者が放送スタジオで実際に将棋を指す棋戦のことです。

この形式の対局は、将棋の魅力を広く一般に伝え、ファン層を拡大する大きな役割を果たしています。

テレビ対局は、プレイヤーの表情や思考のプロセスを間近に感じられるため、視聴者にとってはまるでその場にいるかのような臨場感を提供します。

将棋の戦いが、リビングルームの中心舞台になる瞬間です。

 

手を戻す

攻めの姿勢から一転して受けの姿勢に転じることや、自陣の整備に回ることを指します。

この行動は、局面の流れを読み、長期的な視点で有利な状態を目指す戦略的な判断を示しています。

手を戻すことで、盤上でのバランスを取り直し、新たな戦いに備える慎重な準備が行われます。

まるで、一時的に後退して、より強く前進するための準備をするかのようです。

 

手を渡す

自分から動くと不利になると判断した時に、無難な手を指して相手に手番を譲り、相手の動きを見る戦術を指します。

この戦略は、局面を冷静に観察し、相手の計画を読み解く洞察力を要求します。

手を渡すことは、盤上での駆け引きと心理戦を深め、相手の反応から次の一手を見極める知恵を示します。

まるで、相手の先手を促して自らの戦略を練るチェスのような動きです。

 

田楽刺し

複数の駒が並ぶ筋に香車を打ち込み、価値の高い駒を取る戦術を指します。

この手法は、相手の配置を突破し、大きな利益を得るための効果的な手段です。

田楽刺しは、局面に大胆な変化をもたらし、攻めの局面での意外性と勇敢さを示します。

まるで、盤上の突撃兵が敵陣を打ち破るような勢いがあります。

 

天空の城

通常の囲いよりも高い位置、四段目から六段目に存在する玉やその守備駒の配置を指す用語です。

この配置は、玉の安全を高い次元で確保しようとする戦略を示し、盤上での防御の工夫と創造性を象徴しています。

天空の城は、将棋の戦いにおける守りの美学と、空中に浮かぶ要塞のような幻想的なイメージを持ちます。

まるで、盤上に浮かぶ不可侵の領域を築くかのような壮大さがあります。

 

天竺大将棋

古将棋の一種で、16×16の大盤上で行われる壮大なゲームです。

合計156枚の駒が用いられ、その中には火鬼や大将など、非常に強力な駒が数多く登場します。

この将棋は、駒の多様性と戦略の複雑さが特徴で、まるで、古代の戦場を再現したかのような壮大な物語が盤上で繰り広げられます。

天竺大将棋は、将棋の世界における無限の想像力と創造性を感じさせる、時空を超えた戦いの舞台です。

 

天使の跳躍

桂馬が盤の中央に向かって進出する様子を詩的に表現した言葉です。

この表現は、桂馬の特異な動きと、その進出がもたらす戦術的な意味合いを美しく捉えています。

まるで、盤上を舞う天使のように、桂馬が戦局に新たな風を吹き込む瞬間を象徴しています。

天使の跳躍は、将棋の戦いにおける繊細な美しさと戦略的深みを感じさせます。

 

天守閣美濃

左美濃囲いの一形態で、玉将を三段目に配置し、角の頭に構える堅固な囲いを指します。

この囲いは、守りの強さと戦略的な柔軟性を兼ね備え、まるで天守閣が盤上に聳え立つかのような安定感を提供します。

天守閣美濃は、将棋の戦いにおける防御の工夫と、盤上の城のような安全な避難所を築くことの重要性を教えてくれます。

 

点数制

持将棋の場合に勝敗を決定する方法で、各駒に割り当てられた点数を基に勝者を決めるシステムです。

この制度は、対局が決着しない場合にも公平な評価を可能にし、将棋の競技性と公正性を高めます。

点数制は、盤上の戦いがただの勝負以上の価値を持つことを示し、将棋の戦術と戦略を数値で評価する試みです。

 

天王山

本将棋の盤上で5五の位置を指す言葉で、特に角行や竜馬の利きが良くなる戦略的に重要な地点です。

この位置は、局面に大きな影響を与えるポイントとなり得ます。

天王山を制することは、盤上での優位を確立する鍵となり、まるで、戦いの中心地を抑える戦略家のような洞察力と計画性が求められます。

天王山は、将棋の盤上における戦略的な高地を象徴し、そこを巡る攻防が勝敗を左右する重要な局面を生み出します。

 

同(どう、おなじく)

将棋の棋譜において、同じ場所で相手の駒を取る行動を示す際に用いられます。

この表記法は、局面の細かな変化を正確に伝えるための便利な方法であり、対局の精緻な分析を可能にします。

将棋の棋譜は、まるで音楽の楽譜のように、盤上の動きを記録し、後世にその美しさを伝える文化的な記録です。

 

投資する

将棋において駒を有効に活用することを意味し、特に重要な駒を守りや攻めに使う際によく用いられます。

この用語は、将棋を経済活動に例え、駒を資源として見る視点を提供します。

投資するという行為は、盤上での賢明な資源管理と、長期的な戦略の構築を象徴し、まるで経営者が事業を運営するような戦略的思考を感じさせます。

 

どうぶつしょうぎ

子供から大人まで幅広い層に将棋の楽しさを伝えるために開発された、簡略化された将棋ゲームです。

このゲームは、将棋の基本的なルールや戦略を親しみやすい形で学ぶことができ、将棋の世界への第一歩となります。

どうぶつしょうぎは、まるで遊びながら学べる教育ツールのように、知的な楽しさと学びを提供します。

 

投了

対局者が敗北を認めることによって対局を終了させる行為です。

この慣習は、将棋における敗者の尊厳を保ちつつ、勝負の決着をつけるための礼儀正しい方法とされています。

投了は、まるで戦いの中でも礼節を忘れない武士道精神を思わせ、将棋の世界における勝敗以上の価値を教えてくれます。

 

遠い

将棋の局面において、玉と攻め駒の距離が大きい状態を指します。

この状況は、攻めが難しく、防御が有利な状態を示すことがあります。

遠いという状態は、盤上での位置関係の重要性を教えてくれ、まるで戦略的な地理学のように、距離と位置が戦いの行方にどのように影響するかを示します。

 

トーチカ

ミレニアム囲いの別名で、将棋において堅固な守りを構築する囲いの一つを指します。

この囲いは、まるで戦場における防御施設のように、玉を守る強固な構造を持っています。

トーチカは、将棋の盤上での安全性と戦略的な防御の重要性を象徴し、まるで盤上の要塞のような安定感をプレイヤーに提供します。

 

遠見の角

相手の陣地から遠く離れた場所に打ち込まれる角の配置で、攻撃を主眼として相手を睨みつける戦術を指します。

この戦術は、遠くからでも局面に大きな影響を及ぼす角の力を示し、盤上での視野の広さと先読みの能力が要求されます。

まるで、高い塔から周囲を見渡すような、戦略的な視点が感じられます。

 

通る

自分の手が相手に対して有効に機能し、攻撃や圧迫などが成功する状態を指します。

この言葉は、局面を自分に有利に進めることができるかどうかの重要な指標となり、盤上での駆け引きと戦略的な計算が求められます。

まるで、盤上を舞台にした戦いで、自分の戦術が相手を突破するかのようなドラマが展開されます。

 

咎める

相手の疑問手や緩手を見逃さず、それを利用して有利な局面を作り出すことを指します。

この行動は、相手のミスを見逃さず、その隙をついて局面を動かす洞察力と機敏さを示しています。

まるで、盤上の探偵が相手の隙を見つけ出し、それを利用してゲームを進めるような、鋭い観察力があります。

 

と金攻め

敵陣に成った歩(と金)を用いて相手の守りを攻める戦術を指します。

この攻めは、小さな駒が大きな価値を持つことを示し、将棋における駒の使用法と戦略の深さを教えてくれます。

と金攻めは、まるで盤上の猛将が小さな兵を率いて大きな戦果を挙げるような、戦術の巧みさを感じさせます。

 

~得(どく)

自分の駒が相手よりも数的に多い状態を示す接尾語です。

例えば、「銀得」や「桂香得」は銀や桂香が相手より多くなっている状態を指し、「歩得」は歩の数で優位に立っていることを表します。

この用語は、将棋における駒の損得を簡潔に表現し、局面の有利・不利を一目で理解できるようにします。

まるで、盤上での資源管理を行うビジネスマンのように、駒の数を通じて戦略的優位を築くことの重要性を教えてくれます。

 

特別将棋栄誉賞

将棋界で1000勝を達成した棋士に贈られる賞です。

この栄誉ある賞は、長年にわたる卓越した実力と貢献を称えるもので、将棋界における最高の栄誉の一つとされています。

まるで、長いキャリアを通じて磨き上げられた技と精神の証として、歴史に名を刻む瞬間です。

 

独走銀

別名「玉頭銀」とも呼ばれ、特定の戦術を指します。

これは銀を敵陣深く進出させて攻撃する戦術で、攻めの意志を鮮明に示します。

独走銀は、まるで盤上を駆け巡る騎士のように、果敢に敵陣に迫る勇敢さと戦略的な洞察を象徴しています。

 

毒まんじゅう

駒を取ることが一見有利に見えるものの、実際にはその手順で局面が悪化するような状況を表す比喩です。

この表現は、将棋の戦いが見た目の有利さだけでなく、深い思慮と先読みが必要であることを教えてくれます。

まるで、甘い誘惑に隠された罠を見抜く洞察力の重要性を示すように、プレイヤーに警戒心と分析力を促します。

 

土下座の歩

持ち駒の歩を自陣二段目に打って、局面を安定させる戦術を指します。

この手法は、局面を収めるための謙虚な姿勢を示し、盤上での平和的な解決を目指します。

土下座の歩は、まるで盤上での外交官のように、争いを避け、和をもたらす戦術の智慧を感じさせます。

 

飛び駒、飛び道具

遠くまで利きが及ぶ飛車や角、香車、さらには特異な動きで利きを発揮する桂馬を指す俗称です。

これらの駒は将棋盤上で大きな影響力を持ち、戦略的な価値が非常に高いことから「飛び道具」と称されます。

まるで盤上のスナイパーのように、遠距離から局面を左右する力を持っています。

 

取り込む

相手の守りを前進する自分の駒で崩す戦術を指します。

この行動は、相手の防御を緻密に分析し、その隙を突いて攻め入る知略と勇気を示しています。

まるで城壁を乗り越える攻城戦のように、局面の流れを変える重要な一手です。

 

鳥将棋、禽将棋

江戸時代に遊ばれていたとされる変則将棋の一種で、将棋の多様なバリエーションと歴史の深さを示しています。

これらのゲームは、時代や文化に応じて人々が楽しんできた将棋の楽しみ方の一端を教えてくれます。

まるで歴史の中の遊び心を垣間見ることができるかのようです。

 

取る

将棋の基本的な行動の一つで、自分の手番で相手の駒を自らの持ち駒にする行為を指します。

この動きは、将棋の攻防における根幹をなすものであり、駒の交換が将棋の戦いにおける駆け引きと戦略の深さを加えます。

まるで盤上の戦いで敵を捕らえる猟師のような、瞬時の判断と戦術が求められます。

 

撮る将

将棋イベントにおいてプロ棋士の写真撮影を趣味とする愛好家のことを指します。

この活動は、将棋文化をより豊かにし、ファンとプロ棋士の間の新たなつながりを生み出しています。

まるで、将棋の魅力を別の角度から捉え、共有するアーティストのようです。

 

頓死

詰まないはずの王手に対して間違った応手を指し、詰まされてしまうことを指します。

この語は、将棋の厳しさと、一瞬の油断が致命的になり得ることを教えてくれます。

まるで、盤上のドラマにおける予期せぬ展開のように、緊張感と驚きを提供します。

 

 

な行

 

泣いている

将棋において自軍の駒が相手に有効に対処され、期待した役割を果たせずにいる状態を指します。

この表現は、駒一つ一つに感情が宿るかのような表現で、プレイヤーが駒に寄せる愛情と期待を感じさせます。

まるで、盤上の各駒が自分の役割を全うするために悩み、努力する生き生きとしたキャラクターであるかのようです。

 

長い将棋

終局に至るまでに多くの手数が必要となる将棋のことを指します。

この種の対局は、深い計算と長期的な戦略が要求され、精神的な持久力も試されます。

長い将棋は、まるで長編小説のように、複数の展開とドラマが織り交ぜられた物語を盤上で紡ぎ出します。

 

中住まい、中住居

自陣の真ん中に玉が位置する囲いのスタイルを指します。

この配置は、バランスの取れた守りと、玉の安全性への配慮を示しています。

まるで、盤上の城の中心で王がじっと敵の動きを見守るような、戦略的な落ち着きを感じさせます。

 

流れ

対局中の手の選択とその相互作用によって形成される局面の展開傾向を指します。

この用語は、将棋の局面が生き生きと流動する様子を表現し、まるで物語が進行するかのように、対局の中で起こる微妙な変化を捉えます。

流れは、盤上の戦いが持つリズミカルなダイナミズムを象徴しています。

 

投げ場

対局で投了する最適なタイミングを探求する概念です。

この言葉は、将棋の終局において、敗北を認める決断を下す瞬間の重要性と、その決断を導くための戦術的な洞察力を示しています。

投げ場を見極めることは、まるで戦いの中で最も名誉ある撤退を計画する将軍のような、戦略的な判断が求められます。

 

投げる

将棋における投了と同義であり、語源は駒台がなかった時代に、負けを認めた側が持ち駒を盤上に投げて降参していた習慣に由来します。

現代の将棋では、この行為は駒台の上に手を置く仕草として象徴的に残っています。

この歴史的な背景は、将棋の伝統や礼儀に対する敬意を感じさせるもので、敗北を認める際の儀式的な行動としてその精神が引き継がれています。

 

生角

盤上でまだ成っていない角のことを指します。

持ち駒にある角や、すでに成駒になっている馬と区別するために使われる用語です。

この表現は、角の潜在的な能力や戦術的な価値を意識させ、まるで盤上で待機している生の力を秘めた駒のように、その可能性を感じさせます。

 

斜め駒

斜め後ろに引ける銀や角を指し、特に詰将棋や局面での詰みを防ぐための重要な役割を持つ駒のことを言います。

将棋の盤上で駒の動きの多様性と戦略的な役割を強調し、駒一つ一つが持つ独自の価値と可能性を示しています。

 

何をやっているのかわからない

数手進めたにも関わらず、その結果が無意味であると感じる状態を指します。

この状況は、将棋の対局における計画性の欠如や目的の見失いを示し、戦略や意図を持って手を進めることの重要性を教えてくれます。

 

並(なみ)、並の手(なみのて)

一般的に選択されるような、意外性は無いが有望かつ着実な手を指します。

この用語は、将棋において常に最善手を追求することの難しさと、時には直感や経験に基づく手が良い結果をもたらすことを示しています。

並の手は、盤上での安定した進行を促す一方で、局面によっては新たな可能性を秘めていることを思い出させます。

 

倣(なら)いある手/筋

特定の局面パターンにおいて頻繁に見られ、知っておくべき優れた手順のことを指します。

この用語は、将棋における定石や戦術の深い知識を示し、プレイヤーがこれらの手順を学ぶことで戦略的な選択肢を増やし、局面を有利に導くことができることを教えてくれます。

まるで、盤上での先人たちの智慧を引き継ぐように、歴史と経験が紡ぎ出す知識の重要性を感じさせます。

 

並べ詰み

持ち駒を連続して打つことで容易に詰めることができる状態を指します。

この表現は、持ち駒を戦略的に利用することの重要性を示し、詰将棋の美しさや駒の価値を再認識させます。

まるで、盤上でのジグソーパズルを解くように、一手一手が大きな絵を完成させるための重要なピースであることを思い出させます。

 

不成、成らず

成ることが可能な駒が、意図的に成らずに動かされることを指します。

この用語は、将棋においてすべての手が直接的な強化を意味しないこと、また、戦略的な深みや複雑さを示しています。

まるで、盤上での駆け引きや意外性が戦術の鍵を握るかのように、将棋の奥深い戦略を感じさせます。

 

成り

駒が相手の陣地に進入することで、より強力な駒に変化することを指します。

この変化は、将棋のゲームプレイにおける重要な転換点であり、駒の進化と成長を象徴しています。

まるで、盤上の各駒が自身の運命を切り開き、強大な力を手に入れる英雄の旅のようです。

 

成駒、成金

成った状態の駒、特に銀、桂、香、歩が金と同じ性能になることを指します。

この表現は、将棋の中での駒の変化と成長の重要性を示し、盤上での戦略的な変化と可能性を広げます。

成駒は、まるで変身することで新たな力を得るキャラクターのように、駒一つ一つが持つ潜在的なストーリーと変化の可能性を教えてくれます。

 

成り駒の呼称

駒が成った後の正式な名称(ときん/なりふ、なりきょう、なりけい、なりぎん、りゅう、うま)で呼ぶことが公式には定められていますが、日常の会話では成る前の状態の名前で呼ばれることも多く、使い分けは統一されていません。

将棋の世界における言葉の柔軟性とプレイヤー間の無言の了解を示しており、まるで言葉を超えた盤上のコミュニケーションが存在するかのようです。

 

成り捨て

駒を成ることで相手に取らせ、自分の戦略を進める手法です。

この戦術は、将棋の奥深さと犠牲を伴う戦略的な決断の重要性を示しており、まるで盤上で繰り広げられる緻密な計画の一環のように思えます。

 

成り捨ての歩

特に歩による成り捨て戦術を指し、相手の陣形を乱すなどの目的で使用されます。

この手法は、将棋における細かな戦術の一つであり、盤上での小さな動きが大きな影響を及ぼすことを教えてくれます。

まるで、小さな一手が盤上の運命を左右することがあるかのように感じさせます。

 

成り込み

特に飛車や角などの駒を相手の陣地に進入させ、成駒にする戦術を指します。

この戦略は、駒の機能を最大限に活かし、局面を有利に導くための重要な一手であり、まるで、敵地深くに潜入するスパイのような緊張感を盤上にもたらします。

 

難解

局面の複雑さや形勢判断の難しさを表す用語で、将棋の深い思考と複数の可能性を秘めた展開を示しています。

この表現は、将棋が単なるゲームでなく、思考と戦略の複雑なアートフォームであることを思い起こさせ、まるで、盤上のミステリーを解き明かす探偵のような鋭い洞察力が求められることを示しています。

 

難局

相手に攻め込まれて困難な状況に直面している局面を指します。

この言葉は、将棋が単に攻めるゲームだけでなく、難しい局面をどう乗り切るかという防御の技術も同じくらい重要であることを示しています。

難局を乗り切ることは、プレイヤーの精神力と戦略的な深さを試す試練のようで、まるで困難に立ち向かう勇者の物語を思い起こさせます。

 

何でもない

詰めろやその他の危険な状況にはまだなっていない局面を指す用語です。

この表現は、将棋が常に緊張感を持ちながらも、冷静な判断が必要であることを教えてくれます。

まるで、静かな海の中に潜む波のように、見た目には平穏でも常に警戒を怠らない姿勢が求められることを示しています。

 

逃げる

駒を敵から安全な位置に移動させる行為を指します。

この動作は、将棋における攻防のバランスと、駒の安全を守りながら次の手を考える戦略的な思考を象徴しています。

逃げることは、盤上での戦いにおいて、勇敢な撤退が時には最善の策であることを思い起こさせます。

 

27点法、24点法

入玉宣言法に基づき、持ち駒と敵陣内の駒に点数をつけて勝敗を決める方法です。

このルールは、将棋におけるゲーム終盤の戦略を豊かにし、入玉戦略の多様性と複雑さを示しています。

まるで、終局に向けての緻密な計算と先読みが、勝敗を左右するチェスのようなゲームであることを教えてくれます。

 

二段桂(つなぎ桂)

特定の手筋を指し、一つの桂馬の動きによって他の駒の活動範囲を広げる戦術です。

この用語は、将棋における駒の相互作用と連携の重要性を示しており、まるで、盤上の駒が一つのチームとして機能しているかのように、互いの強みを生かし合う協力の精神を感じさせます。

 

二丁飛車(にちょうびしゃ)・二枚飛車(にまいびしゃ)

自分が所有する二枚の飛車を使って敵陣に圧力をかけ、攻撃を仕掛ける戦略を指します。

この戦略は、将棋の中で最も強力な攻撃駒を二枚も使って展開することのできる豪快さと、相手に与える圧倒的なプレッシャーを象徴しています。

まるで、二つの砲台が同時に火を噴くような迫力ある戦いを盤上で繰り広げることを思い起こさせます。

 

二手すき(にてすき)

相手に詰めろをかけるまでに二手が必要な状態を指します。

この用語は、将棋が持つ緻密な戦略性と、勝負を決める前の重要な準備段階を示しています。

まるで、緊張感あふれる前哨戦が勝負の行方を左右するかのように、次の一手の大切さを教えてくれます。

 

二歩(にふ)

将棋の反則の一つで、一つの筋に既に自分の歩が存在する場合に、その筋に別の歩を打つことが禁止されています。

このルールは、将棋のゲームバランスを保つための重要な規則であり、プレイヤーに戦略的な配慮と注意を促します。

まるで、盤上の秩序を守りつつ、創造性を追求することの重要性を示しています。

 

二歩突き切り

特に駒落ち戦で下手が用いる戦術で、3筋と4筋に歩の位を取ることで攻勢をかける定跡です。

この戦略は、限られた条件下でもチャンスを見出し、積極的に攻める姿勢を示しています。

まるで、不利な状況でも逆転の機会を探す知恵と勇気が求められることを教えてくれます。

 

二枚替え

自分の駒1枚と相手の駒2枚を交換する戦術を指し、駒得とされる状況を生み出します。

この手法は、犠牲を払ってでも大きな利益を得ることの重要性を示し、将棋における戦略的な駒の価値と交換の妙を教えてくれます。

まるで、見返りの大きな投資を思い切って行うことの勇敢さと賢明さを盤上で示すようです。

 

二枚落ち

飛車と角、将棋盤上での二大攻撃駒を故意に取り除いて戦う駒落ち戦の形式です。

この形式は、上手なプレイヤーに戦術的な制約を課し、平等な戦いを促進する狙いがあります。

まるで、強者が自らの力を抑えて挑むことで、戦いの深みと戦略の多様性を引き出す一幕のように感じます。

 

二枚○-

同種の駒二つを協力させて活躍させる様子を指し、特に「二枚銀」などの表現があります。

この用語は、将棋の駒同士の相互作用と連携の重要性を浮き彫りにし、盤上での駒の動きが一つ一つがいかに計算されたものであるかを示しています。

まるで、チームワークの美学を盤上で表現しているかのように感じさせます。

 

日本アマチュア将棋連盟

アマチュア将棋プレイヤーのための団体で、将棋の普及と振興を目的としています。

この組織は、将棋が専門家だけでなく、広く一般にも愛される文化であることを示しており、まるで将棋が生活の一部であるかのような親近感を与えます。

 

日本将棋連盟

プロ棋士のキャリアと将棋界全体の発展を支える公益社団法人です。

この組織は、将棋がただのゲームではなく、深い歴史と文化を持つ尊重すべき伝統であることを体現しています。

まるで、将棋が日本文化の貴重な宝であることを世界に伝える使命を持っているかのようです。

 

日本女子プロ将棋協会

女流棋士たちが独立して設立した団体で、女性が将棋界で活躍する場を広げることを目指しています。

この協会は、将棋界におけるジェンダーの壁を乗り越え、多様性と平等を推進する前向きな一歩となっています。

まるで、将棋がすべての人にとって開かれた、包容力のある世界であることを示しているかのように感じさせます。

 

入城

将棋の戦術の一つで、玉将が安全な「城」と呼ばれる囲いに入ることを指します。

特に矢倉囲いなど、守備駒を先に配置してから玉将が入るパターンが典型的です。

この戦術は、城が完成した後に玉将をその中に移動させることで、より堅固な防御態勢を築くことができるという戦略的な深さを物語っています。

まるで、将棋の世界で玉将が自らの安全を確保するために、最終的な避難所に入る様子を見ているようです。

 

入玉

自分の玉将が相手の陣地に入る戦術で、特に終盤において相手陣深く進入することで勝利を目指す方法です。

この戦術は、攻守のバランスを考慮しながら、相手の陣地へ深く侵入する大胆さと緻密な計算が求められる、将棋の戦略の醍醐味を体現しています。

まるで、敵地深くに切り込む冒険に出る勇気と知恵が試されるようです。

 

入玉宣言法

特定の条件を満たした時に勝利を宣言できるルールで、将棋の終盤における新しい戦略の幅を広げています。

このルールは、持将棋を避けつつ、点数による勝敗判定を可能にすることで、ゲームに明確な終結をもたらすと同時に、入玉を目指す戦略的なプレイを奨励しています。

まるで、将棋がさらなる戦略性と公平性を備えた知的スポーツであることを再確認させてくれます。

 

入玉模様

実際にはまだ入玉していないが、将来的に入玉になりうる局面の状態を指します。

この表現は、将棋の局面における無限の可能性と、先を読むことの重要性を示しており、まるで物語の展開を予測する読者の想像力を掻き立てるようです。

 

入品

将棋の奨励会で初段に昇段することを指し、将棋指しのキャリアの中で一つの重要な節目を示します。

この用語は、将棋指しとしての成長と進歩の過程を象徴しており、まるで将棋の道を歩む者が次なるステージへと進むための通過儀礼のようです。

 

にらむ、にらみを利かせる

自分の駒が相手の駒に対して直接的または間接的に圧力をかけている状態を指します。

例えば、角が相手の駒をライン上で睨んでいる場合などがこれに当たります。

この表現は、将棋の駒同士の緊張感と戦略的な駆け引きを見事に表しており、まるで静かな水面の下で進行する激しい競争のようです。

 

人間将棋

人間が将棋の駒となって実際に盤上を動くアトラクションです。

このイベントは、将棋の戦略や駒の動きを直接体験することで、参加者にゲームの深さをより深く理解させると同時に、観客には将棋の魅力を新たな形で提供します。

まるで、古の戦いを現代に蘇らせるタイムマシンのような魅力があります。

 

人間には指せない手

コンピューター将棋が提案する、人間のプレイヤーが心理的に選びにくい手のことを指します。

この表現は、人間とコンピューターの思考の違いを浮き彫りにし、将棋の世界におけるAIの影響を示しています。

まるで、人間の直感とコンピューターの計算能力が融合することで生まれる新たな戦略の地平を開くかのようです。

 

抜く

飛車や角などの駒が、他の駒を動かすことで新たに相手の駒を取れる状態になる行動を指します。

また、王手と重要な駒の両取りになる状況も含みます。

この戦術は、相手の注意を分散させ、重要な駒を獲得する機会を生み出します。

まるで、相手の防御の隙を突く狡猾な戦略家のようです。

 

ぬるぬる

玉の逃げ道が巧妙に確保されており、簡単には捕まらない状態を表現する言葉です。

この用語は、将棋における玉の安全確保と逃走路の重要性を象徴しており、まるで滑らかに逃げるウナギを捕まえようとする手応えのない挑戦のようです。

 

捻り合い

将棋の中盤から終盤にかけての非常に複雑で読みにくい局面を指す言葉です。

研究が追いついていないため、どちらに転ぶかわからない状況で、選手たちの真価が問われます。

まるで、二人の思考が複雑に絡み合う心理戦のようです。

 

根絶やし

相手に一切の反撃の余地を与えず、有利な局面を更に押し広げる手法を指します。

この戦術を用いることで、相手はまるで行き場を失ったかのようになります。

まるで、相手の望みをすべて断ち切るような冷酷さが感じられます。

 

ネット将棋

インターネットを介して世界中の人々と対戦することができるオンライン対局のことを指します。

対面では味わえない幅広い相手との対局が可能になり、将棋の楽しさをさらに広げてくれる素晴らしいツールです。

まるで、デジタルの海を渡る冒険家のような感覚を味わえます。

 

ノータイム

持ち時間をほとんど使わずに手を指すことを意味します。

即座に手が浮かぶことは、対局者がその局面を深く理解している証拠ですが、時には熟考することも重要です。

まるで、直感の力を信じて即断即決する勇気ある決断のようです。

 

ノーガード

意図的に自分の防御を薄くして、反撃の機会をうかがう戦術を指します。

これは、将棋における大胆な策略であり、相手を驚かせることができる反面、大きなリスクも伴います。

まるで、勝負を賭ける高いリスクとリターンのバランスを探る賭け師のようです。

 

脳内盤

頭の中だけで将棋の局面を想像し、駒を動かすことです。

まるで脳の中に実際の将棋盤があるかのように、次の一手や最善手を緻密に計算する能力を指します。

この技術は、将棋の名手たちが持つ想像力の豊かさと深い理解を象徴しています。

私たちにとっては、この想像上の盤面での対局は、まさに脳の体操であり、創造力の証明です。

 

逃れている

将棋で玉が詰みの危機からうまく逃れることができる状況を指す言葉です。

この表現は、詰将棋の問題を解く際や実際の対局で、詰みを回避する手段を見つけた時に使われます。

まるで危険な追跡から巧みに逃れる映画のヒーローのように、玉の逃げ道を見つけることは、戦略的な思考と瞬時の判断力を要します。

 

残す

相手の攻撃をギリギリで防ぎ切り、勝利の可能性を残すことを意味します。

まるで絶望的な状況からの逆転のチャンスを掴むかのような緊張感があります。

この言葉は、将棋の奥深さと、局面を変えるための一手の重要性を教えてくれます。

 

残っている

現時点では明らかではないが、将来的に問題となる手があることを指します。

まるで将来の脅威を予見するかのように、この表現は将棋の深い読みと戦略的な展望を必要とします。

これは、すべての可能性を考慮に入れ、準備することの大切さを示しています。

 

覗く

角を利用して新たな攻撃ラインを開く行為です。

まるで隠れた道を発見する探検家のように、この動きは将棋盤上で新たな可能性を見出すことを意味します。

この技術は、柔軟な思考と創造的な戦略を駆使することの重要性を教えてくれます。

 

伸ばす

将棋で歩を含む駒を前方に進めることを意味し、局面を開拓する積極的な行動を示します。

特に、攻めの構築や陣形の強化を目的としています。

しかし、「伸びすぎる」という言葉には、過剰な前進が逆に弱点を作り出すリスクがあるという警鐘が含まれています。

このバランスのとり方が、将棋の奥深さを物語っていますね。

 

(手が)伸びる

ある手を指すことで、将来的に有利な局面や新たな可能性が広がることを示します。

この表現は、将棋の一手一手が持つ深い意味と、先読みの重要性を教えてくれます。

まるで糸を引くように局面を引き寄せ、ゲームの流れを自分のものにしていく様子は、戦略ゲームの醍醐味を感じさせます。

 

 

将棋用語集①(あ行~か行)はこちら

 

将棋用語集③(は行~わ行)はこちら

 

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